大手ミニPCブランドであるNiPoGi(ニポギ)は、コンパクトサイズに対して実用的な性能を備えたミニPC『NiPoGi E3B(5825Uモデル)』を販売しています。
「AMD Ryzen 7 5825U(最大4.5GHz)」を搭載し、ビジネス用途から軽めの動画編集まで幅広く対応。16GB/32GB DDR4メモリと512GB SSDを搭載し、最大64GB RAM・4TB SSDまで拡張できる点も魅力です。
約12.8×12.8×4.1cm、重量約565gと非常にコンパクトな筐体のインターフェースは充実しており、USB 3.2 Gen2×2、USB 3.2 Gen1×4、Type-Cポートなどを装備。
通常価格は税込54,998円のところ、不定期開催のセールでは3万円台での購入が可能。コストパフォーマンスに優れた一台です。
こんな方におすすめ!
- 省スペースでスマートなデスク環境を作りたい方
- 仕事にも趣味にも使えるミニPCを探している方
- 安く実用的なデスクトップ環境を整えたい方
今回、メーカーより本製品(16GB+512GBモデル)を提供していただいたので、実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
▼ショート動画を公開しました。使用感はこちらでも確認いただけます。
『NiPoGi E3B (5825U)』のスペック・仕様表
| ブランド | NiPoGi |
| 型名 | NiPoGi E3B |
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | AMD Ryzen 7 5825U(最大4.50GHz) |
| グラフィックス | AMD Radeon Graphics |
| メモリ(RAM) | 16GB/32GB DDR4(最大64GBまで拡張可能) |
| ストレージ(ROM) | 512GB M.2 2280 SATA SSD(最大4TBまで拡張可能) |
| 対応通信規格 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
| インターフェース | 【前面】 ・電源ボタン ・3.5mmジャック ・USB Type-A 3.2 Gen 2 ×2 ・USB Type-C(4K@60Hz, PD出力) 【背面】 ・USB Type-A 3.2 Gen 1 ×4 ・RJ45イーサーネットポート ・DisplayPort 1.4 ・HDMI 2.0 ・DC電源ポート |
| 本体サイズ | 12.8×12.8×4.1cm |
| 本体重量 | 実測値:約565g |
▼バージョン情報
▼「slmgr /xpr」コマンドによる認証確認結果。本機は正規のWindows 11 Proライセンスが付与されていることを確認しました。
『NiPoGi E3B (5825U)』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- NiPoGi E3B本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- VESAマウント金具&ネジ
- HDMIケーブル
VESAマウント金具&ネジが付属しており、モニター裏に取り付けることで、デスク周りをさらに省スペース化できます。
▼電源アダプタはそこまで邪魔にならないサイズ感。
『NiPoGi E3B (5825U)』本体の外観&インターフェース構成
『NiPoGi E3B (5825U)』の本体サイズは、12.8×12.8×4.1cmと非常にコンパクト。全体的に黒を基調としたシンプルなデザインで、デスク上に設置しても悪目立ちすることはありません。
天板にはヘアライン加工が施されています。
▼筐体外観(360度)
手のひらに載せられるほどのサイズ感で携行性もGOOD。カバンなどに入れて外出先へ気軽に持ち運ぶことも可能です。
底部の四隅にはゴム脚が備わっているほか、換気用の穴が空いています。また、VESAマウント金具を取り付けるための穴も用意されています。
本体重量は実測で約565gと比較的軽量です。
小型デザインのおかげで、実際にデスク上に設置してもスペースを取らず、邪魔には感じません。
マウスと並べると、ミニPCの小ささが際立ちます。
『NiPoGi E3B (5825U)』のインターフェースについて見ていきます。
正面には電源ボタン、3.5mmジャック、USB Type-A 3.2 Gen 2 ×2、USB Type-C(4K@60Hz, PD出力)が用意。
▼両側面には通気用の穴が空いています。
背面にはUSB Type-A 3.2 Gen 1 ×4、RJ45イーサーネットポート、DisplayPort 1.4、HDMI 2.0、DC電源ポートが用意。
限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっています。
HDMI 2.0ポート、DisplayPort 1.4、USB Type-C(4K@60Hz, PD出力)を併用することで、最大3画面同時出力が可能です。
『NiPoGi E3B (5825U)』の拡張性
NiPoGi E3B (5825U)の底部のゴム脚を強く引っ張って外すと、ネジが現れるのでドライバーを使って外していきます。
底部のフタを外すと、さらにネジが現れるので外していきます。
やっと内部基板が現れました。拡張ポートにアクセスしづらい点がややネックです。
最大64GBまでのRAM拡張、最大4TBまでのSSD増設をサポート。用途に応じて容量を増やせる点は便利です。
なお、内蔵ストレージは初期状態で432GB分が使用可能領域となっていました。
『NiPoGi E3B (5825U)』のベンチマークテスト結果
『NiPoGi E3B (5825U)』で、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 9.3 |
| メモリ(RAM) | 9.3 |
| グラフィックス | 6.1 |
| ゲーム用グラフィックス | 未計測 |
| プライマリディスク | 8.1 |

CrystalDiskMarkの結果
▼CrystalDiskMarkの実測結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 548.55 | 476.94 |
| SEQ1M Q1T1 | 520.20 | 462.58 |
| RND4K Q32T1 | 277.60 | 189.07 |
| RND4K Q1T1 | 37.05 | 87.54 |

PCMark 10の結果
▼PCMark 10の実測結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 5,224 |
| Essentials | 9,060 |
| Productivity | 8,450 |
| Digital Content Creation | 5,053 |

Cinebench 2024の結果
▼Cinebench 2024の実測結果
| 項目 | スコア |
| シングルコア | 84 pts |
| マルチコア | 531 pts |

3DMarkの結果
3DMarkの各テスト結果を紹介していきます。
Time Spy & Night Raid
| テスト | 総合 | グラフィックス | CPU |
| Time Spy | 847 | 733 | 5,662 |
| Night Raid | 8,775 | 8,459 | 11,136 |

Fire Strike
▼Fire Strikeのスコア結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 633 |
| グラフィックススコア | 2,321 |
| 物理スコア | 19,326 |

CPUプロファイル
▼CPUプロファイルの実測結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 4,913 |
| 16スレッド | 4,958 |
| 8スレッド | 4,502 |
| 4スレッド | 2,835 |
| 2スレッド | 1,538 |
| 1スレッド | 825 |

Storage Benchmark
▼Storage Benchmarkの実測結果
| Storage Benchmark 結果 | ||
| 総合スコア | 802 | |
| 各テスト項目の詳細 | ||
| テスト内容 | 帯域幅(MB/s) | アクセス時間(μs) |
| Battlefield Vを読み込む | 266.17 | 296 |
| Call of Duty: Black Opsを読み込む | 232.87 | 343 |
| Overwatchを読み込む | 153.94 | 164 |
| ゲームをインストール | 101.06 | 138 |
| ゲームを録画 | 79.39 | 111 |
| ゲームを保存 | 47.88 | 166 |
| ゲームを移動 | 314.71 | 833 |

普段使いは非常に快適
NiPoGi E3B (5825U)でウェブサイトを閲覧したり、動画サイトを視聴して、普段使いの快適さを検証しました。
なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100fpsで出力しています。
まずはウェブサイト閲覧時について。
画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。
一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることはありません。
続いて、YouTubeやNetflixなどで動画を視聴してみました。
最高4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、快適に視聴できました。
そしてOfficeソフト等を用いた作業について。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。
Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。
なお、3画面同時出力の場合でも、処理パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
総じて、日常的な利用シーンでの使用感は快適で、性能不足を感じる場面はありませんでした。
軽めのPCゲームであれば設定次第でプレイ可能
本機は内蔵GPUに「AMD Radeon Graphics」を採用しており、AAA級の重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しいものの、軽めのPCゲームであれば設定次第でスムーズに楽しめる性能を備えています。
DQ10のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質 / 最高品質
- フルスクリーン
ドラゴンクエストX (DQ10)でベンチマークテストを行った結果、FHDフルスクリーン×最高品質で "快適" という結果が得られました。
MMORPG系でも、DQ10のようなライトタイトルであれば、最高品質でも快適に遊べることが分かります。
FF14のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップ)
- ウィンドウモード
上記の設定で「設定変更が必要」という結果に。さすがにFF14クラスのタイトルは、FHD×標準品質でも快適動作が難しいです。
以上から、軽めのゲームであれば設定次第で遊ぶこと自体は可能ですが、ミドル~ハイクラスの負荷のゲームは動作が厳しいことが分かりました。
優れた静音性&放熱性能
計5時間ほど、各種ベンチマークテストや日常利用におけるパフォーマンスを確認した後、HWMonitorで筐体の発熱を確認してみました。
▼計測値(室温27℃、Cinebenchや3DMARKなど実行後)
約5時間のベンチマークおよび通常使用後でも、CPUパッケージ温度は最大66℃前後と安定。冷却ファンの効率が高く、内部の熱がこもりにくい設計が確認できます。
全体的に放熱性・静音性ともに良好で、長時間使用でも安心して運用できる熱設計といえます。
そして静音性に関しても優秀で、5時間連続稼働後でもファン音は非常に静か。高負荷時にこそファンの回転音が若干大きくなることはあるものの、その後はすぐ静音状態に戻ります。
オフィス作業や動画視聴時には耳を近づけてもほとんど気にならないレベルでした。
▼稼働音の確認
※録音には空調音も入っています。ご容赦ください。
長時間のベンチマークや実用作業を行っても、熱による性能低下や過剰発熱はなく、静音・安定動作が維持できている点は好印象です。
安心して長時間の作業用途に利用できるミニPCであると言えます。
『NiPoGi E3B (5825U)』の良かった点・悪かった点
『NiPoGi E3B (5825U)』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は以下の通りです。
良かった点
- コンパクトかつ軽量なデザイン
- Ryzen 7 5825U搭載で日常~ビジネス用途は快適
- 最大64GB RAM・4TB SSDまで拡張できる柔軟性
- 3画面同時出力に対応
- インターフェースが充実
- 優れた放熱性能と静音性
- セール時は3万円台で買える高コスパ
悪かった点
- 中~高負荷ゲーミングには不向き
- 拡張ポートにアクセスしづらい
- ストレージはSATA SSDで、PCIe SSDほどの速度は出ない
よくある質問(FAQ)



総評:省スペース・省電力PCとしての完成度が高く、コストパフォーマンスにも優れた一台
『NiPoGi E3B(Ryzen 7 5825U搭載)』は、16GBメモリと高速SSDを備えたバランスの良いミニPCです。
Windows 11 Proの正規ライセンスを取得しており、起動や操作もスムーズ。ウェブブラウジングやOffice作業、動画編集などの一般用途では十分なパフォーマンスを発揮します。
冷却性能も優秀で、長時間のベンチマーク実行後でもCPU温度は最大66℃程度に収まり、ファンノイズも控えめ。静音性と安定性を両立しています。
一方、グラフィックス性能はライト用途向けで、3Dゲームや重いクリエイティブワークには不向きです。
それでも省スペース・省電力PCとしての完成度は高く、コストパフォーマンスにも優れた一台といえます。
おすすめできる人
- 安く高性能なデスクトップ環境を整えたい人
- 省スペースで静音性の高いPCを求める人
- 事務作業や動画視聴、軽い編集作業を快適に行いたい人
おすすめできない人
- 最新3Dゲームや重い映像編集など高負荷作業をメインにしたい人
- GPU性能を重視したクリエイティブ用途を考えている人
- 拡張カードや大型ストレージを複数搭載したい人
▼ショート動画を公開しました。使用感はこちらでも確認いただけます。
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