2025年5月23日(金)、無線型のイヤホンを数多く手掛けるSOUNDPEATS(サウンドピーツ)は、同ブランドの最新ワイヤレスイヤホン『SOUNDPEATS Chasers』を発売した。
同ブランドとしては、2024年10月にリリースした「SOUNDPEATS Breezy」以来となる、耳掛け式オープンイヤー型ワイヤレスイヤホンだ。
快適な装着感と高音質を両立。楕円形のコンポジット・ダイナミックドライバ一・ユニットを採用することで歪みを低減し、原音を忠実に再現している。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | SOUNDPEATS |
製品名 | SOUNDPEATS Chasers |
タイプ | ワイヤレス |
形状 | 耳掛け式 |
本体操作 | タッチ |
素材 | 液体シリコン(本体の80%) 0.7mmニッケルチタン合金ワイヤー |
ドライバー | 18×11mmコンポジット・ダイナミックドライバ一・ユニット |
再生周波数帯域 | 20Hz—40KHz |
対応コーデック | AAC、SBC、LDAC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth5.4 |
最大持続時間 | イヤホン単体:10時間 ケース込み:35時間 |
重量 | イヤホン片耳:約10.41g(実測値) 充電ケース込み:約82.72g(実測値) |
サイズ | イヤホン片耳:45.7×45.4×14.4 充電ケース:88.3×62.4×25.8 |
充電コネクタ | USB Type-C |
内蔵マイク | 片側2基 |
充電時間 | イヤホン単体:1.5時間 充電ケース:1.5時間 |
急速充電 | 対応(10分=1.5時間再生) |
イヤホンを探す機能 | 対応 |
ダイナミックEQ | 対応 |
通話用(ENC)ノイズキャンセリング | 対応 |
マルチポイント接続 | 対応 |
ゲームモード(低遅延) | 対応(60ms 低遅延) |
専用アプリ | PeatsAudio |
防水性能 | IPX5 |
受賞歴 | 「VGP 2025」金賞 |
発売日 | 2025年5月23日(金) |
今回紹介する『SOUNDPEATS Chasers』は、Bluetooth接続対応の完全ワイヤレス型イヤホンだ。日本国内最大級のAVアワード「VGP2025」金賞を受賞している。
耳穴を塞がないオープンイヤータイプの耳掛け式ワイヤレスイヤホンであり、快適さとフィット感の完璧な融合を実現。約0.7mmの高性能Ni-Ti合金を採用しており、運動時にもズレ落ちることはなく、圧倒的な快適性と、周囲の環境を把握できる認識性の高さを両立したモデルとなっている。
▼5,000回の曲げテストに合格しており、どのような形状の耳にも完璧にフィットする。
片耳わずか約9.5gの超軽量設計である点も、ランニングやジムでの使用に最適だ。
IPX5等級の防水仕様となっており、汗や雨水が付着しても壊れる心配はない。
LDAC対応により、ワイヤレスでも高解像度のサウンドを楽しめる。ハイレゾワイヤレス認証を取得済み。
楕円形の18×11mmコンポジット・ダイナミックドライバ一・ユニットを内蔵。ドライバーユニットのサイズを最適化し、よりコンパクトにすることで、装着時の快適性と安定性を大幅に向上させている。
この形状のドライバーは音質向上にも貢献し、特に音の定位感と空間性の創出において、より正確な音場分布と豊かな音のディテールを示すとともに、歪みを低減し、原音を忠実に再現する。
通話用(ENC)ノイズキャンセリング技術を採用した計4基の高性能マイクを内蔵。通話中の周囲の雑音を効果的にカット。騒がしい環境でもクリアな音声を相手に届けることが可能だ。
マルチポイント接続対応。最大2台のデバイスと同時に接続でき、いちいち接続先デバイスを切り替える手間を省くことができる。
バッテリー持続力も優れており、イヤホン単体で最長10時間、充電ケース込みで最長35時間もの連続使用が可能。ワイヤレス充電とUSB-C充電の2つの充電方法に対応。急速充電もサポートしており、わずか10分間の充電で1.5時間の使用が可能となる。
そして公式アプリを使用することで、イコライザーのカスタマイズを行ったり、ゲームモードをオンにしたり、タッチ機能をカスタマイズするなど、様々な設定を行うことができる。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物を全て取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- イヤホン本体(両耳)
- 充電ケース
- ユーザーマニュアル
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
充電ケース
パッケージには、収納とイヤホンの充電器を兼ねた充電ケースが付属する。Type-Cケーブルによる有線充電に対応。
▼充電ケースの外観。
▼手のひらに収まるほどのサイズ。
▼ケース&イヤホン込みの総重量は、実測で約82.72g。
▼正面にはLEDインジケーターが内蔵。
▼後部には充電用Type-Cポートが用意。
ケースの厚みは2.58cmほど。ズボンのポケットに入れて持ち運ぶことも十分に可能だ。
▼携行性に優れたサイズ感。
▼ケースのフタを開けた様子。
▼ケースには左右のイヤホンがスッポリと収まっているほか、中央にはペアリングボタンが用意。
イヤホン本体
▼イヤホン本体はシンプルな耳掛け式デザイン。
イヤホン単体は、実測で約10.41gと非常に軽量。
▼非常に軽量かつコンパクトなデザイン。
▼イヤホン側面にはタッチパネルが内蔵されている。
▼耳穴を塞がないデザイン。耳穴にあたる部分にスピーカー穴が用意されている。
▼上下には収音用のマイク穴が用意。
このように、無駄のない、シンプルかつスタイリッシュなデザインとなっている。
デバイスとの接続(ペアリング)方法
『SOUNDPEATS Chasers』はBluetooth5.4によるワイヤレス接続に対応しており、接続(ペアリング)方法はいたってシンプルだ。
イヤホンをケースに収納した状態でフタを開き、中央のボタンを長押しすることで、ペアリングスタンバイ状態となる。
デバイス側で "SOUNDPEATS Chasers" が表示されるので、選択することで接続(ペアリング)が完了する。
これだけの手順で接続を完了できる。
次回以降は、ケースのフタを開くだけで自動的に接続されるようになるため、この手のデバイスの扱いが苦手な方でも、全く問題なく使用することができるだろう。
専用アプリのインストールを推奨
本製品にはiOS・Android対応の公式アプリ(無料)が用意されており、デバイスにインストールしておくことで様々な調節を行うことが可能だ。
▼公式アプリ『PeatsAudio』
イヤホン起動中にアプリを開くと、"SOUNDPEATS Chasers" を追加できる。
スマホにイヤホンを接続(ペアリング)した後、アプリを起動すると接続中のデバイスが自動で認識される。
▼アプリのメイン画面。イヤホンの充電残量や接続状態、音質に関する各種パラメータの調節などを行うことが可能。
▼イヤホンを探す機能も用意。マップ上にイヤホンの位置が表示されるほか、イヤホン本体から大きな音を発生させて位置を特定することができる。イヤホンがどこに行ったのか分からない場合に、見つけ出すのに便利だ。
マルチポイント接続が可能
本製品はマルチポイント接続に対応しており、イヤホンを最大2台のデバイスと接続できる。
そして一台目のデバイスに接続した状態でイヤホンをケース内に収納し、ケース前面のペアリングボタンを長押しすることで、二台目のデバイスでもBluetooth接続を行うことができる。
サウンドを聴くデバイスを変更したい場合に、いちいち接続解除⇒再接続の面倒な作業を繰り返す必要がないので便利な機能だ。
ただし、2デバイス同時再生(2つのデバイスのサウンドを同時に聴くこと)はできず、最初に再生したデバイス側の音声が優先される点に注意したい。
耳にシッカリとフィットする快適な装着感
実際にイヤホンを装着してみた。
ペアリング済みのイヤホンをケースから取り出し、両耳に装着する。
イヤホンは片耳で約10gほどしかなく、装着しても重さや不快感などは一切感じない。
約0.7mmの高性能Ni-Ti合金を採用しており、どのような形状の耳にも完璧にフィットする。
▼耳穴の上に "当たる" 感じであり、カナル型やインイヤー型と比べると、耳穴を塞ぐ不快感や圧迫感は皆無。
締め付け感は無い一方で、耳の外周に沿ってシッカリと固定されるため、装着した状態で動き回った場合でも落ちてしまうことはなかった。長時間装着し続けても耳が痛くなったり、疲れることもない。
快適な装着性を実現できていると言える。
オープンイヤー型とは思えないほどの解像感と立体感
実際に本製品を使用して様々な楽曲を視聴してみた。
結論から言うと、オープンイヤー型とは思えないほどの解像感と立体感を実現しており、日常使いから運動中の音楽視聴まで、幅広いシーンで満足できるクオリティに仕上がっていた。
18×11mmの楕円形コンポジット・ダイナミックドライバーを採用することで、一般的なオープンイヤー型イヤホンでは難しいとされる低音の深みや厚みもしっかりと再現されており、EDMなどの楽曲でも物足りなさを感じにくい。
中~高音域は非常にクリアに響き渡り、ボーカルの息遣いや楽器の音のニュアンスも鮮明に伝わってきた。ドライバー形状の工夫とダイナミックEQ機能によるものだろうか、オープン型ながら音が拡散しすぎることもなく、定位感と音場の広がりのバランスが非常に優秀であった。
そして何より、LDAC接続時には、細かな音の粒立ちや空間表現が際立ち、ハイレゾ認証モデルらしい優れた原音再現力が感じられる。
また、アプリから、「集中モード」と「ノーマル」の2種類の視聴モードを選択可能。「集中モード」では音楽の世界にシッカリと没入でき、「ノーマル」では外音を取り込みつつ音楽を楽しめるため、屋外ランニングなどの際にも、周囲の環境音に気を付けながら安全に運動できる点がGOOD。
ボリュームの調整幅も広く、音量を7割ほどに調整しても十分な音圧を感じることが可能であった。
繊細なクラシック音楽から、迫力のあるEDMまで、幅広い楽曲の視聴に対応できるワイヤレスイヤホンであると言える。
▼なお、アプリ上から「ゲームモード(60ms低遅延)」をオンにすることで、ゲーミングに適した低遅延サウンドを楽しめるようになる。
▼「ムービーモード」を利用するためには、LDACをオフにし、「マルチポイント接続」をオンにする必要がある。
多少の音漏れはある
本製品はオープンイヤー型のため、インイヤー型、カナル型と比べると、多少の音漏れがある。
ボリュームを50~60%ほどに抑えた場合は気にならないレベルだが、80%以上まで上げると、明らかな音漏れが感じられる。
自宅で利用する分には問題ないが、バスや電車などの公共交通機関や、不特定多数の人が周囲に居る環境では、音量に注意した方が良いだろう。
複数のイコライザープリセットが用意
アプリ上では、複数のイコライザープリセットを利用できる。
▼プリセット選択画面。低音強調、ボーカル強調など、視聴する楽曲のジャンルに最適なサウンド環境をワンタッチで実現できる。
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しむことが出来る。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験がガラリと変わるほど、各プリセットが差別化されていた。
音響にあまり詳しくない方にとって、イコライザーをイジるのは敷居が高いが、このようにプリセットがいくつも用意されているおかげで、音の変化を気軽に楽しめるのは便利な機能であると感じた。
▼なお、詳細なイコライザーカスタマイズ設定も用意されている。
そして「アダプティブイコライザー」機能も用意されている。これは、ユーザーの聴覚特性や装着状態に応じて音質を最適化するテスト機能だ。
このように、イヤホンを高度にパーソナライズできる設定が多く用意されている。
ノイキャン対応マイク内蔵
本製品には計4基(片耳2基ずつ)のAIノイズキャンセリング対応マイクが内蔵されており、イヤホン越しに高品質なハンズフリー通話を行うことが可能だ。
ノイキャン効果は高く、周囲のノイズを効果的に取り除き、装着者の声のみをクリアに拾い上げることができていた。
▼SOUNDPEATS Chasersで音声を収録している動画
上動画は、スマホで撮影した映像の音声を、SOUNDPEATS Chasersの内蔵マイクで収録した音声に置き換えたものだ。
さすがに専用のハイエンドマイクと比べると録音品質は劣るものの、普通に通話するには十分に優れた性能となっている。
▼SOUNDPEATS Chasersの内蔵マイクで拾った音声単体
周囲の環境ノイズ(空調音や屋外の音)を効果的に除去し、発言内容を明瞭に拾い上げることができていることが分かる。
通話だけでなく、オンライン会議などにも利用できるだけの品質となっている。
タッチで様々な操作が可能
本製品では、両耳イヤホンの側面に搭載されたタッチパネルに触れることで、様々な機能へ瞬時にアクセスできる。
そしてアプリ上では、タッチ操作を行った際の機能を自由にカスタマイズすることができる。
▼タッチ操作時に利用できる機能を自由にカスタマイズ可能。ワンタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、長押しなど、各操作方法ごとに異なる機能を割り当てられる。
▼曲送り/戻し、ボリューム調整、音楽再生/停止など、好みの機能を割り当てることができる。
これらの機能をうまく活用することで、より快適に本製品を活用できるだろう。
なお、タッチ機能が邪魔な場合には、機能を「なし」に設定することで、タッチ操作自体を無効にすることも可能だ。
扱い方が簡単
実際に『SOUNDPEATS Chasers』を使用すると、取り回しが実に楽なことに気が付くだろう。
まずケースからイヤホンを取り出すと瞬時にペアリングされ、耳に装着する頃にはサウンドを出力する準備が完了している。ワイヤレスイヤホンによってはペアリングに時間のかかるタイプもあるが、本製品はその点でストレスに感じることは無い。
そして使い終わった際は、チャージケースに収納することでBluetooth接続が解除され、充電が行われる。
この流れが非常にシンプルでラクなため、日常の中でストレスなく自然に使用し続けることが可能だ。ユーザービリティに優れた設計が成されていると感じられた。
長時間持続するバッテリー
本製品は、イヤホン単体のスタンドアローン状態で最大10時間のあいだ利用でき、ケースを含めると最大35時間の連続使用が可能となる。
よほどヘビーに利用しなければ、1週間ほどは連続して使用できる。実際に1週間ほど試用してみたが、1日に4時間程度使用する分には、1週間で1回充電を行うだけで事足りた。いちいち充電する手間を省くことができる点は実に嬉しい。
▼なお、チャージケースは急速充電にも対応しており、わずか10分の充電で1.5時間使用できる分のバッテリーを回復できる点がGOOD。
『SOUNDPEATS Chasers』のまとめ
今回紹介した『SOUNDPEATS Chasers』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 携行性に優れた充電ケース
- シッカリと耳にフィットする装着感
- オープンイヤー型とは思えないほどの解像感と立体感
- ハイレゾ認証モデルらしい優れた原音再現力
- アプリ機能が充実
- 実用的な内蔵ノイキャンマイク品質
- タッチ操作のオン・オフ切り替えに対応
- 「イヤホンを探す」機能を用意
- 最大35時間バッテリーが持続
- 急速充電にも対応
- 比較的リーズナブルな価格
悪かった点
- 充電ケースの汚れ(指紋や手脂など)が目立ちやすい
- ワイヤレス充電に非対応
以上の通り、1万円未満という価格を考えれば、オープンイヤー型の中でも間違いなく上位に入る完成度のワイヤレスイヤホンとなっている。
耳掛け式のオープンイヤー型デザインにより、非常に快適な装着感を実現。自然な装着感の一方で、シッカリと耳に固定されるため、激しく動き回ってもズレ落ちることはない。IPX5等級の防水規格に対応していることもあり、激しい動きや発汗を伴う運動にもうってつけのイヤホンであると言える。
そして、この価格帯のオープンイヤーモデルの中でも優れた高解像度サウンドを実現。一般的なオープンイヤー型イヤホンでは難しいとされる低音の深みや厚みもしっかりと再現されており、EDMなどの楽曲でも物足りなさを感じにくい。
内蔵のノイキャン対応マイクの品質もそこそこ良好。通話だけでなく、オンライン会議などにも問題なく利用できるだろう。
そしてバッテリー持続力も優れており、イヤホン単体のスタンドアローン状態で最大10時間、ケースを含めると最大35時間もの連続使用が可能となる。急速充電にも対応しており、わずか10分間の充電で1.5時間のリスニングが可能。ただ個人的には、ケースがワイヤレス充電に対応してほしかった。
何はともあれ、1万円未満とは思えないほど、完成度の高いオープンイヤー型ワイヤレスイヤホンとなっている。
リーズナブルな価格で実用的な耳掛け式オープンイヤー型ワイヤレスイヤホンを探している場合、本製品は間違いなく選択肢の一つに入れて良いモデルだと言える。
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