数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー ACEMAGIC は、Ryzen 5 7430U搭載のミニPC『ACEMAGIC K1』を販売しています。
通常価格は税込53,998円(32GB RAMモデル)ですが、不定期開催のセール中は4万円未満で購入できます。
CPUに「AMD Ryzen 5 7430U」を、グラフィックス処理用に「AMD Radeon™ Graphics」を採用しており、一般的なPC作業から軽めのゲーミングまで、快適にこなせる性能を備えています。また、16GB /32GB DDR4および512GB SSDを備え、実用性は申し分なし。
コンパクトな12.8×12.8×4.1cm・約0.5kgの筐体はVESAマウント対応で、モニター背面に設置してデスクをすっきりまとめられます。
こんな方におすすめ!
- コンパクトでも高性能なデスク環境を作りたい方
- 在宅ワークやビジネス用途で安定した動作を求める方
- 複数モニターを使って効率的に作業したい方
今回、メーカーより本製品(32GB RAM + 512GB SSD)を提供していただいたので、実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
▼ショート動画を投稿しました。使用感はコチラでもご確認いただけます。
https://youtube.com/shorts/rQomiO33pFM?si=xURuulqX2WVyjiuz
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』のスペック・仕様表
| ブランド | ACEMAGIC |
| 型名 | ACEMAGIC K1 |
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | AMD Ryzen 5 7430U |
| グラフィックス | AMD Radeon™ Graphics |
| メモリ(RAM) | 16GB / 32GB DDR4 2666MHz(最大64GBまでの増設サポート) |
| ストレージ(ROM) | 512GB M.2 2280 SATA SSD(最大4TBまでの増設サポート) |
| 対応通信規格 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、RJ45ギガビットイーサネット |
| インターフェース | 【前面】 ・電源ボタン ・3.5mmジャック ・USB 3.2 Type-A ×2 ・Type-C(フル機能, 4K@60Hz) 【背面】 ・DC電源ポート ・HDMI 2.0 ・DisplayPort 1.4 ・RJ45 LANポート ・USB 3.2 Type-A ×4 |
| VESA | 対応 |
| 本体サイズ | 128.2×128.2×41mm |
| 本体重量 | 公称値:約500g 実測値:約446g |
▼実機のバージョン情報
なお、コマンドプロンプトで「slmgr -dli」を実行したところ、正規ライセンスのWindows 11 Pro(OEM版)を搭載していることを確認しました。起動後すぐにライセンス認証済みの状態で利用できます。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- ACEMAGIC K1本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- VESAマウント金具&ネジ
- HDMIケーブル
VESAマウント金具&ネジが付属しており、モニター裏に取り付けることで、デスク周りをさらに省スペース化できます。
電源アダプタはそこまで大きくなく、場所を取りません。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』本体の外観&インターフェース構成
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』の本体サイズは、128.2×128.2×41mmと非常にコンパクト。全体的に黒一色のシンプルかつスタイリッシュなデザインです。邪魔な装飾も一切ないので、デスク上に設置しても違和感はありません。
手触りはサラサラして心地よく、指紋や皮脂汚れも目立ちづらいです。
▼筐体外観(360度)
手のひらに載せられるほどのサイズ感で携行性もGOOD。
厚みは4.1cmと薄く、カバンなどに入れて外出先へ気軽に持ち運ぶことも可能です。
底部の四隅にはゴム脚が備わっているほか、VESAマウント金具を取り付けるための穴も用意されています。
本体重量は実測で約446gと比較的軽量です。
小型デザインのおかげで、実際にデスク上に設置してもスペースを取らず、邪魔には感じません。
マウスと並べると、ミニPCの小ささが際立ちます。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』のインターフェースについて見ていきます。
正面には電源ボタン、3.5mmジャック、USB 3.2 Type-A ×2、Type-C(フル機能, 4K@60Hz)が用意。
▼両側面の様子
後部にはDC電源ポート、HDMI 2.0、DisplayPort 1.4、RJ45 LANポート、USB 3.2 Type-A ×4が用意。
限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっています。Type-A、Type-C含めUSBポートが多く用意されているので、幅広いデバイスを同時接続できる点は便利です。
なお、Type-C(フル機能, 4K@60Hz)、HDMI 2.0、DisplayPort 1.4を併用することで、最大3画面同時出力が可能です。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』の拡張性
ミニPCの底部のゴム脚を強く引っ張って外すと、ネジが現れるのでドライバーを使って外していきます。
底部のフタを取り外すと、内部ファンが現れます。
あとはファンを掴んで取り出せば、基板が露出します。
なお、内部基板からの配線がプレートに繋がっており、金属カバーを外す際に力を入れ過ぎると線が抜けてしまうので要注意。
最大64GBまでのRAM拡張、最大4TBまでのSSD増設をサポート。拡張性は優れています。ただ、このように拡張スロットへのアクセス性が悪い点がデメリットといえます。もう少し拡張しやすい構造だと助かります。
なお、512GBモデルの内蔵ストレージは、初期状態で418GB分が使用可能領域となっていました。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』のベンチマークテスト結果
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』で、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 9.2 |
| メモリ(RAM) | 9.2 |
| グラフィックス | 8.0 |
| ゲーム用グラフィックス | 未計測 |
| プライマリディスク | 8.2 |

CrystalDiskMarkの結果
▼CrystalDiskMarkの実測結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 533.03 | 471.22 |
| SEQ1M Q1T1 | 524.11 | 446.61 |
| RND4K Q32T1 | 198.52 | 215.25 |
| RND4K Q1T1 | 31.88 | 90.49 |

PCMark 10の結果
▼PCMark 10の実測結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 5,432 |
| Essentials | 9,278 |
| Productivity | 8,679 |
| Digital Content Creation | 5,404 |

Cinebench 2024の結果
▼Cinebench 2024の実測結果
| 項目 | スコア |
| シングルコア | 84 pts |
| マルチコア | 467 pts |

3DMarkの結果
3DMarkの各テスト結果を紹介していきます。
Time Spy & Night Raid
| テスト | 総合 | グラフィックス | CPU |
| Time Spy | 1,256 | 1,106 | 5,496 |
| Night Raid | 13,489 | 14,379 | 9,989 |

CPUプロファイル
▼CPUプロファイルの実測結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 4,232 |
| 16スレッド | 4,133 |
| 8スレッド | 3,862 |
| 4スレッド | 2,866 |
| 2スレッド | 1,595 |
| 1スレッド | 851 |

Storage Benchmark
▼Storage Benchmarkの実測結果
| Storage Benchmark 結果 | ||
| 総合スコア | 819 | |
| 各テスト項目の詳細 | ||
| テスト内容 | 帯域幅(MB/s) | アクセス時間(μs) |
| Battlefield Vを読み込む | 226.52 | 348 |
| Call of Duty: Black Opsを読み込む | 253.13 | 331 |
| Overwatchを読み込む | 125.82 | 215 |
| ゲームをインストール | 93.78 | 154 |
| ゲームを録画 | 76.61 | 116 |
| ゲームを保存 | 86.03 | 89 |
| ゲームを移動 | 318.96 | 825 |

Steel Nomad Lightのストレステスト
▼Steel Nomad Light ストレステストの実測結果
| 項目 | 結果 |
| ストレステスト安定性 | 98.9% |
| ベストループスコア | 1078 |
| ワーストループスコア | 1066 |
| 実行ループ数 | 20 |
| 選択ループ数 | 20 |

普段使いは非常に快適
ACEMAGIC K1でウェブサイトを閲覧したり、動画サイトを視聴して、普段使いの快適さを検証しました。なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100fpsで出力しています。
まずはウェブサイト閲覧時について。
画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。
一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることはありません。
続いて、YouTubeやNetflixなどで動画を視聴してみました。
最高4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、快適に視聴できました。
そしてOfficeソフト等を用いた作業について。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。
Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。
なお、3画面同時出力の場合でも、処理パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
総じて、日常的な利用シーンでの使用感は快適で、性能不足を感じる場面はありませんでした。
軽めのPCゲームであれば設定次第でプレイ可能
本機は内蔵GPUに「AMD Radeon™ Graphics」を採用しており、AAA級の重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しいものの、軽めのPCゲームであれば設定次第でスムーズに楽しめる性能を備えています。
DQ10のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 最高品質
- フルスクリーン
ドラゴンクエストX (DQ10)でベンチマークテストを行った結果、"FHDフルスクリーン×最高品質" で 「とても快適」という結果が得られました。
MMORPG系でも、DQ10のようなライトタイトルであれば、最高品質でも快適に遊べることが分かります。
FF14のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップ)
- ウィンドウモード
画質を "標準品質" に抑えた場合でも「設定変更を推奨」という結果になりました。
さすがにFF14クラスの負荷のPCゲームは、画質設定を落としても動作は厳しいことがわかります。
フォートナイトを実際にプレイしてみた
1920×1080(FHD)解像度・ウィンドウモード・中画質設定でプレイ。
実際にフォートナイトをプレイしたところ、序盤のプレイヤーが密集する場面では一時的にフレームレートが多少落ちることがありましたが、中画質でも常時30fps前後を推移していました。
▼中画質設定時のfps
▼フォートナイトをプレイする様子(中画質設定時)
描画は安定しており、操作レスポンスも良好で、実用的には十分スムーズに遊べるレベルです。
内蔵GPU搭載ミニPCとしては十分に健闘しており、画質設定を "中" 以下に調整すれば、eスポーツタイトルとしてのフォートナイトでも十分スムーズにプレイ可能であることが確認できました。
優れた静音性&放熱性能
計5時間ほど、各種ベンチマークテストや日常利用におけるパフォーマンスを確認した後、HWMonitorで筐体の発熱を確認してみました。
▼計測値(室温27℃、Cinebenchや3DMarkなど実行後)
Cinebenchや3DMark実行後でもCPUパッケージ温度の最大値は84.6℃、平均は約73℃前後と比較的安定しており、冷却性能は良好といえます。
Ryzen 5 7430UのTDP(28W)クラスでは問題のない範囲で、サーマルスロットリングの兆候も見られません。
ストレージ(SSD)の温度も54℃と安全域に収まっており、長時間の高負荷運用でも安心して使用可能です。
そして静音性に関しても優秀で、5時間連続稼働後でもファン音は非常に静か。ベンチマークテスト実行時など高負荷状態でこそファンの回転音が若干大きくなることはあるものの、その後はすぐ静音状態に戻ります。
▼稼働音の確認(室温27℃、Cinebenchや3DMarkなど実行後)
オフィス作業や動画視聴時には耳を近づけてもほとんど気にならないレベルでした。
長時間のベンチマークや実用作業を行っても、熱による性能低下や過剰発熱はなく、静音・安定動作が維持できている点は好印象。
安心して長時間の作業用途に利用できるミニPCであると言えます。
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』の良かった点・悪かった点
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は以下の通りです。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- スタイリッシュで落ち着いたデザイン
- 充実のインターフェース構成
- ビジネス利用~軽めのクリエイティブ作業まで快適にこなせる性能
- 軽めのPCゲームであれば設定次第で快適にプレイ可能
- 優れた静音性と冷却性能
- 最大3画面の同時出力をサポート
悪かった点
- 拡張スロットへアクセスしづらい(ゴム脚~底面~ファン取り外しが必要)
- 高速規格(Thunderbolt/USB4)は非搭載
- 高負荷ゲーミングには向かない
よくある質問(FAQ)



総評:「小型・静音・高性能」を求めるユーザーにとって完成度の高い一台
『ACEMAGIC K1(Ryzen 5 7430U)』は、比較的リーズナブルな価格に対して完成度が高く、コストパフォーマンスに優れたミニPCといえます。
Ryzen 5 7430U搭載で、ウェブ閲覧やOffice作業、動画視聴といった日常用途から、軽めのクリエイティブ作業までスムーズにこなせます。特に3画面4K出力に対応しているため、デスクワークの効率を重視するユーザーにも最適です。
ストレージはSATA SSD主体ながら、PCIe 3.0スロットも搭載しており、最大4TBまで拡張できる点が魅力。ただし、拡張スロットへアクセスしづらい点がネックです。
ベンチマーク結果からも分かるように、CPU・メモリ性能はいずれも高水準で、実使用時のパフォーマンスも良好。さらに、ストレステストで安定性98.9%を記録しており、長時間負荷でも性能低下がほぼ見られない点は大きな強みです。
「小型・静音・高性能」を求めるユーザーにとって、完成度の高い一台といえるでしょう。
▼ショート動画を投稿しました。使用感はコチラでもご確認いただけます。
https://youtube.com/shorts/rQomiO33pFM?si=xURuulqX2WVyjiuz
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