数多くのPC関連商品を手掛けるGMKtecは、AMD Ryzen 5 3500Uを搭載した手のひらサイズのミニPC『GMKtec G10』を販売しています。
通常価格は35,999円(税込)のところ、不定期開催のセール時には2万円台で購入できます。
OSにはWindows 11 Proを採用。16GBメモリと512GB NVMe SSDを標準搭載し、最大64GBメモリ・16TBストレージまで拡張可能。HDMI/DP/USB-Cによる3画面同時4K出力や2.5G LANに対応し、プライベート使用から仕事まで幅広く活躍。
静音設計で省スペースながら、高い拡張性と安定性を兼ね備えた1台です。
こんな方におすすめ!
- 省スペースで実用的なPCを求めている方
- マルチディスプレイで効率的に作業したい方
- 大容量ストレージでデータをしっかり保存したい方
今回、メーカーより本製品(16GB+512GBモデル)を提供していただいたので、実際に使ってみて感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
▼YouTubeにショート動画を投稿しました。使用感はコチラでも確認できます。
『GMKtec G10』のスペック・仕様表
| ブランド | GMKtec |
| 型名 | G10 |
| OS | Windows 11 Pro (64bit) |
| CPU | AMD Ryzen 5 3500U(4コア8スレッド・最大3.7GHz) |
| グラフィックス | AMD Radeon Vega 8 |
| RAM | 16GB DDR4(最大64GBまでの拡張サポート) |
| ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD(最大16TBまでの拡張サポート) |
| 対応通信規格 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0、2.5G有線LAN |
| インターフェース | 【前面】 ・電源ボタン ・USB Type-A 3.2 ×2 ・3.5mmイヤホンジャック 【背面】 ・USB Type-C (PD専用) ・ケンジントンロック穴 ・USB Type-C(DP/データ通信) ・USB Type-A 2.0 ・2.5G LANポート ・HDMI(4K@60Hz) ・DisplayPort 1.4(4K@60Hz) |
| VESA | 対応(100 mm, 75 mm) |
| 本体サイズ | 103 × 98 × 42 mm |
| 本体重量 | 約284g |
参照元:GMKtec公式サイト(GMKtec Nucbox G10 製品ページ)
▼GMKtec G10実機のバージョン情報
『GMKtec G10』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧
- GMKtec G10本体
- 電源アダプタ&ケーブル
- ユーザーマニュアル
- VESAマウント金具&ネジ
- HDMIケーブル
VESAマウント金具&ネジが付属しており、モニター裏に取り付けることで、デスク周りをさらに省スペース化できます。
電源アダプタは比較的コンパクトなサイズで邪魔になりません。
『GMKtec G10』本体の外観&インターフェース構成
『GMKtec G10』の本体サイズは、103 × 98 × 42 mmと非常にコンパクト。全体的にシルバーを基調としたシンプルなデザインで、デスク上に設置しても悪目立ちすることはありません。
そこそこの高級感もあり、インテリア性が高いです。
スマホと並べてみると、本機のコンパクトさが際立ちます。
手のひらに載せられるほどのサイズ感で携行性もGOOD。カバンなどに入れて外出先へ気軽に持ち運ぶことも可能です。
筐体の手触りはサラサラしており、指紋や皮脂などの汚れが目立ちづらいです。
底部の四隅にはゴム脚が備わっているほか、換気用の穴が空いています。また、VESAマウント取り付け用の穴も用意されています(100 mm, 75 mm対応)。
『GMKtec G10』のインターフェースについて見ていきます。
正面には電源ボタン、USB Type-A 3.2 ×2、3.5mmオーディオジャックが用意。
左側面には何もなし。
右側面には排熱用の穴が用意されています。
背面にはUSB Type-C (PD専用)、ケンジントンロック穴、USB Type-C(DP/データ通信)、USB Type-A 2.0、2.5G LANポート、HDMI(4K@60Hz)、DisplayPort 1.4(4K@60Hz)が用意。
限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっています。
HDMIポート、DisplayPort、USB Type-C(DP/データ通信)を併用することで、最大3画面同時出力が可能です。
『GMKtec G10』の拡張性
GMKtec G10の上部フタの端をやや強めに引っ張ることで、天板を簡単に取り外すことができます。
最大64GBまでのRAM拡張、および空きM.2スロットを使用した最大16TBまでのSSD増設をサポート。拡張スロットへ簡単にアクセスできる点は便利です。
なお、内蔵ストレージは初期状態で432GB分が使用可能領域となっていました。
『GMKtec G10』のベンチマークテスト結果
『GMKtec G10』で、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 8.9 |
| メモリ(RAM) | 8.9 |
| グラフィックス | 6.1 |
| ゲーム用グラフィックス | 未計測 |
| プライマリディスク | 9.0 |

CrystalDiskMarkの結果
▼CrystalDiskMarkの実測結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 3157.27 | 1583.31 |
| SEQ1M Q1T1 | 2283.01 | 1552.64 |
| RND4K Q32T1 | 303.60 | 171.93 |
| RND4K Q1T1 | 48.54 | 100.37 |

PC MARK10の結果
▼PC MARK10の実測結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 2,625 |
| Essentials | 5,602 |
| Productivity | 5,094 |
| Digital Content Creation | 1,721 |

Cinebench2024の結果
▼Cinebench2024の実測結果
| 項目 | スコア |
| シングルコア | 44 pts |
| マルチコア | 124 pts |

3D MARKの結果
3D MARKの各テスト結果を紹介していきます。
Time Spy & Night Raid
| テスト | 総合 | グラフィックス | CPU |
| Time Spy | 279 | 244 | 1,654 |
| Night Raid | 2,801 | 2,865 | 2,488 |

CPUプロファイル
▼CPUプロファイルの実測結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 883 |
| 16スレッド | 888 |
| 8スレッド | 880 |
| 4スレッド | 759 |
| 2スレッド | 531 |
| 1スレッド | 355 |

Storage Benchmark
▼Storage Benchmarkの実測結果
| Storage Benchmark 結果 | ||
| 総合スコア | 1,373 | |
| 各テスト項目の詳細 | ||
| テスト内容 | 帯域幅(MB/s) | アクセス時間(μs) |
| Battlefield Vを読み込む | 500.90 | 130 |
| Call of Duty: Black Opsを読み込む | 415.51 | 146 |
| Overwatchを読み込む | 224.02 | 100 |
| ゲームをインストール | 122.82 | 109 |
| ゲームを録画 | 75.28 | 114 |
| ゲームを保存 | 86.60 | 88 |
| ゲームを移動 | 1023.67 | 259 |

普段使いは非常に快適
GMKtec G10でウェブサイトを閲覧したり、動画サイトを視聴して、普段使いの快適さを検証しました。
なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100fpsで出力しています。
まずはウェブサイト閲覧時について。
画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。
一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることは無いでしょう。
続いて、YouTubeやネットフリックスなどで動画を視聴してみました。
最高4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、快適に視聴できました。
そしてOfficeソフト等を用いた作業について。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。
Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。
なお、3画面同時出力の場合でも、処理パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
総じて、日常的な利用シーンでの使用感は快適で、性能不足を感じる場面はありませんでした。
軽めのPCゲームであれば設定次第でプレイ可能
本機は内蔵GPUに「AMD Radeon Vega 8」を採用しており、AAA級の重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しいものの、軽めのPCゲームであれば設定次第でスムーズに楽しめる性能を備えています。
DQ10のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 最高品質
- フルスクリーン
ドラゴンクエストX (DQ10)でベンチマークテストを行った結果、FHDフルスクリーン×最高品質で "普通" という結果が得られました。
MMORPG系でも、DQ10のようなライトタイトルであれば、そこそこ快適に遊べることが分かります。
FF14のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップ)
- ウィンドウモード
ファイナルファンタジーXIV (FF14)では、標準品質に落としても「設定変更が必要」の評価となりました。さすがに、FF14レベルの大規模MMORPGを遊べるほどの性能は備えていません。
フォートナイトを実際にプレイしてみた
実際にフォートナイトをプレイしたところ、オブジェクト表示率を30%以下に設定すれば、20fps前後で最低限遊ぶこと自体は可能でした。
▼フォートナイトをプレイする様子
ただし、ここまで画質を落とすと全体的にモザイクがかったような描画となり、射撃時や着弾エフェクトなども簡略化されてしまうため、没入感は大きく損なわれます。
総じて、本機は設定を工夫すれば軽めのPCゲームを楽しむことはできますが、ゲームを主目的とした利用には不向きといえるでしょう。
優れた静音性&放熱性能
計5時間ほど、各種ベンチマークテストや日常利用におけるパフォーマンスを確認した後、本機の熱をHWMonitorで確認したところ、CPU温度は最大77℃程度に収まり、平均は68℃前後と安定しています。
SSD温度も40℃台前半に留まっており、冷却性能に不安は見られません。
静音性に関しても優秀で、5時間連続稼働後でもファン音は非常に静か。高負荷時にこそファンの回転音が大きくなることはあるものの、その後は静音状態に戻ります。
オフィス作業や動画視聴時には耳を近づけてもほとんど気にならないレベルでした。
▼稼働音の確認
※録音には空調音も入っています。ご容赦ください。
長時間のベンチマークや実用作業を行っても、熱による性能低下や過剰発熱はなく、静音・安定動作が維持できている点は好印象です。
安心して長時間の作業用途に利用できるミニPCであると言えます。
『GMKtec G10』の良かった点・悪かった点
今回紹介した『GMKtec G10』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をまとめると以下の通りです。
良かった点
- インテリア性の高いスタイリッシュデザイン
- 手のひらサイズ(103×98×42mm)で超省スペース
- Ryzen 5 3500U+16GB/512GB標準で日常作業は快適
- 3画面同時4K出力に対応
- 最大64GB/16TBまで拡張可
- 上面カバーが外しやすく、増設・清掃が簡単
- NVMe SSDの読込が高速
- 長時間負荷でも発熱によるパフォーマンスへの影響が少ない
- 優れた静音性
- リーズナブルな価格
悪かった点
- 内蔵GPU(Radeon Vega 8)の3D性能が低く、高負荷ゲームは厳しい
- 前面にType-Cポートがない
- Type-Aポートが前後合わせて3つだけ(接続デバイス数が制限される)
よくある質問(FAQ)



総評:普段使いに十分な性能を備えたお値打ちミニPCを探している方に最適な1台
『GMKtec G10』は、手のひらサイズの筐体にRyzen 5 3500U・16GBメモリ・NVMe SSDを備えた高コスパなミニPCです。
ウェブ閲覧や動画視聴、Officeアプリを用いたビジネス用途ではストレスなく動作し、3画面同時4K出力や2.5G LANなど拡張性も充実。静音性と発熱の安定性も優れており、安心して長時間利用できます。
GPU性能は控えめなため最新3Dゲームや本格的な動画編集には不向きですが、セール時には2万円台で購入できる点を考慮すると、コストパフォーマンスは非常に高いといえます。
総じて、省スペースで手軽に導入でき、普段使いに十分な性能を備えたお値打ちミニPCを探している方には間違いなく最適な1台です。
▼YouTubeにショート動画を投稿しました。使用感はコチラでも確認できます。
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