数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「ACEMAGIC」は、Ryzen7 5700U搭載の15.6インチ型ノートPC『ACEMAGIC LX15PRO』を販売している。
CPUにはAMD Ryzen 7 5700U (3.6 GHz)を、グラフィック処理にはAMD Radeon Vega 8を採用。16GB RAMと512GB SSDを備えるほか、カメラ&マイクを内蔵しており、一般的なビジネス用途から軽めのゲームまで、幅広い用途で活用できるモデルとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていく。
ブランド | ACEMAGIC |
型名 | ACEMAGIC LX15PRO |
OS | Windows 11 Pro |
ディスプレイ | 15.6インチ 低反射IPS |
解像度 | 1920×1080 (FHD) |
リフレッシュレート | 60Hz |
CPU | AMD Ryzen 7 5700U (3.6 GHz) |
グラフィックス | AMD Radeon Vega 8 |
メモリ(RAM) | 16GB DDR4 ※最大64GBまで拡張可能 |
ストレージ(ROM) | 512GB M.2 PCIe 3.0 SSD ※最大4TBまで拡張可能 |
拡張用スロット | デュアルSO-DIMMスロット M.2 NVMe×2 |
対応通信規格 | Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2 |
インターフェース | ・USB Type-C(フル機能) ・USB Type-A 3.2 Gen 1×3 ・HDMI 2.0 ・MicroSDカードスロット ・3.5mmジャック ・ケンジントンロック穴 ・DC電源ポート |
搭載カメラ | 1280×720, 30fps HDウェブカメラ内蔵 ※フロントのみ |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
マイク | デジタルマイク内蔵 |
バッテリー | 4,800mAh |
バッテリー持続時間 | 最大8時間 |
満充電時間 | 約3時間 |
本体サイズ | 35.7×23.5×1.7 cm |
本体重量 | 公称値:1.6kg 実測値:約1.683kg |
今回紹介する『ACEMAGIC LX15PRO』は、Windows 11 Proを搭載した15.6インチ型のノートPC(ラップトップPC)だ。
低反射IPSスクリーンを採用した画面は1920×1080(FHD)解像度・60Hzリフレッシュレートに対応。見やすくて鮮やかな描画でコンテンツを楽しめる。
CPUにはAMD Ryzen 7 5700Uを採用。一般的なPC作業(ウェブサイト閲覧や動画視聴)はもちろん、要求の高いアプリケーションを使用したオフィスワークまで、幅広い用途で活躍できる性能を備えている。
また、グラフィック処理用にはAMD Radeon Vega 8を備えており、軽めの動画編集やゲーミングであれば対応可能だ。
RAMは16GB DDR4を搭載しており、最大64GBまでのRAM拡張に対応。
ストレージには512GB M.2 PCIe 3.0 SSDを採用。大量のデータを保存できるほか、本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能だ。なお、最大4TBのストレージ拡張をサポートしている。
通信規格はWi-Fi 6, Bluetooth 5.2をサポート。
本体サイズは35.7×23.5×1.7 cm、重量は約1.6kgであり、十分に持ち運びやすいサイズ感となっている。
そして、筐体には豊富なインターフェースを搭載しており、複数のデバイスとの接続にも対応している。
【インターフェース構成】
- USB Type-C(フル機能)
- USB Type-A 3.2 Gen 1×3
- HDMI 2.0
- MicroSDカードスロット
- 3.5mmジャック
- ケンジントンロック穴
- DC電源ポート
HDMIポートが用意されており、外部ディスプレイに映像を出力することが可能。フル機能対応のType-Cポートも備えており、幅広い用途で活用できるようになっている。
なお、ディスプレイ上部にはHDフロントカメラを搭載。マイクも内蔵されているため、これ一台でオンライン授業やウェブ会議の用意を整えることができる。
4,800mAhバッテリーを内蔵し、最大8時間の連続使用が可能。外出先に持参しても、一日中使用できる持続力を備えている。
これだけの性能を備えつつ、通常価格は7万円台、Amazonページの割引込みで5万円台での購入が可能。非常にコストパフォーマンスが優れた一台だ。
製品本体および付属品
▼パッケージ内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ACEMAGIC LX15PRO本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- キーボードフィルム
▼ユーザーマニュアルは日本語にも完全対応
▼キーボードフィルムが付属。キーボードの上に敷いて汚れやキズから保護できる。
▼電源アダプタは比較的コンパクトなサイズ
ノートPC本体
▼ノートPC本体の外観。シルバーを基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。指紋や手脂などの汚れが目立ちづらい素材で造られている。
▼底部には滑り止め用のゴム足が設けられているほか、スピーカー穴や排気口が用意。
▼ディスプレイを開いた状態。15.6インチ 低反射IPSスクリーンが現れる。
なお、ディスプレイを開く際には、本体下部をもう片方の手で押さえる必要があり、Macbookのように片手ではスムーズに開けることはできない。
▼キーボードとタッチパッドに加え、各種LEDインジケーターが用意。
▼中央上部には電源・CapsLock・テンキーロックの状態を示すLEDインジケーターが用意。
▼キーボードは英語配列。
▼右側には上部に電源キーが用意されているほか、テンキーも備わっている。
▼キーボードには付属フィルムを被せて、保護しながら使用することも可能。
▼タッチパッドの範囲は約8cm×約13.1cm。広めに設けられており操作しやすい。
▼内側も手脂等の汚れに強く、綺麗な状態で気持ちよく利用し続けられる点が嬉しい。
ディスプレイ上部中央にはHDウェブカメラが内蔵されている。レバーをスライドさせることで、プライバシーカバーの開閉が可能だ。
ちなみに、ディスプレイ部は最大180度で展開可能。使用環境に応じた柔軟な角度調整に対応している。
▼筐体外観(360度)
携行しやすいサイズ感&重量
筐体サイズは35.7×23.5×1.7 cm。閉じた状態の最も薄い部分が1.7cmであり、底部の厚みを含めた実質的な厚みは約2.3cmほどある。
▼薄型とは言いづらいものの、携帯性を損なわない厚み
▼本体重量は実測で約1,683g。
重量に関しても超軽量と言える部類ではないものの、携行性を損なわない程度の重さとなっている。
▼片手でも難なく持ち運び可能。
▼女性や子供でもラクラク持ち運べる。
一般的なA4サイズが入るリュック(幅36cm以上)にもギリギリ入る。ノートPC用のカバンを別途用意する必要がないため、手持ちの荷物を減らすことができて嬉しい。
インターフェース構成
続いて本体インターフェースについて見ていく。
▼右側面には、マイクロSDカードスロット、USB Type-A 3.2 Gen 1×2、3.5mmイヤホンジャックが用意。
▼左側面には、ケンジントンロック穴、DC電源ポート、Type-C(フル機能)、HDMI 2.0、USB Type-A 3.2 Gen 1が用意。
以上の通り、充実したインターフェース構成となっている。
HDMIポートが用意されており、外部ディスプレイに映像を出力することが可能。フル機能対応のType-Cポートも備えており、幅広い用途で活用できるようになっている。
ノートPCの起動&基本スペック情報
キーボード右上の電源キーを長押しすることで、PCの電源が起動する。
SSDを搭載しているため、OSの起動はスムーズ。電源を入れてから20秒も経たずにデスクトップ画面が表示される。
▼映像出力情報。1920×1080解像度、60Hzリフレッシュレートに対応。
▼デフォルトの状態で423GB分が使用可能領域となっていた。
▼PCのバージョン情報
初回起動時の推奨設定
ACEMAGIC LX15PROのキーボードは英語配列であり、起動時には「かな入力」がデフォルトでオンになっているため、キーボード設定の見直しを推奨する。
「設定」⇒「アクセシビリティ」⇒「キーボード」⇒「言語と地域」から、日本語の「言語のオプション」にアクセスする。
そしてキーボードレイアウトを確認し、「英語キーボード(101/102キー)」を選択する。
続いて日本語の「言語のオプション」から「Microsoft IME」⇒「キーボードオプション」から「全般」を選択し、入力設定で「ハードウェアキーボードでかな入力を使う」をオフにする。
上記の設定により、普段から日本語は配列キーボードに慣れ親しんでいる方でも、スムーズなキーボード入力が可能になるだろう。
▼半角/全角切替は、「Altキー」+「~キー」の同時押しで切り替えることができる。
各種ベンチマークテスト結果
各種ベンチマークテストを実施した結果について紹介する。
PCMARK10(有料版)のテスト結果
PCMARK10(有料版)のテスト結果は以下の通りとなった。
▼PCMARK10(有料版)のスコア結果
項目 | スコア |
総合スコア | 4,547 |
Essentials | 7,732 |
Productivity | 7,478 |
Digital Content Creation | 4,412 |
Ryzen 7 5700U搭載機として標準〜やや上位クラスのスコアだと言える。
特にEssentials/ Productivityスコアが優秀(7,000台)であり、複数アプリケーションの同時使用や、Word・Excelなど仕事で利用するアプリケーションの処理も快適。
普段使い・仕事用ノートとしては十分なパフォーマンスを備えており、コスパに優れたバランス型モデルだ。
項目 | スコア範囲 | 性能目安 |
総合スコア | 2,500~3,000 | エントリーレベル。基本操作は問題ないが、負荷の高い作業は難しい。 |
3,500~4,000 | 中級レベル。日常作業と軽いクリエイティブ作業には十分。 | |
4,500以上 | 上級レベル。高度なマルチタスクやクリエイティブ用途に適している。 | |
Essentials | 4,100以上 | ウェブブラウジング、アプリケーションの起動、ビデオ会議など、日常的な操作に必要なスコア。 |
Productivity | 4,500以上 | ワープロ、表計算、データ処理などのオフィス作業に適した性能。 |
Digital Content Creation | 3,450以上 | 真編集、動画編集、3Dレンダリングなど、クリエイティブ作業に求められる性能。 |
CrystalDiskMarkのテスト結果
CrystalDiskMarkでのテスト結果は以下の通り。
▼CrystalDiskMarkのテスト結果
項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
SEQ1M Q8T1 | 3598.64 | 1900.19 |
SEQ1M Q1T1 | 1852.23 | 543.40 |
RND4K Q32T1 | 266.48 | 180.66 |
RND4K Q1T1 | 35.70 | 57.59 |
上記の結果の通り3,500MB/sを超える高速なデータ転送に対応しており、OS起動やアプリの立ち上げが実にスムーズ。書き込み速度やランダムアクセスも標準的なNVMe SSDクラスであり、一般用途においてストレスを感じる場面はまずないだろう。
十分に実用的なストレージ性能を実現している。
項目 | Read目安値 | Write目安値 |
SEQ1M Q8T1 | 500~550 MB/s | 450~500 MB/s |
SEQ1M Q1T1 | 450~520 MB/s | 400~480 MB/s |
RND4K Q32T1 | 250~350 MB/s | 200~300 MB/s |
RND4K Q1T1 | 30~50 MB/s | 20~40 MB/s |
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果は以下の通り。
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果
項目 | スコア |
プロセッサ | 9.3 |
メモリ(RAM) | 9.3 |
グラフィックス | 6.1 |
ゲーム用グラフィックス | - |
プライマリディスク | 9.2 |
CPU・メモリ・ストレージの性能は高く、日常用途からビジネス、マルチタスクまで快適にこなせる構成となってる。
一方、グラフィックススコアは6.1と控えめで、軽い動画編集やカジュアルゲームには対応可能だが、3DゲームやGPU負荷の高い作業には不向きと言える。
作業重視の実用的なノートPCという評価だ。
項目 | 推奨スコア値 | 説明 |
プロセッサ(CPU)性能 | 6.0以上 | 日常作業(オフィス、ウェブ会議)や軽いマルチタスクが快適に動作。8.0以上なら動画編集もスムーズ。 |
メモリ(RAM)性能 | 5.5以上 | 6.5以上なら仮想環境や高負荷作業にも対応可能。 |
グラフィックス | 5.5以上 | デスクトップ操作や基本的なビジュアルタスクがスムーズ。高解像度環境では6.5以上を推奨。 |
ゲーム用グラフィックス | 6.0以上 | 軽い3Dゲームや3Dモデリング作業に十分対応可能。7.0以上なら負荷の高い作業も快適に動作。 |
プライマリディスク | 6.5以上 | SSD搭載で達成可能。OS起動やアプリ立ち上げが高速化。NVMe SSDなら7.5以上が期待できる。 |
CINEBENCH 2024のテスト結果
CINEBENCH 2024でのテスト結果は以下の通り。
シングルコア:73pts、マルチコア:421pts のスコア結果となった。
シングルコア・マルチコアともにモバイル向けCPUとしては中堅クラスのスコアであり、日常的な作業やビジネス用途には十分な性能だ。
ただし、動画エンコードや3Dレンダリングといった重めの作業では、ややパワー不足を感じる場面があるかもしれない。バランス型のパフォーマンスを求めるユーザーに適した構成だ。
近いスコアのCPUとしては、「Intel Core i5-1135G7」、「AMD Ryzen 5 5500U」あたりが挙げられる。
シングルコアスコア範囲 | マルチコアスコア範囲 | 性能クラス | 用途の目安 |
1,500以上 | 15,000以上 | 最上級(ワークステーションクラス) | 4K/8K動画編集、大規模3Dレンダリング、AI/機械学習 |
1,200~1,500 | 10,000~15,000 | ハイエンド | AAAゲーム、4K動画編集、重いマルチタスク作業 |
900~1,200 | 7,000~10,000 | アッパーミドル | ゲーミング、動画編集、配信、開発用途 |
700~900 | 4,000~7,000 | ミドルクラス | Office作業、軽めの動画編集、普段使い |
500~700 | 2,000~4,000 | エントリークラス | ブラウジング、文書作成、動画視聴 |
500未満 | 2,000未満 | ローエンド/旧世代 | 非常に軽い作業限定(ネット・メール等) |
3DMark(有料版)のテスト結果
3DMark(有料版)を使用して、各種ベンチマークテストを実行した結果は以下の通り。
CPUプロファイル
▼CPUプロファイルのスコア結果
項目 | スコア |
最大スレッド数 | 4,903 |
16スレッド | 4,863 |
8スレッド | 4,337 |
4スレッド | 2,465 |
2スレッド | 1,437 |
1スレッド | 732 |
結果から、マルチスレッド性能が非常にバランスよく発揮されていることが分かる。軽作業からマルチタスク処理まで幅広く対応できる性能だ。
軽い動画編集や開発用途にも、十分実用的なレベルと言える。
Night Raid
▼Night Raidのスコア結果
項目 | スコア |
Night Raidスコア | 8,279 |
グラフィックスのスコア | 8,057 |
CPUスコア | 9,819 |
グラフィックススコア8,057は、軽量な3DゲームやDirectX 12ベースのアプリであれば快適に動作する性能を示している。
Ryzen 7 5700U + Vega 8構成としては妥当なパフォーマンスだ。
Time Spy
▼Time Spyのスコア結果
項目 | スコア |
Time Spyスコア | 847 |
グラフィックスのスコア | 738 |
CPUスコア | 5,195 |
軽量タイトル(LoL、マイクラ、2Dゲーム等)であればスムーズに遊べるが、本格的な3Dゲーミングには厳しめなスコア結果となった。
ただ、CPUスコアは5,195と高く、CPU依存の処理では十分に力を発揮できる構成だ。GPUに依存しない作業であれば問題なく快適にこなせるだろう。
一般的なPC作業はスムーズにこなせる
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼スムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼動画再生中にカクつくを感じたり、途中で再生が止まることは無かった。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。同時に複数ウィンドウを開いた状態でのマルチタスクも問題なし。
また、左側面に用意されたHDMIポートを利用し、外部ディスプレイに映像を出力した場合でも、動作に支障をきたすことはなかった。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)を快適にこなせる性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にノートPC購入を検討している方にも、満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
映像は十分にクリア
1920×1080(FHD)解像度に対応した、15.6インチ 低反射IPSスクリーンで描画される映像は十分にクリアであり、ウェブサイト閲覧時や資料作成時でも、非常に読みやすかった。
低反射パネルにより、反射や映り込みが抑えられており、目が疲れづらい点もGOOD。
▼視野角も広く、角度をつけて画面を観た場合も、視認性が大きく損なわれることはない。
▼ベゼル幅は上部が約1cmほど。左右が約7mmほど。薄ベゼルとは言い難いが、気になるほどの厚みではない。
普段から有機ELディスプレイを見慣れている眼で観ると、発色はやや薄い印象を受けるものの、一般的な映像視聴には十分なレベルだ。ただ、色再現度を重視するクリエイティブ用途での使用は厳しいかもしれない。
▼映像視聴の様子
ディスプレイに関しては、一般的な作業用途から動画視聴には支障のない品質だと言える。
なお、デジタルルクスメーター「Vici LX1336B」を使用して、日常的に使用する平時の輝度を測定してみた。
明るさを最大に設定した際の、画面中央の輝度は最高212nitsであった。
屋内での一般的な作業には問題ない明るさではあるものの、日差しの強い場所や窓際ではやや見づらさを感じるシーンもあるかもしれない。
スピーカー品質は及第点
内蔵スピーカーの品質について確認してみた。
▼サウンド品質確認の様子①
▼サウンド品質確認の様子②
本製品はステレオスピーカーを内蔵しているが、ボリュームを最大まで上げた場合でも、音圧はそこまで強くない。
中~高音域に関してはクリアに出力できている一方で、低音に関してはほとんどつぶれてしまっていた。
音質は及第点レベルと言ったところだ。普通に映像を視聴する分には問題ないが、迫力のあるサウンド体験は期待できないだろう。
満足度の高いサウンドを楽しみたい場合は、3.5mmジャックを利用して、イヤホンや外付けスピーカー等を接続することをオススメしたい。
タイピングしやすいキーボード
ACEMAGIC LX15PROのキーボードは全体的にタイピングしやすい設計で、各キーがやや大きめに作られているため、打鍵ミスが少なく快適に入力できた。キーの押下圧は軽めで、ストロークも浅めなため、長時間のタイピングでも指が疲れにくい。
キー表面の質感にはややチープさが感じられるものの、手脂などの汚れが目立ちにくい素材が使われており、清潔感を保ちやすい点は好印象だ。
▼タイピングの様子
▼タッチパッドの手触りもツルツルとして心地よい。
打鍵音は比較的控えめで、静かな環境でも気になりにくい。ただし、完全な静音タイプではないため、図書館など音に気を付ける必要のある場所や、深夜に家族が就寝中のそばで使用する際には、多少の注意が必要かもしれない。
テンキーが用意
キーボード右側にはテンキーが用意されている。
「Fnキー」+「F12キー」の同時押しで、テンキーロックのオン/オフが可能。テンキーを利用しない場合はロックしておくことで、ご入力を避けることができる。
▼ロック中は、中央のLEDランプが点灯。
ウェブカメラ&マイク内蔵、これ一台でオンライン通話が可能
本製品はウェブカメラ&マイクを内蔵しており、これ一台でオンライン通話の準備を整えることができる。
フロントカメラは1280×720解像度・30fpsに対応。画質は比較的クリアだが、フレームレートが低めであり、激しく動くと残像がやや目立つ。ただし見づらさを感じるレベルではなく、十分に実用的なカメラ品質だと言える。
▼プライバシーカバー搭載により、カメラの誤作動によるプライバシー流出を物理的に防ぐことができる点はGOOD。
▼内蔵カメラの録画映像
また、内蔵マイクの品質についても確認してみた。
▼内蔵マイクで収録した音声
上動画は、スマホで撮影した映像の音声を、ACEMAGIC LX15PROの内蔵マイクで収録した音声に置き換えたものだ。
周囲の環境音(空調ノイズ)まで拾われているものの、普通に通話するには十分に優れたマイク性能となっている。話者の発言内容がクリアに拾い上げられており、非常に聴き取りやすい。
▼ACEMAGIC LX15PROの内蔵マイクで拾った音声単体
ウェブ会議やオンライン授業にも問題なく利用できるカメラ&マイク品質となっている。
ゲーミング性能について確認
ゲーミング性能についても確認してみた。
ドラゴンクエスト10のベンチマークテスト
実際にゲーミング性能を確認すべく、まずは「ドラゴンクエスト10(DQ10)」のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質 & 低品質
- フルスクリーン
フルHD解像度・フルスクリーンでテストを実行したが、標準品質の場合は4,979点で普通、低品質の場合は6,672点で快適という結果が得られた。
ドラクエ10レベルのMMORPGであれば、画質設定を調整することで十分に快適なパフォーマンスで遊べるだろう。
ファイナルファンタジー14のベンチマークテスト
続いて、『ファイナルファンタジー14(FF14)』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(ノートPC)
- フルスクリーンモード
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア1,853点、評価は 設定変更が必要" であった。
さすがにFF14クラスのPCゲームを遊ぶのは難しいという結果に。
中クラス以上の負荷のゲーミングは厳しいが、低負荷タイトルであれば、設定次第でスムーズに遊ぶことができるだろう。
優れた放熱性能
レビュー時には本製品を5時間ほど連続使用したが、熱によるパフォーマンスへの影響は一切感じられなかった。
▼5時間ほどPCを稼働させ続けた際の内部温度(CPUID HWMonitorによる測定値)。
約5時間の連続稼働にもかかわらず、CPU温度は最大でも49.1°Cにとどまっており、冷却性能は非常に安定している。個々のコアやキャッシュ周辺の温度もすべて45℃前後に収まっており、サーマルスロットリングの兆候は見られない。
SSDの温度も40.0°Cで安定しており、発熱は極めて穏やかであった。内部のエアフローと放熱設計がしっかり機能していることが伺える。
ただ、筐体底部はやや熱をもつため、ノートPCを膝上に長時間置いたまま使用すると、低音ヤケドの危険性があるので注意したい。
ファンの回転音については、ベンチマークテストの実行や大容量アプリケーションのインストールなど、負荷が大きくかかる場面では明らかに音が大きくなる。
ただし、動画視聴や軽作業といった一般的な用途であれば、作業中に気になるほどの騒音は発生せず、快適に使用できた。
▼5時間連続使用時のPC稼働音の確認
※環境音(空調音)を多少拾ってしまっている点にご容赦願いたい。
バッテリーの持ちは一般的
本製品は4,800mAhバッテリーを内蔵しており、公称値では最大8時間の連続使用が可能とされている。
実際に使用してみたところ、ウェブサイト閲覧や動画視聴程度であれば、満充電状態から7時間前後の連続使用が可能であった。外出先に持参しても、よほど使用頻度が高くなければ、一日中はバッテリーが持続するだろう。
ただ、CPU負荷の高い作業で使用した場合、約3時間でバッテリー残量がゼロになってしまうケースもあった。
バッテリー持続力はノートPCとして平均的なレベルであり、過信は禁物だ。屋外での長時間使用を予定している場合には、電源アダプタを携行していくことをおすすめする。
まとめ:『ACEMAGIC LX15PRO』の良い点・悪い点
今回紹介した『ACEMAGIC LX15PRO』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 一般作業から軽い動画編集まで快適にこなせるバランスの良いスペック
- 汚れの目立ちにくい筐体素材
- SSDの読込速度が優秀
- 豊富なインターフェースを搭載
- 冷却性能が安定している
- キーボードが打ちやすく、軽めの押下圧で長時間作業にも向いている
- 低反射IPSで見やすく、クリアな映像を楽しめるディスプレイ
- ウェブカメラ・マイク内蔵で、オンライン通話や授業にもすぐ対応できる
- 5万円台(割引価格)から購入できる高コスパモデル
悪かった点
- 本格的な3Dゲームや動画編集には不向き
- ディスプレイの最大輝度は低め
- キーの質感がやや安っぽい
- 高負荷時にファン音が大きくなりやすい
以上の通り、バランスの取れたスペック構成により、日常的な作業から軽めのクリエイティブ用途まで幅広く対応できる一台となっている。
Ryzen 7 5700Uと16GBメモリ、NVMe SSDを搭載するほか、実用的なウェブカメラ&マイクを内蔵。ディスプレイの映像品質も十分良好であり、これだけの構成で5万円台(割引込み)という価格はコスパが良いと言える。
インターフェース構成も充実しており、HDMIポート搭載で外部ディスプレイへの映像出力が可能である点も実用的だ。プロジェクターと繋ぎ、会議でPC映像を映し出す用途にも使える。
キーの質感が安っぽい、GPU性能が控えめであるなど価格相応の部分は見受けられるものの、仕事や軽作業、ウェブ会議用端末としての運用を前提としているのであれば、特段気になる欠点ではない。
オンライン授業・リモートワーク・ビジネス用途を中心に、コスパ重視でノートPCを探している方に強くおすすめできるモデルだ。
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