デスク上で稼働しているBeelink ME Pro
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PC・モニター ガジェットレビュー

Beelink ME Pro 実機レビュー!2ベイNAS×ミニPCの実力検証|消費電力・転送速度・TrueNAS評価

レイ(管理人)

最新ガジェット大好きなWEBデザイナー。理系大学院修了。国内外の企業と提携し、年間200以上のガジェットをレビューしています。日々の暮らしを豊かで楽しいものにする電子機器や家電などを、分かりやすく丁寧に紹介します。

世界中に数多くのミニPCをリリースしてきたBeelink(ビーリンク)から、ベイNAS機能とミニPCの柔軟性を1台に融合した最新デバイス『Beelink ME Pro』が登場しました。

記事執筆時点で公式サイトにて販売中。最安値369ドル(約57,000円)から購入できます。

3.5インチHDDを2台搭載できる堅牢な金属筐体に、振動対策や専用ブロワーファンによる冷却機構を備え、常時稼働を前提とした安定性と静音性を両立

NASとは?

NAS(Network Attached Storage)とは、家庭やオフィスのネットワークに接続して使う共有ストレージのこと。PCやスマートフォンなど複数の端末から同じデータにアクセスでき、写真や動画の保存、バックアップ用途で広く使われています。

さらに、2.5GbE+5GbEのデュアル高速LANやNVMe SSDスロットを備え、家庭用NASから小規模オフィス、メディアサーバーまで幅広い用途に対応する一方、Windows 11を搭載したミニPCとしても活用できる拡張性の高さが大きな魅力の一台です。

こんな方におすすめ!

  • 家庭用NASを導入したいが、専用NASは高価・難しそうと感じている方
  • 大容量データを高速に保存・共有したい家庭ユーザー/小規模オフィス
  • NASだけでなく、サブPCやメディアサーバーとしても活用したい方

Beelink ME Proを手で持ち上げている様子(正面アングル)

今回、メーカーより本製品(N95/12GB/512GBモデル)を提供していただいたので、実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。

『Beelink ME Pro』のスペック・仕様表

Beelink ME Pro

製品名 Beelink ME Pro 2-Bay Hybrid NAS Mini PC
CPU Intel® Twin Lake N95(4コア / 4スレッド、最大3.4GHz)
Intel® Twin Lake N150(4コア / 4スレッド、最大3.6GHz)
GPU Intel® UHD Graphics(N95)
Intel® Graphics(N150 / 最大1000MHz・24EU)
メモリ 12GB / 16GB LPDDR5 4800MHz
内蔵ストレージ 128GB / 512GB / 1TB NVMe SSD(PCIe 3.0)
M.2スロット M.2 2280 PCIe 3.0 x2 ×1(最大4TB)
M.2 2280 PCIe 3.0 x1 ×2(最大各4TB)
SATAベイ 2.5 / 3.5インチ SATA HDD ×2(最大30TB/1台)
最大ストレージ容量 最大約60TB(SATAベイ使用時)
有線LAN 5GbE(Realtek RTL8126)×1
2.5GbE(Intel i226-V)×1
無線通信 Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.4
映像出力 HDMI ×1(最大4K@60Hz)、USB-C(映像出力対応)
USBポート USB-C 10Gbps ×1
USB 3.2 10Gbps ×1
USB 2.0 ×2
本体サイズ 166 × 121 × 112 mm
重量 公称値:約2.1kg
実測値:約1,542g(HDDなし)
冷却方式 内部ブロワーファン+アルミ筐体放熱設計
電源 AC 200–240V / 出力 19V 6.32A
対応OS Windows 11 Home(プリインストール)
動作環境温度 -10℃ ~ 45℃

※参照元:Beelink ME Pro 公式サイト

▼実機のバージョン情報

Beelink ME Pro実機のバージョン情報

なお、コマンドプロンプトで「slmgr -dli」を実行したところ、正規ライセンスのWindows 11 Home(OEM版)を搭載していることを確認しました。起動後すぐにライセンス認証済みの状態で利用できます。

コマンドプロンプトで「slmgr -dli」を実行した結果

『Beelink ME Pro』のパッケージ内容

▼外箱の様子

Beelink ME Proの外箱

Beelink ME Proの箱を開けた状態

▼箱から取り出した様子

箱から取り出したBeelink ME Pro

付属品はすべてBeelink ME Pro本体のドライブベイに梱包された状態で届きます。

底部に収められている棒レンチを使って、背面のネジを取り除き、トレイを取り出せます。

Beelink ME Proの底部に収められている棒レンチ

▼後部のマグネット蓋を外します。

後部のマグネット蓋を外した様子

そして棒レンチでトレイのネジを外していきます。

トレイのネジを外している様子

トレイを引き出すと、付属品の入った箱を取り出せます。

ドライブベイから付属品の箱を取り出した様子

▼内容をすべて取り出した様子

Beelink ME Proの付属品一式

Beelink ME Proのユーザーマニュアル

内容物一覧

  • Beelink ME Pro本体
  • HDMIケーブル
  • LANケーブル(CAT6)
  • 電源アダプタ
  • 棒レンチ
  • 固定ネジ(2種)
  • ユーザーマニュアル

ユーザーマニュアルは日本語にも対応しており、扱い方が図付きで分かりやすく紹介されています。

Beelink ME Proのユーザーマニュアルを開いた状態

電源アダプタは比較的コンパクトなサイズ。

Beelink ME Proの電源アダプタ

トレイへのHDD固定等で使用するネジが2種類付属。

Beelink ME Proの付属ネジ(2種)

『Beelink ME Pro』の本体外観

Beelink ME Pro本体は、166×121×112mmの直方体デザイン。HDD×2台分のドライブベイを備える分、一般的なミニPCよりもやや大きめで厚みがあります。

▼それでも、2ベイNASとしては十分に小型な部類。

Beelink ME Proの筐体外観

▼正面

Beelink ME Proの筐体外観(正面アングル)

▼左右側面

Beelink ME Proの筐体外観(左側面アングル)
Beelink ME Proの筐体外観(右側面アングル)

▼背面

Beelink ME Proの筐体外観(背面アングル)

▼底部

Beelink ME Proの底部

▼筐体外観(360度)

鈍い光沢を放つ金属筐体はしっかりとした剛性感があり、そこそこの高級感も感じられます。手触りはサラサラとして、指紋や皮脂汚れも目立ちません。

筐体正面にはブランドロゴが配置されており、どこかMarshallのスピーカーを彷彿とさせるデザインも、個人的にはオシャレに感じられて気に入っています。

▼デスク上に設置しても邪魔にならないサイズ感。インテリア性が高いため景観を損ねることもありません。

デスク上に設置されたBeelink ME Pro

デスク上に設置されたBeelink ME Pro(ズーム)

本体重量は、実測で約1,542g(HDDなし)。金属筐体を採用しつつも、2ベイNASとしては比較的軽量で、棚やラックへの設置もしやすいです。

Beelink ME Proを計量している様子

▼持ち運びやすいサイズ感と重量で、設置場所移動もラクに行えます。

Beelink ME Proを手に持っている様子
Beelink ME Proを手に持っている様子(側面アングル)

インターフェース構成

続いて、インターフェース構成について見ていきます。

正面には電源ボタンUSB-A 3.2 10Gbpsが用意。

Beelink ME Proの正面インターフェース

背面にはDC電源ポート、5GbE有線LAN(Realtek RTL8126)、2.5GbE有線LAN(Intel i226-V)、HDMIポート(最大4K@60Hz)、USB-A 2.0 ×2、USB-C 10Gbps、3.5mmオーディオジャックが用意。

Beelink ME Proの背面インターフェース

5GbE+2.5GbEのデュアルLAN構成を採用しており、2ベイNASとしては明らかに上位クラスの仕様と言えます。高速なファイル転送とネットワーク分離の両立が可能で、NAS用途でもミニPC用途でも拡張性に余裕があります。

▼NAS運用時は有線LAN接続が必須。

有線LAN接続した状態のBeelink ME Pro

USBポート数は必要十分で、過不足のない構成です。

ミニPCとしても、NASとして使っても実用的なインターフェース構成となっています。

HDDの挿入方法とベイ構造

Beelink ME Proは、2.5インチ/3.5インチのSATA HDDをそのまま差し込める専用ベイを2基備えています。

Beelink ME Proのドライブベイを取り出した状態

今回のレビューでは、ウエスタンデジタルの「WD Red Plus」2TB HDDを2台装着して検証しました。近年は世界的なPC関連パーツの価格高騰の影響を受け、HDDも例外なく値上がりしており、購入時点での価格は1台あたり税込19,777円でした。

ウエスタンデジタルの「WD Red Plus」2TB HDD×2台

付属のネジでHDDをトレイに固定し、ベイにスライドさせて取り付けます。

HDDをネジでトレイに固定した状態

HDDをベイに挿入している様子

HDDの脱着手順は非常に簡単なので、NASに初めて触れる方でも問題なく扱えると思います。装着後の見た目もスッキリしており、インテリア性が高い点も気に入っています。

最大12TBまでのSSD拡張が可能

筐体底部のゴムを取り除き、ネジを外してフタを開けると、SSDの拡張スロットが現れます。

Beelink ME Pro底部のゴムを外した状態

Beelink ME Pro底部のネジを外している

Beelink ME ProのSSD拡張スロット

M.2スロットを合計3基搭載しており、最大12TBまで拡張可能。

2ベイNASでありながら、SSDをここまで積める製品は珍しいのではないでしょうか。「高速SSD+大容量HDD」のハイブリッド構成を実現できます。

なお、本機のRAMはLPDDR5(4800MHz)をオンボード実装しており、RAMの増設・換装はできません。

ミニPCとして使ってみた|日常用途での実用性を検証

Beelink ME Proをモニターに接続した状態

まず本機をミニPCとして使用し、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった普段使いの快適さを検証しました。

なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100Hzで出力しています。

まずはウェブサイト閲覧時について。

Beelink ME Proでウェブサイトを閲覧している様子

画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。

一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることはありません。

続いて、YouTubeやNetflixなどで動画を視聴してみました。

Beelink ME Proで動画を視聴している様子

4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、十分快適に視聴できました。

そして表計算ツール等を用いたオフィス作業について。

Beelink ME Proで表計算ツールを使用している様子

WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。

Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。

Beelink ME Proで2ウィンドウ同時表示している様子

本機はNAS利用を想定し、省消費電力の「Intel® Twin Lake N95」を採用していますが、日常的な利用シーンでは十分に快適で、性能不足を感じる場面はほとんどありませんでした。

PCゲームや動画編集といった高負荷作業には向かないものの、軽作業をこなしつつ、大容量ストレージをバックアップ用途として活用したい場合には適した性能だと言えます。

『Beelink ME Pro』のベンチマークテスト結果

『Beelink ME Pro』で、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果

▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果

項目 スコア
プロセッサ 8.8
メモリ(RAM) 8.8
グラフィックス 8.0
ゲーム用グラフィックス 未計測
プライマリディスク 8.9
TikGadget
プロセッサ・メモリともに8.8と高水準で、低消費電力CPU搭載機としては日常用途に十分余裕のある性能を示しています。プライマリディスクは8.9と非常に高く、SSD周りのレスポンスは体感的にも快適です。一方でグラフィックスは8.0にとどまり、軽作業向けとしては問題ないものの、描画性能を求める用途には向かないバランスと言えます。

CrystalDiskMarkの結果

  • SSDCrystalDiskMarkの結果(SSD)
  • HDD1CrystalDiskMarkの結果(HDD1)
  • HDD2CrystalDiskMarkの結果(HDD2)

▼CrystalDiskMarkの実測結果

ストレージ SEQ1M Q8T1
Read / Write (MB/s)
SEQ1M Q1T1
Read / Write (MB/s)
RND4K Q32T1
Read / Write (MB/s)
RND4K Q1T1
Read / Write (MB/s)
NVMe SSD(Cドライブ) 1775.53 / 1459.37 1310.61 / 1215.34 305.94 / 198.08 47.34 / 98.82
HDD①(WD Red Plus 2TB) 243.39 / 231.95 243.60 / 236.21 1.85 / 1.90 0.50 / 1.94
HDD②(WD Red Plus 2TB) 231.00 / 219.37 230.42 / 220.81 1.79 / 1.72 0.51 / 1.66
TikGadget
システム用NVMe SSDはPCIe 3.0世代として十分な速度を発揮しており、OSやアプリの動作は快適です。一方、WD Red Plus HDDは順次性能が200MB/s超と安定しており、大容量データの保存やバックアップ用途では実用上の不満はありません。高速なSSDと堅実なHDDを役割分担させる構成により、NAS兼ミニPCとしてバランスの取れたストレージ性能と言えます。

PCMark 10の結果

PCMark 10の結果

▼PCMark 10の実測結果

項目 スコア
総合スコア 2,937
Essentials 5,283
Productivity 5,264
Digital Content Creation 2,474
TikGadget
総合スコア2,937ながら、Essentials 5,283/Productivity 5,264と日常操作やオフィス用途は十分に快適な水準です。Web閲覧や資料作成、軽作業を並行しても動作に余裕があり、ミニPCとしての実用性は高く評価できます。一方でDigital Content Creationは2,474にとどまり、動画編集や重い制作作業には向かないものの、用途を割り切れば性能バランスは良好と言えます。

Cinebench R23の結果

Cinebench R23の結果

▼Cinebench R23の実測結果

項目 スコア
CPU(マルチコア) 2,558 pts
CPU(シングルコア) 904 pts
MP Ratio 2.83 x
TikGadget
CPUマルチコアは2,558pts、シングルコアは904ptsと、省電力CPUとしては妥当な結果です。マルチコア性能は軽めの並列処理やバックグラウンド作業をこなすには十分で、NAS用途との相性も良好と言えます。一方でシングルコア性能は控えめなため、高負荷な演算処理や重いクリエイティブ用途には向かないものの、用途を限定すれば安定した実用性能を発揮します。

TrueNASを導入して『Beelink ME Pro』をNAS化

続いて、『Beelink ME Pro』にNAS OSの「TrueNAS SCALE」をインストールしました。

インストール手順全体の所要時間は約1時間ほど。特に手間取ることなくスムーズに導入できました。インストール先としてNVMe SSDを指定できるため、OS領域とHDDデータ領域を明確に分離できる点も好印象です。

▼2台のHDDを使ったRAID1(ミラーリング)構成で運用しています。

TrueNAS SCALEのメインインターフェース

Realtek製5GbEおよびIntel製2.5GbEの両LANポートも問題なく認識され、追加ドライバの導入は不要でした。

初期セットアップ完了後は、他のPCから管理画面にアクセスして操作できるため、Beelink ME Pro本体は電源アダプタとLANケーブルのみを接続した状態で棚に設置しました。

棚に設置された状態のBeelink ME Pro

データ転送速度の検証

実際の使用感を確認するため、ファイル構成の異なる2パターンでNASの転送時間を検証しました。あわせて転送中の挙動も撮影し、実効速度を確認しています。

注意

なお、筆者が居住している賃貸マンションはネットワーク設備がやや古く、宅内LANの上限は1GbEとなっています。そのため、本機が備える5GbEポートの性能を最大限に引き出せているわけではありませんが、その点をご理解いただいた上で参考にしていただければ幸いです。

低容量・多ファイル構成(370MB/2,544ファイル)

転送方向 転送時間 速度傾向
メインPC → ME Pro 約4分8秒 立ち上がり:約300KB/s
終盤:約20MB/s
ME Pro → メインPC 約32秒 立ち上がり:約2MB/s
終盤:約50MB/s
TikGadget
低容量・多ファイル構成では、ファイル数の多さによるオーバーヘッドの影響が大きく、特に転送初期は速度が伸びにくい結果となりました。ただし、これはNAS運用全般に共通する挙動であり、本機固有の弱点とは言えません。1GbE環境という条件を踏まえれば実用上大きな問題はなく、用途を理解したうえで使う分には十分許容できる結果と言えます。

大容量・少ファイル構成(6.3GB/動画4ファイル)

転送方向 転送時間 速度傾向
メインPC → ME Pro 約50秒 約130MB/sで安定
ME Pro → メインPC 約56秒 約115MB/sで安定
TikGadget
大容量・少ファイル構成では転送速度が安定して高く、1GbE環境の帯域上限に近い水準を継続的に維持できました。動画やバックアップなど実運用で想定される用途では待ち時間を意識する場面は少なく、NASとしての基本性能は十分に高いと言えます。ネットワーク環境を強化すれば、さらなる速度向上も期待できる結果でした。

発熱とファンノイズを検証

発熱状況の参考として、ベンチマーク実行後にHWMonitorを用いて各部の温度を確認しました。

▼計測値(室温26℃、ベンチマーク実行後)

HWMonitorの計測結果

CPU(Intel Twin Lake N95)は高負荷後でも40℃前後に収まっており、HDDやSSDについても常用範囲として十分に低い温度で推移しています。

実際のNAS運用においても、発熱が気になる場面はありませんでした。大容量データ転送を行った直後に筐体へ触れてみても、熱がこもっているような感覚はなく、金属製筐体らしいひんやりとした触感を維持していました。内部の熱を効率よく外部へ逃がせている印象です。

稼働中のBeelink ME Proを手で触れている様子

ファンノイズについても同様で、大容量データ転送時とアイドリング時とで音量の変化はほとんど感じられませんでした。実際に騒音計で測定したところ、動作中の音量はおおむね38.4dB前後で推移しており、常時稼働させるNASとして十分に静かな部類と言えます。

▼なお、この数値には空調などの環境音も含まれている点はご留意ください。

騒音計で測定している様子

総じて、発熱・静音性ともに非常に安定しており、24時間稼働を前提としたNAS用途でも安心して使える挙動でした。設置場所を選びにくく、リビングや寝室に置いても扱いやすい点は、本機の大きな強みだと感じます。

経済性の検証|クラウドストレージと比較してどうか?

『Beelink ME Pro』をNAS運用した際の経済性について検証してみました。

消費電力から毎月の電気代を試算

本機の消費電力を「SwitchBot スマートプラグ」を測定したところ、アイドリング時でおおむね22W前後、データ転送時でも26W前後を推移していました。

アイドリング時Beelink ME Proの消費電力(アイドリング時)
データ転送時Beelink ME Proの消費電力(データ転送時)

区分 アイドリング時の消費電力(目安) 負荷時の消費電力(目安)
Beelink ME Pro 約22W 約26W
エントリー向け2ベイNAS 約20~30W 約30~40W
高性能2ベイNAS 約30~40W 約40~50W以上
自作2ベイNAS(参考) 約35~50W 50W超

NASとして常時稼働させることを前提に、ここではやや余裕を見て平均24Wとして電気代を試算します。

全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安では、電気料金は1kWhあたり約31円(税込)とされています。この条件をもとにすると、1か月(24時間×30日)あたりの消費電力量は以下の通りです。

  • 0.024kW × 24時間 × 30日 = 約17.3kWh

これを電気代に換算すると、

  • 17.3kWh × 31円 ≒ 約536円 / 月

となります。

24時間稼働を前提としたNASでありながら、月あたり約500円台に収まる電気代は非常に優秀で、ランニングコストの低さは本機の大きな魅力と言えます。長く運用することを考えると、消費電力の低さは経済性の面でメリットになります。

クラウドストレージ(月額サブスク)との金額比較

続いて、主要なクラウドストレージサービスの月額料金と比較してみます。なお、以下はいずれも毎月支払いの場合(2026年1月時点)の価格です。

▼主要クラウドストレージの月額料金

サービス 容量 月額料金(税込)
Google One 2TB 1,450円
Dropbox Plus 2TB 1,500円
iCloud 2TB 1,500円
OneDrive 2TB 2,035円
(参考)Beelink ME Pro 2TB (RAID1構成) 約536円

メモ

なお、今回のレビューでは2TB HDD×2台を使用していますが、RAID1構成で運用しているため、実効容量は2TB相当になります。この点を踏まえると、代表的なクラウドストレージの2TBプランとの比較がもっともフェアな基準だと考え、比較対象として採用しています。

最も安いGoogle Oneと比べても、ME Proの方が毎月約900円年間では約1.1万円ほどランニングコストを抑えられます。

単純に毎月の費用で見ると、ME Proの方がコスト面で優れていると言えます。

ただし、NASの場合は当然、初期投資費用がかかってきます。

今回の構成では、

  • ME Pro本体:最安値 57,000円
  • WD Red Plus 2TB HDD ×2台:合計 40,000円

といった初期費用が発生しており、これらをクラウドストレージの月額料金との差額だけで回収しようとすると、数年単位の運用が前提になります。

さらに、HDDの設計寿命は一般的に5年ほどと言われています。寿命を迎える度に新たなHDDを購入する必要があり、数万円かかってきます。

初期投資に加えて将来的なHDD交換費用まで含めて考えると、クラウドストレージとの月額差額だけで費用を回収するのは現実的には難しいと言えます。

それでもNASを選ぶ理由は?

初期投資やHDD交換費用まで含めると、クラウドストレージとの月額差額だけで費用を回収するのは正直難しいです。それでもNASを選ぶ理由は、単純なコスト比較では測れない価値があるからです。

NASを選ぶメリット

  1. 月額課金に縛られない
  2. 容量を柔軟に拡張できる
  3. データの管理権限を自分で持てる
  4. サービス終了や規約変更、価格改定などの影響を受けない
  5. 大容量データとの相性が良い
  6. 他デバイス間の同期を待つ必要がない
  7. ローカル環境で高速にアクセスできる(宅内ネットワークで完結)
  8. 用途に応じて運用をカスタマイズできる

このうち、個人的に最も大きなメリットとして感じているのが「⑥他デバイス間の同期を待つ必要がない」です。

常にNASを単一の保存先として使えるため、アップロード完了を待ったり、別端末に反映(同期)されるタイミングを気にしたりする必要がなく、作業のテンポが崩れません。

筆者のように複数のデバイス間でデータを頻繁にやり取りする場合、同期待ちのストレスから解放されるため、非常に大きな恩恵を感じられます。

コスト面だけで判断するのではなく、運用の自由度・安心感・データ転送時の快適さを重視する人にとって、自前NASは今でも十分に選ぶ価値のある選択肢だと言えます。

「専用NASは難しそう、でもクラウドだけでは不安」という人にとって、ちょうどいい一台です。

『Beelink ME Pro』の良かった点・悪かった点

Beelink ME Pro

『Beelink ME Pro』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は以下の通りです。

良かった点

  • コンパクトでデザイン性の高い筐体デザイン
  • NASとミニPCを1台で兼ねられる柔軟性の高さ
  • 一般的なPC作業は快適
  • 2ベイNASとしては非常に充実したインターフェース構成
  • 最大12TBまでのSSD拡張に対応
  • 発熱が少なく、静音性が非常に高い
  • 低消費電力でランニングコストが安い
  • NAS初心者でも扱いやすい構造・導入のしやすさ

悪かった点

  • RAMの増設・換装ができない
  • PCゲームや動画編集などの重い作業には向かない
  • 月額コストは安い一方、初期投資費用を考慮すると、純粋な金額面ではクラウド有利

よくある質問(FAQ)

読者さん
QBeelink ME Proは「普通のNAS」と何が違う?

A専用NASと異なり、Beelink ME ProはWindowsミニPCとしても使えるハイブリッド設計が特徴です。TrueNASなどを導入して本格的なNASとして運用できる一方、OSを切り替えれば一般的なミニPCとしても利用できます。1台で複数の役割を担える点が大きな違いです。
TikGadget

読者さん
Qクラウドストレージの代わりとして完全に置き換えられる?

A用途によります。自宅や同一ネットワーク内でのデータ管理やバックアップ用途であれば、十分に代替可能です。一方、外出先から常にアクセスしたい場合や、設定不要で手軽に使いたい場合は、クラウドとの併用が現実的です。本機は「クラウドを減らす」選択肢として非常に有効です。
TikGadget

読者さん
Q毎月の電気代はどのくらい?

ANASとして24時間30日間稼働させた場合でも、約500円前後 / 月が目安です。省電力なため、一般的な2ベイNASと比べても電気代は比較的低く抑えられます。
TikGadget

総評:NASとミニPCを1台で兼ねられる珍しい立ち位置の製品

デスク上で稼働しているBeelink ME Pro

Beelink ME Proは、NASとミニPCを1台で兼ねられる、ちょっと珍しい立ち位置の製品です。NAS専用OSを入れて本格的に使える一方で、必要があればPCとしても扱える柔軟さは、専用NASにはない魅力だと感じました。

性能は控えめですが、NAS用途や日常的な軽作業では不満はなく、発熱やファンノイズも非常に穏やかです。24時間稼働させていても存在感が薄く、扱いやすさという点ではかなり好印象でした。

個人的に最も良いと感じたのは、他デバイス間の同期を待つ必要がない快適さです。NASを単一の保存先として使えることで、作業のテンポが崩れにくくなります。

コスト面では初期投資が必要なため、クラウドより安く済ませたい人向けではありませんが、月額課金から解放され、自分でデータを管理したい人にとっては、十分に検討する価値のある一台だと思います。

◎おすすめできる人

  • 他デバイス間の同期待ちにストレスを感じている人
  • NASとミニPCを1台で使い分けたい人
  • 省電力・静音性を重視して24時間運用したい人

▲おすすめできない人

  • 初期費用をできるだけかけたくない人
  • 動画編集やゲームなど高負荷用途を求める人
  • 難しい設定がないクラウドストレージの方が良い人

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