2004年のブランド立ち上げ以来、世界中に数多くのプロジェクター用スクリーンをリリースしてきたVIVIDSTORM(ビビッドストーム)は、超短焦点プロジェクター用の電動昇降スクリーン『VIVIDSTORM SCREEN』を販売している。
本製品は、明るい昼間でも鮮やかな映像体験を実現する、次世代のホームシアター用スクリーンだ。
スクリーンには、特殊な光学ノコギリ状構造をもつ「UST ALR(超短焦点用アンチライトリフレクション)素材」が採用されており、上からの環境光を遮り、下からの超短焦点プロジェクターの投射光のみを効率よく反射。これにより、明るい日中でもくっきりとした高コントラスト映像を楽しめる。
そして、工事不要の自立式ポップアップ機構を採用。付属リモコンでスクリーンの電動昇降が可能だ。
▼スクリーン展開の様子
今回、メーカーより本製品(超短焦点用・100インチ)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていく。
『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』のスペック&概要
ブランド | VIVIDSTORM(ビビッドストーム) |
モデル名 | VSDSTUST100H-JP |
カラー | ブラック、ホワイト |
梱包サイズ | 2500×240×210mm |
梱包重量 | 約28kg |
本体サイズ | 横幅:2431mm(ケーブル含む)、高さ120mm、奥行き:160mm |
本体重量 | 約27kg |
投影サイズ | 100インチ |
投影範囲 | 横幅:2214mm、縦:1245mm |
アスペクト比 | 16:9 |
筐体素材 | アルミニウム(耐湿性あり) |
推奨プロジェクター | 投射比0.4以下、2500ANSIルーメン以上の超短焦点プロジェクター |
取り付けタイプ | 床置き式 |
視野角 | 170度 |
電源 | AC100V-240V, 50/60Hz, 0.6A, 130W |
同梱物 | ・100インチ スクリーン本体 ・リモコン ・スクリーン掃除ブラシ ・クリーニングステッカー ・固定用ネジ×4本 ・プロジェクタートリガー ・マニュアル |
メーカー保証 | 2年間の製造保証 |
※参考リンク:VIVIDSTORM 公式製品ページ
今回紹介するVIVIDSTORMの超短焦点プロジェクター用100インチスクリーンは、明るい昼間でも鮮やかな映像体験を実現する、次世代のホームシアター用スクリーンだ。
▼投射比0.4以下、2500ANSIルーメン以上の明るさを備えた、超短焦点プロジェクターの使用を推奨。
スクリーンには、特殊な光学ノコギリ状構造をもつ「UST ALR(超短焦点用アンチライトリフレクション)素材」が採用されており、上からの環境光を遮り、下からの超短焦点プロジェクターの投射光のみを効率よく反射。これにより、明るい日中でもくっきりとした高コントラスト映像を楽しめる。
そして、工事不要の自立式ポップアップ機構を採用。付属リモコンでスクリーンの電動昇降が可能だ。
▼大きなスクリーンは約30秒ほどでコンパクトに格納可能。アルミ製の筐体は耐湿性が高く、インテリア性にも優れている。
加えて、スクリーン周囲にはワイヤーテンション構造を搭載し、常にシワのないフラットな表示面をキープ。背面にはV型テンションアームも備え、傾きのない安定した設置を実現している。
海外製だが、日本国内の電圧にも完全対応。2年間のメーカー保証も付属しており、安心して使用できる。
▼電動ポップアップ型スクリーンのサイズ規格
製品本体および付属品
VIVIDSTORM 100インチスクリーンの梱包サイズは2500×240×210mmと非常に大きい。横幅が2.5メートルもあるため、マンションなどに搬入する際、エレベーターの仕様によっては入りきらない可能性もあるので注意が必要だ。
▼外箱の様子
箱を開けると、スクリーン本体が梱包材でシッカリと保護された状態で入っている。非常に多くのゴミが出るため、事前にゴミ袋を用意しておくと良いだろう。
▼パッケージの内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- 100インチ スクリーン本体
- リモコン
- スクリーン掃除ブラシ
- クリーニングステッカー
- 固定用ネジ×4本
- プロジェクタートリガー
- マニュアル
▼ユーザーマニュアルは日本語に完全対応。
▼専用リモコンとアクセサリーが付属。ネジで壁面にアクセサリーを取り付けることで、リモコンをスマートに収納しておくことができる。
リモコンはスクリーン上昇・下降・停止の3つのボタンのみが搭載されたシンプルな設計。
リモコンには電池が内蔵されており、到着後にそのまま使用を開始できる。
▼スクリーン掃除ブラシとクリーニングステッカーも付属。スクリーンが汚れた場合に安全に掃除できる。
▼そしてプロジェクタートリガーが付属。プロジェクターに接続することで、プロジェクターの電源とスクリーンの昇降を連動させることができる。ただし、プロジェクター機種によっては反応しない場合もあるので注意。
『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』本体の外観
▼『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』本体の外観。本体サイズは横幅:約2400mm、高さ:120mm、奥行き:160mm。
今回のレビュー時には黒色を使用している。耐湿性を備えたアルミニウム製の筐体は頑丈で、表面仕上げが滑らかで高級感もある。インテリア性が高い点も嬉しい。
▼真上にはスクリーンの昇降部が設けられている。
▼VIVIDSTORMのロゴも確認できる。
▼右側面の様子
▼左側面の様子。
左側面には、電源ポート、主電源スイッチ、昇降スイッチが用意。
なお、今回のレビューでは2025年の最新バージョンを使用しており、以前のバージョンと比べてインターフェース周りのデザインがよりシンプルに洗練されている(以前のバージョンでは、側面からアンテナ等が伸びていた)。
▼底部には、滑り止め&床面へのキズ付き防止を兼ねたゴム足が設けられている。
底部の両側面に用意されているゴム足は展開することができ、スクリーン設置時の安定性を向上させることができる。
▼足に空いている穴にネジ(ビス)を通すことで、スクリーンを固定設置することも可能だ。
このように、筐体自体はシンプルなデザインとなっている。
VIVIDSTORM 100インチスクリーンの設置方法
自宅の空いたスペースに、スクリーンを設置してみた。
なお、本製品は約27kgと結構な重さのため、可能であれば2人で協力して設置することをオススメしたい。
▼筐体の横幅は約2400mmのため、結構広めのスペースが必要。
スクリーン左側面に、電源ケーブルを接続しておく。
電源ケーブルを接続すると全体の横幅は2431mm程度になるため、2400mmピッタリの空間では使用できないので注意したい。
▼ケーブル先端は大きく曲げることができないので、スクリーン本体は壁面から8~9cmほど空けて設置する必要がある。
▼設置完了
スクリーン本体を床に置き、電源ケーブルを接続するのみであるため、設置手順は非常に簡単。壁や天井に穴をあける必要が無く、賃貸住宅でも問題なく使用できる(実際、レビュー時には賃貸物件で使用している)。
よほど特別な造作を必要としない限り、工事不要で電動昇降スクリーンを手軽に実現できる点は大きな魅力だ。
スムーズなスクリーン昇降が可能
電源ケーブルを接続後、左側面の主電源スイッチをオンに入れることでスクリーン昇降が可能となる。
左側面の昇降スイッチを押すか、付属リモコンのボタンを押すことで遠隔で昇降操作ができる。
スクリーン展開時
▼スクリーン展開の様子(正面)
▼スクリーン展開の様子(背面)
スクリーン展開は約30秒で完了する。動作は非常にスムーズであり、展開中に止まったり、ぎこちなさを感じることは一切なかった。
なお、スクリーン展開後に電源を切っても展開状態は維持されるため、無駄な電力消費を防ぐことができる。
スクリーンの左右にはテンションワイヤーが備わっており、スクリーンのたるみやシワを防止している。
▼ワイヤーでスクリーン全体にテンションをかけることで、たるみやシワひとつない、上から下まで非常に滑らかな平面を実現。
プロジェクター用スクリーンと言えば、一般的には白色のイメージだが、本製品はグレー色となっている。
そして背面のV字テンションアームがスクリーン全体を支えており、前後の傾きを抑えて安定した設置を可能にしている。
▼アーム関節の強度は高く、使用中に徐々に折れ曲がってきたり、グラつきが生じることもなかった。
スクリーン格納部には固定金具が用意されており、アームを安全に、安定して格納できるようになっている。
▼スクリーン格納部。
▼格納部の左側(電源側)には配線が確認できる。
スクリーン格納時
▼スクリーン格納の様子(正面)
▼スクリーン格納の様子(背面)
スクリーン格納も約30秒で完了する。展開時と同様に動きは非常にスムーズで安定感がある。途中で引っかかるような動作や、モーター音が気になることもなく、ストレスを感じる場面は一切なかった。
本体下部に内蔵された電動ローラーが自動でスクリーンを巻き取っていく構造になっており、動作中もスクリーンがブレることなくスッと収納されていく。
▼電動ローラー回転の様子
日常的に使いたいものだからこそ、このようなスムーズな格納性能は大きなポイントだ。ボタン一つで完了するシンプルさも相まって、毎日のホームシアター体験がより快適になる設計となっている。
高さ調整機能&昇降メモリー機能がとても便利
本製品は「高さ調整機能」を搭載しており、リモコンもしくは筐体左側面の昇降ボタンを押すことで、スクリーンを任意の位置で停止させ、そのままロックすることができる。
▼「高さ調整機能」を使用する様子
この機能のおかげで、プロジェクターの投影映像とぴったりと合わせやすくなっている。多少の高さを備えた台の上に超短焦点プロジェクターを設置した場合でも、無理なく視野に収まる範囲に調整することが可能だ。
さらに便利なのが「メモリー機能」だ。一度設定した高さを記憶してくれるため、次回以降は展開時に常に同じ位置に展開してくれるようになる。毎回微調整する必要がないため、日常使いの快適さが格段に上がる。
このあたりの細やかなユーザー配慮は、長年プロジェクタースクリーンを開発してきたVIVIDSTORMならではの完成度だと感じた。
稼働音は静かで気にならない範囲、ただし展開初期にわずかな擦れ音あり
スクリーンの稼働音については、全体的に静かで日常使用において気になるレベルではなかった。特に格納時は非常にスムーズで、モーター音以外の雑音は一切感じられない。
▼スクリーン稼働音の確認
一方で、展開時には、最初の50%ほどスクリーンが持ち上がるあいだに、わずかに擦れるような音が聞こえる場面があった。金属同士が触れ合うような耳障りな音ではなく、構造的な動作音として受け入れられる範囲ではあるが、完全無音を期待している方は少し気になるかもしれない。
とはいえ、スクリーンの動作そのものに影響が出るような不快な音ではなく、全体としては非常に静かで、夜間の使用でも問題ない水準だと感じた。集合住宅で夜間に稼働させても問題ないだろう。
静音性を重視する方にも、十分おすすめできる品質だ。
環境光をシャットアウトする特殊スクリーン
本製品には、超短焦点プロジェクター専用の「UST ALR(Ambient Light Rejecting)素材」が採用されている。光学的に設計されたノコギリ状構造によって、上からの環境光を効果的に遮断。下からのプロジェクター光だけを観客側に反射することで、明るい昼間でもくっきりとした高コントラスト映像を楽しめるようになっている。
実際にスマートフォンのライトを使って、上方向と下方向からスクリーン表面を照らす実験を行ってみたところ、その性能差は一目瞭然であった。
▼上から照らした場合。光はほとんど拡散せず、ライトの周囲がわずかに白くなる程度。
▼下から照らした場合。光が広い範囲で綺麗に広がる。
これはまさに、プロジェクターの光だけを反射するという理論を実際に再現した結果だ。
この構造のおかげで、日中や照明がついている部屋でも、コントラストの高い映像が得られやすい。まさに超短焦点プロジェクターに特化したスクリーンだと確認できた。
超短焦点プロジェクターの実力を底上げする、圧倒的な映像体験
実際に超短焦点プロジェクターを使用して、『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』に映像を投影した際の見え方を確認した。
本製品は、明るさ2500ANSIルーメン以上、投射比0.4以下の超短焦点プロジェクターでの投影が推奨されている。
そこで今回のレビュー時には、超短焦点プロジェクター『Aladdin Marca Max』をAladdin X(アラジン エックス)様からお借りして、投影映像を確認してみた。
▼Aladdin Marca Max
ブランド | Aladdin X (アラジンエックス) |
モデル名 | Aladdin Marca Max |
輝度 | 2500 ANSIルーメン |
標準解像度 | 3840 x 2160 |
リフレッシュレート | 最高120Hz (1440p) |
色域カバー率 | DCI-P3 99% |
投影サイズ | 90~150インチ |
遅延 | 20ms(ゲームモード:高速) |
投射比 | 0.177:1 |
通常価格 | 379,800円(税込) |
※参考リンク:Aladdin Marca Max 公式製品ページ
▼スクリーンから約15cmほど離れた位置にプロジェクターを設置。
スクリーンに『Aladdin Marca Max』の映像を投影し、様々な映像コンテンツを視聴したり、ゲームをプレイしてみた。
以下に、実際の投影映像(夜間・照明消灯時)をいくつか紹介する。
▼投影映像①
▼投影映像②
▼投影映像③
結論から言うと、まさに超短焦点プロジェクターのポテンシャルを最大限に引き出す理想的な組み合わせだと感じた。
投影された映像は、「これが本当にプロジェクター映像?」なのかと疑いたくなるほどの美しさだ。液晶モニターで視聴した場合と比べても、精細感や色の深み、映像の立体感においてまったく遜色がなく、プロジェクターであることを完全に忘れてしまうほどの没入感が得られた。
特に印象的だったのは、暗いシーンにおける黒の表現だ。上の「投影映像③」を観てもらえれば分かると思うが、プロジェクターの映像をそのまま壁面に投影した場合と比べて、黒色に段違いの深みがある。有機ELテレビのような“完全な黒”とまではいかないものの、プロジェクターとは思えないほど深みのある黒がしっかりと再現されており、映像全体にグッと引き締まった印象を与えてくれていた。
▼明暗のコントラストが重要なコンテンツでは、臨場感と没入感が大きく向上する。
また、ゲームプレイ時にも映像遅延やコントラスト不足を感じることはなく、画面全体が均一に明るく、キャラクターや操作画面(ユーザーインターフェース)も視認性は抜群。ゲーミングモニター代わりに使用しても、圧倒的な映像の迫力で満足度の高い体験が可能であった。
100インチという超大画面でも映像がぼやけることがなく、ハイエンドモニターと比べても十分に実用的な描写性能を備えていると感じた。
映像の美しさや描画の安定性から見ても、VIVIDSTORM スクリーン × 超短焦点プロジェクターの組み合わせは、ホームシアター環境をワンランク引き上げる最適解と言えるだろう。
明るい室内でも映像はクッキリ
プロジェクターと言えば「明るい昼間や、照明を点灯させた室内では映像が見えにくい」というのが一般的な印象だろう。
しかし、VIVIDSTORM スクリーン × 超短焦点プロジェクターの組み合わせであれば、その常識は完全に覆された。
実際に「日中・外からの光が漏れ入る室内」と「夜間・部屋の照明をつけた状態」の2つの環境で映像を投影した際の様子を、以下に紹介する。
▼昼間の室内での投影映像
昼間の15時、カーテンの隙間から西日が入り込む室内でも、十分にクリアな投影映像を得ることができた。さすがに暗所と比べると色味がやや薄くなるものの、文字や細かな映像のディテールまでしっかりと視認可能で、スクリーン全体のコントラストも大きく損なわれることはなかった。
▼壁面投影⇒スクリーン投影の遷移
前述したスクリーンの「ALR(環境光シャットアウト)構造」がしっかりと機能しており、自然光を抑えつつ、下からのプロジェクター光だけを効率よく反射してくれるのがよくわかる。
▼室内照明を点灯した状態での投影映像
上動画は、照明を点灯し部屋全体を明るく照らしている状態だが、これだけ明るい環境にもかかわらず、モニターなどと遜色ないクオリティの映像を楽しむことができた。照明消灯時と比べても映像の見え方は大きく変わらず、白飛びや黒浮きといった問題も感じられない。
このように、光の角度をコントロールする特殊なスクリーンを採用することで、「プロジェクター使用時は部屋を暗くしないといけない」という常識を覆すことに成功している。
家族が集まる明るいリビングでも、部屋を真っ暗にせず、そのまま高画質を楽しめる。これはまさに、日常に溶け込むホームシアターの完成形だと感じた。
「壁面投影時」と「スクリーン投影時」の比較
続いて、プロジェクター映像を「壁面に投影した場合」と「VIVIDSTORMスクリーンに投影した場合」とで、品質を比較してみた。
そもそもAladdin Marca Maxは、超短焦点プロジェクターの中でもトップクラスの性能を誇る機種であり、白い壁に直接投影しても非常に美しい映像を楽しめる。実際、壁面にそのまま映してみても、色鮮やかで明るく、解像度も高く(4K)、十分に満足できるレベルであった。
▼壁面に直接投影した場合
しかし、それはあくまで「プロジェクターとして最高峰」という前提での話だ。
VIVIDSTORMのスクリーンを使った場合、プロジェクター映像という枠を超え、まるで液晶ディスプレイやテレビを見ているような錯覚に陥るほど、映像体験が引き上げられる。
色の深み、黒の沈み込み、そして映像の輪郭の明瞭さが一段と際立ち、プロジェクターとは思えないほどのクリアさを感じられた。
▼スクリーンに投影した場合
▼投影映像の比較
※クリックで拡大
さらに大きな違いとして実感したのが、「表示面の質感」だ。
壁面に投影する場合、どんなに綺麗に見える白壁でも、微細な凹凸や塗装のムラが明るい映像で目立ってしまうことがある。特に白背景のコンテンツでは、ざらついた印象を受けやすい。
▼壁面投影時。遠目では綺麗に見える白壁でも、よく見ると微小な凹凸がある。
一方、VIVIDSTORMのスクリーンは、前述した通り表面が非常に滑らかで均一に仕上げられており、画面全体が一様に整った美しい表示面を保っている。
凹凸のノイズがないぶん、映像への没入感が大きく高まるのも大きな魅力だ。
プロジェクタートリガーの連動機能でスムーズに使用可能
『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』に付属するプロジェクタートリガーを使用することで、対応プロジェクターとスクリーンの連動動作が可能となる。
▼Aladdin Marca Maxに接続してみた。
まず、プロジェクタートリガーを装着した状態でプロジェクターの電源をONにすると、スクリーンも自動的に連動して展開される挙動はしっかりと確認できた。
▼プロジェクター×スクリーン連動の様子
プロジェクターを点けるだけでスクリーンが展開してくれるため、スクリーン側のリモコン操作なしで映像視聴の準備が完了するのは非常に便利だ。
さらに、プロジェクターの電源を完全にOFFにすると、スクリーンも自動で格納された。
特に日常使いのシーンにおいて、毎回の操作をこのように自動化できるのは、大きな利便性向上につながるだろう。
なお、連動機能は使用するプロジェクターの仕様に依存するため、すべての機種で同様に動作するとは限らない点に注意したい。とはいえ、今回使用したAladdin Marca Maxのような対応プロジェクターであれば "完全連動" が可能である点は、本製品の大きな魅力の一つだと感じられた。
100インチテレビを導入する場合との比較
最後に、100インチテレビを導入する場合と、『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』&『Aladdin Marca Max』の2つを導入する場合について、様々な観点で比較してみる。
比較項目 | 100インチテレビ | VIVIDSTORMスクリーン+ Aladdin Marca Max |
導入価格 | 安価モデル:60~70万円台 ハイエンド:100万円超 |
合計60万円前後 |
設置性 | 壁掛けまたは大型台が必要 工事や補強が必要な場合も |
床置き可能で工事不要 賃貸でも手軽に設置可 |
搬入のしやすさ | 非常に重く、搬入経路に制限がある | プロジェクターはコンパクト。 スクリーンは長さこそあるものの、 テレビと比べると搬入はしやすい |
映像体験 | 明るく高画質だが、サイズ固定 | 100インチ大画面+高コントラスト 没入感が非常に高い 投影サイズ調整可能 |
明るい環境での視認性 | 明るい室内でも問題なく視聴可能 | ALR素材により明るい昼間でも鮮明な映像 |
使用しない時の省スペース性 | 常に大きな本体が目立つ | 未使用時はスクリーンを格納できてスッキリ |
アップグレード性 | 買い替えは本体ごと必要 | プロジェクターとスクリーンを 別々に更新できる |
100インチテレビを導入する場合、映像品質にこだわったハイエンドな機種になると価格は100万円超と高額になる。また、本体が大型かつ重量もあるため、設置や搬入には専門業者による対応が必要になることもある。そして何より、未使用時でも常に大きな筐体が存在感を放つため、設置場所やインテリアとの調和も考慮が必要だ。
一方で、『VIVIDSTORMスクリーン+Aladdin Marca Max』の組み合わせなら、合計60万円前後の予算で導入可能。価格は高いが、同クオリティの映像を楽しめる100インチテレビよりはやや安価になる。ALRスクリーンの効果により、明るい昼間でもクリアな映像が楽しめる点も大きな魅力だ。そして、工事不要で床に置くだけで設置でき、使用しない時はスクリーンを自動で格納できるため、部屋をすっきり保つことができる。
個人的には、コスト・設置性・映像体験のいずれにおいても、ホームシアターを手軽に楽しみたい方には「VIVIDSTORM+超短焦点プロジェクター」の組み合わせをオススメしたい。
まとめ:『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』の良かった点・悪かった点
今回紹介した『VIVIDSTORM 100インチスクリーン』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュで高級感のある筐体外観
- 工事不要で自動ポップアップ式スクリーンを実現できる
- 昇降が非常にスムーズかつスピーディ
- 動作音は夜間でも問題なし
- メモリー機能&高さ調整機能が便利
- テンションワイヤー&V字アームによるシワのないフラット面
- 映像の没入感が非常に高い
- 明るい部屋でもクッキリとした映像を楽しめる
- 2年間のメーカー保証付き
悪かった点
- 梱包サイズが非常に大きく搬入に注意が必要
- 展開初期にわずかな擦れ音がある
- 設置スペースに余裕が必要
以上の通り、本製品は超短焦点プロジェクターの性能を最大限に引き出す電動昇降スクリーンとなっている。
特殊な構造をもつUST ALR素材を採用することで、明るい日中でも驚くほど鮮明な映像を映し出すことが可能。「プロジェクターを使用するときは部屋を暗くしないといけない」という一般常識を大きく覆すほどの実力を備えている。
工事不要で電動昇降スクリーンを実現できる点や、シワのないフラットな投影面を実現するテンション構造など、細部に至るまで家庭で本格的な映像体験を楽しむための工夫が詰め込まれている。
そして何より、スクリーン使用時と壁面投影時の映像クオリティの差は感動するレベルだ。元々美しいと感じていた超短焦点プロジェクターの映像が、スクリーンを通すことでさらに深みを増し、黒の締まりや色彩の豊かさ、映像全体の立体感において別次元の仕上がりへと昇華された。ゲームや映画鑑賞など、映像体験の質を求める方にとって、この違いは一度体験したら戻れないほどのものだ。
「プロジェクターの映像はテレビには敵わない」という固定概念を覆すスクリーンだと自信をもって言える。
超短焦点プロジェクターをすでに使っている、もしくは今後導入する予定のある方には、間違いなくオススメしたい一台だ。
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