数多くのペンタブレットを手がけるXP-PENから、15.4インチのフルHD画面を備えた液晶ペンタブレット(液タブ)の『XPPen Artist 15.6 Pro V2』が登場しました。
通常価格は税込55,980円ですが、不定期開催のセール期間中は4万円前後で購入できる場合もあります。
16,384段階の筆圧検知に対応したX3 Proスマートチップ搭載ペンを採用しており、微妙な力加減や線の強弱も反映しやすいのが特徴。わずか3gの軽い筆圧から反応するため、力を入れなくても自然に線を描き始めやすくなっています。
本体にはレッドダイアルと8個のカスタマイズキーを搭載。ブラシサイズの変更や拡大・縮小、取り消し操作などを手元で行いやすく、作業効率を高めたいクリエイターにも向いています。スタンドも付属しているため、開封後すぐに制作環境を整えやすい点も魅力です。
ディスプレイはフルラミネーション仕様で、ペン先とカーソルのズレを抑えた描き心地を実現。99% sRGB / 96% Adobe RGB / 96% Display P3の広色域にも対応しており、イラスト制作や写真編集など、色を重視する作業にも使いやすいモデルです。
先に結論 | Artist 15.6 Pro V2はこんな製品
- 強み16K筆圧対応のペンとフルラミネート画面により、細かな線の強弱まで自然に描きやすい
- 弱み15.4インチクラスの液タブなので、持ち運びには不向き
- 向く人イラスト制作や写真編集を、広めの画面と快適な描き心地で始めたい人
今回、メーカーより本製品を提供していただきました。
本記事では『XPPen Artist 15.6 Pro V2』について、外観・インターフェース・実際の使用感などを実機検証し、どのような人に向くモデルかを詳しくレビューします。
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』のスペック・仕様表
| 製品名 | Artist 15.6 Pro V2 液晶ペンタブレット |
| 製品モデル | MD160FH |
| ブランド | XPPen |
| カラー | ブラック |
| 本体サイズ | 442.91 x 279.91 x 12.9 mm |
| 本体重量 | 約1.447kg ※スタンド除く |
| ディスプレイサイズ | 15.4インチ |
| 作業エリア | 340.99 x 191.81 mm |
| ディスプレイ解像度 | 1920 x 1080(フルHD) |
| 色域カバー率 | 99% sRGB / 96% Adobe RGB / 96% Display P3 |
| 表示色 | 1,670万色 |
| フルラミネーション | 対応 |
| 視野角 | 178° |
| 輝度 | 250 cd/㎡(標準値) |
| スタイラス | X3 Proスマートチップスタイラス |
| 筆圧レベル | 16,384段階 |
| 傾き検知 | 60° |
| 初期荷重 | 3g |
| 精度 | ±0.4mm(中央) |
| 読み取り高さ | 10mm(中央) |
| ペン解像度 | 5080LPI |
| 反応レート | ≥200RPS |
| ショートカットキー | 8個のカスタマイズキー、レッドダイアル搭載 |
| ポート | USB-C |
| 電源入力 | 5V⎓2A |
| 対応OS | Windows 7以降、macOS 10.13以降、Android(USB3.1 DP1.2)、ChromeOS 88以降、Linux |
| 主な用途 | イラスト、デザイン、写真編集、3Dモデリング、ペインティングなど |
| 主な特徴 | 16K筆圧感知、X3 Proスマートチップ、フルラミネートノングレア画面、レッドダイアル、カスタマイズキー、スタンド付属 |
※参照元:XPPen公式サイト(Artist 15.6 Pro V2 製品ページ)
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』のパッケージ内容
外箱は大きめ。箱を開けると、液タブ本体がすっぽり収まった状態で梱包されています。
パッケージには液タブ本体に加え、専用スタンドや各種ケーブルなど付属品が充実。製品購入後、すぐに本格的な使用を開始できるようになっています。
また、本体が入った箱に加えて、3-in-1ケーブルが入った小箱も付属していました。
内容物一覧
- XPPen Artist 15.6 Pro V2 本体
- X3 Proスタイラスペン
- ペンホルダー
- 替え芯×8
- 折り畳み式スタンド
- USB-C to USB-Cケーブル
- USB-C to USB-Aケーブル
- USB-A延長コード
- 3-in-1ケーブル
- 手袋
- クリーニングクロス
- 電源アダプタ
- 変換プラグ×3
そして専用スタンドも付属しており、折りたたんだ状態だとコンパクトかつ薄型になるため、携行性も良好。展開すれば、描きやすい角度で液タブを設置できます。
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』の本体外観
液タブ本体は、全体的にマットブラックで統一された落ち着きのあるデザインです。派手さは控えめで、左側に配置された赤いリング付きのレッドダイアルがアクセントになっています。
角は丸みを帯びており、手や腕が触れたときに角張った痛さを感じにくい点は安心です。長時間の制作中に本体へ軽く触れても、ストレスになりにくい形状だと感じました。
15.4インチディスプレイを備えており、作業エリアは340.99 x 191.81mmとかなり広め。左側に計8個のショートカットキーとダイアルが用意されています。画面表面はノングレア仕様で、照明の映り込みはゼロではないものの、ツヤツヤした光沢パネルよりは反射が柔らかく、長時間作業でも目が疲れにくい印象です。
ボタンとダイヤルには、後述する公式ソフトウェアで好みの機能を割り当てられます。
背面には、左右に大きな滑り止めラバーが配置されており、机の上に置いたときに滑りづらくなっています。
本体サイズは442.91 x 279.91 x 12.9 mmとそこそこ大柄ですが、側面から見ると本体はかなり薄く、15インチクラスの液タブとしてはスマートな印象を受けます。
本体重量は実測で約1,550gと、手に持つとそれなりにズッシリ感があります。気軽に持ち運んで使うというより、自宅や作業デスクに設置して使う据え置き向きのモデルと言えるでしょう。
そして液タブの右側面には、USB-Cポート、フル機能USB-Cポート、輝度調整ボタン、電源キー・指示ランプが用意されています。
全体的に、液タブ本体は無駄のない洗練されたデザインだと感じました。
X3 Proスタイラスペン
本機に同梱されるX3 Proスタイラスペンはデザイン性が高く、マットな質感のグラファイトブラックとグレーを基調とした上品な仕上がりです。筒状のケースが付属しており、ペンを使わない時はスマートに収納できます。
ちなみに、ケース後部を開けると、計8本の替え芯が収まっています。
ペンの先端近くには2つのカスタマイズ可能なショートカットボタンを搭載。筆と消しゴムの切り替えや、右クリック/スポイトツールなど、よく使う機能を自由に割り当てることができます。また、ペン後部にはテールスイッチも備わっています。
そして性能面では、16,384段階の筆圧感知に対応。わずか3gの軽い筆圧から反応するため、力を入れなくても自然に線を描き始められます。60°の傾き検知にも対応しており、線の強弱だけでなく、ブラシの濃淡や陰影表現まで扱いやすいペンとなっています。
この価格帯の液タブの中でも、かなり自然な描き心地
実際に『XPPen Artist 15.6 Pro V2』を3-in-1ケーブルでWindows PCと接続し、X3 Proスタイラスペンを用いて絵や文字を描いてみました。
まず印象的だったのは、ペン先が画面の上をツルツル滑りすぎない点です。ほどよく抵抗感があるので、液晶画面に直接描いているというより、紙に描く感覚に近いタッチで線を引けます。
X3 Proスタイラスペンは16,384段階の筆圧感知、60°の傾き検知、3gの軽い筆圧から反応する仕様となっており、軽く触れただけでもしっかり反応してくれます。筆圧を少し変えるだけで線の太さや濃淡もなめらかに変化するため、細い線から軽い筆圧の文字まで直感的に描き分けやすいです。
▼実際に描いてみた様子
反応性(レスポンス)も良好で、実際に線を引いていて、ペンの動きに対して線が遅れてついてくるような感覚はほとんどありませんでした。
ペン先を画面から約1cmほど離した状態でもカーソルが反応しました。実際に使っていても、描き始める位置を確認しやすかったです。
反応レートは200RPS以上、ペン解像度は5080LPIに対応しており、直線や曲線を描いたときも波打ちが少なく、ラフスケッチはもちろん、細かい文字を書く場面でもストレスは少ない印象です。
また、画面が非光沢仕様なのも好印象でした。レビュー時は強めのデスクライトの下で使用しましたが、画面の照り返しで見づらいと感じる場面はほぼありませんでした。光沢の強い画面だと、照明の位置によっては反射が気になることがありますが、本機はその点かなり扱いやすいと感じます。
また、ディスプレイは指によるタッチ操作に対応していないため、誤反応の心配がなく、手を画面に乗せたままでも快適に描けます。紙の上で描くように自然な姿勢で作業できるのは大きなメリットだと思います。
4〜5万円前後の液タブとして考えても、描き心地はかなり優秀です。16K筆圧対応のペン、紙に近い描画面の質感、非光沢画面の見やすさ等のバランスが良く、初めての液タブとしても、板タブからのステップアップ用としても満足しやすいモデルだと感じました。
ディスプレイの発色も良好
本機の15.4インチディスプレイの解像度は1920 x 1080(フルHD)、色域は99% sRGB、96% Adobe RGB、96% Display P3をカバー。一般的なWeb向けのイラスト制作だけでなく、写真編集や印刷を意識した作業でも扱いやすい広色域仕様です。
液タブによっては、表示がやや白っぽく見えたり、色が薄く感じたりすることがありますが、本機の場合は青、緑のようなはっきりした色も沈みにくく、グラデーション部分も不自然に潰れる感じは少なめでした。
フルラミネーション仕様により、画面表面と表示部分の距離感が少なく、描いている線や色がペン先のすぐ下に出ているように感じられます。単に発色が良いだけでなく、「見たまま描ける」感覚が強い点も、このモデルの魅力だと思います。
輝度は標準値で250cd/㎡と、特段明るい部類ではありません。ただ、非光沢画面で反射が抑えられているため、室内作業では十分見やすく感じました。
サブディスプレイのような使い方も可能
なお、本機の解像度は十分に高いため、ウェブサイト閲覧や資料作成用途でも快適に使用できます。
発色の鮮やかさはイラスト制作だけでなく、YouTubeなどの動画再生時にも感じられます。色の深みとコントラストがしっかり出るため、鮮やかで満足度の高い映像体験が可能です。
▼動画再生時の様子
イラスト制作などのクリエイティブ用途だけでなく、PCのサブディスプレイとしても十分活躍できる実用性を備えています。
ショートカットキーとレッドダイアルが便利
本体左側には、計8個のショートカットキーとレッドダイアルが搭載されています。
デフォルト状態でも、ショートカットキーには「Ctrl+Z」「Ctrl+Shift+Z」「Ctrl+S」など、制作中によく使う操作が割り当てられていました。取り消し・やり直し・保存といった操作を手元で行えるため、描いている途中にいちいちキーボードを触らなくて済むのはかなり便利です。
また、レッドダイアルにはズームイン・ズームアウト機能が割り当てられており、キャンバス全体を確認したり、細部を拡大して描き込んだりする操作を直感的に行えます。
特にイラスト制作では、拡大・縮小、取り消し、保存といった操作を何度も繰り返すため、これらを液タブ本体だけで完結できるのは大きなメリットだと感じました。
初期設定のままでも十分使いやすく、慣れてきたら自分の制作ソフトや作業スタイルに合わせてキー割り当てを変更することも可能です。
公式ドライバーで詳細なカスタマイズが可能
XP-PEN公式サイトで配布されているドライバーをインストールすることで、本機のショートカットキー・ダイヤル機能などを詳細にカスタマイズできます。
専用ドライバーでは、以下のような項目を直感的に設定できます。
ドライバーのおもな設定項目
- ショートカットキーやダイヤルの割り当て変更
- 筆圧カーブの細かな調整
- ペンボタンの機能割り当て
- 表示位置・キャリブレーションの調整
8個のショートカットキーとレッドダイアルの割り当ても変更可能。デフォルト設定でも十分使いやすく感じましたが、よく使うブラシ切り替えやスポイト、手のひらツールなどを割り当てれば、作業効率はさらに上がるでしょう。
また、ペン設定ではボタン機能の変更に加え、筆圧カーブの調整にも対応しています。軽い力で線を出したい人、しっかり押し込んで強弱を付けたい人など、描き方のクセに合わせて反応を変えられるのは嬉しいポイント。
さらに、これらの設定はアプリごとにプリセットとして保存できます。たとえば、CLIP STUDIO PAINTではペン操作重視、Photoshopではショートカット重視といったように、使用するソフトに合わせてキー割り当てやペン設定を切り替えられるのはかなり便利です。
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』のメリット・デメリット
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』を実際に使って感じたメリット・デメリットは以下の通りです。
良かった点
- 主張しすぎない落ち着きのあるデザイン
- 付属品が充実
- 16,384段階の筆圧感知に対応
- 力を入れなくても自然に描き始められる
- 99% sRGB / 96% Adobe RGB / 96% Display P3対応
- 8個のショートカットキーとレッドダイアルが便利
- 公式ドライバーで詳細なカスタマイズが可能
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
悪かった点
- 本体サイズが大きめで、気軽に持ち運んで使う用途にはあまり向かない
- 実測約1,550gとそれなりに重い
- 輝度は標準値250cd/㎡(特段明るくはない)
よくある質問(FAQ)



総評:描き心地・画面の見やすさ・作業効率のバランスがかなり良いモデル
『XPPen Artist 15.6 Pro V2』は、4〜5万円前後で購入できる液タブとして考えると、描き心地・画面の見やすさ・作業効率のバランスがかなり良いモデルだと感じました。
特に、16,384段階の筆圧感知に対応したX3 Proスタイラスペンは反応が良く、軽い力でも線を出しやすく、紙に近い感覚で描けて使いやすかったです。フルラミネーション画面のおかげでペン先と線のズレも少なく、初めて液タブを使う人でも違和感を覚えにくいと思います。
また、発色の良い15.4インチ画面、8個のショートカットキー、レッドダイアル、詳細なカスタマイズが可能な公式ドライバーなど、実際の制作で便利に感じる要素もしっかり揃っています。一方で、本体はそれなりに大きく重いため、気軽に持ち運んで使うといった用途には向きません。
とはいえ、自宅や作業デスクに設置して使う液タブとしては完成度が高いです。イラスト制作を本格的に始めたい人や、板タブからステップアップしたい人にとって、かなり満足度の高い一台だと思います。
◎おすすめできる人
- 初めて液タブを導入したい人
- 板タブから、画面に直接描ける液タブへステップアップしたい人
- イラスト制作や写真編集を、広めの画面と自然な描き心地で行いたい人
▲おすすめできない人
- 外出先へ頻繁に持ち運んで使いたい人
- 指でのタッチ操作にも対応した液タブが欲しい人
- 4K解像度や高輝度ディスプレイなど、表示性能を最優先したい人



































































