ゲーム周辺機器の開発・製造・販売を行う「BIGBIG WON」(中国・深圳)は、2000Hzポーリングレート対応の高性能ゲーミングコントローラー(ゲームパッド)『BIGBIG WON BLITZ2』を販売している。
有線/無線接続をサポートするコントローラーであり、驚異的な2,000Hzポーリングレートに対応。有線接続時には、0.0005秒という目に見えないレベルの超低遅延を誇り、プロゲーミングでも通用する性能を備えている。
「通常版」と「TMR版」の2種類が用意。TMR版は "TMR(トンネル磁気抵抗)技術" を用いたスティックを搭載しており、従来のホールセンサーと比較して約4倍の精度向上を実現している。
今回、メーカーより「通常版」と「TMR版」の2種類を提供していただいたので、各モデルの比較もまじえて、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
モデル名 | BLITZ2 | BLITZ2 TMR |
---|---|---|
ブランド | BIGBIG WON | |
製品タイプ | 無線/有線ゲームコントローラー | |
接続方法 | 無線:Bluetooth 5.0 & 2.4Gアダプター/ 有線:USB Type-C to Type-A | |
対応デバイス | 有線:Switch (携帯/テーブルモード及びSwitch Liteには別途USB Type C アダプターが必要)、Windows10&11のパソコン 無線:Switch、SwitchLite、iPhone、Androidスマホ 、Windows PC |
|
対応OS | Windows 10 & 11, Android 9以上, iOS 13以上 | |
ジョイスティック | アルプス製ジョイスティック | TMR仕様ジョイスティック |
ポーリングレート | 2,000Hz(有線/無線USBドングル無線) | |
メカニカルボタン | 16個のボタンにメカニカルボタン採用 | |
ジャイロセンサー | ポーリングレート1,000Hz | |
背面/前面ボタン | 背面ボタン(2個)、前面ボタン(2個) | |
Xinput / Direct | Xinput | |
モーター | バイブレーションモーター | |
アプリ | BIGBIG WON TOOLS (PC/IOS/Android) | |
製品サイズ | 15.3 x 11.0 x 5.5 cm | |
製品重量 | 約246g | |
動作時間 | 約15時間 (バイブレーション使用時では約10時間) | |
充電時間 | 約1.5時間 | |
バッテリー | 1000mAh リチウムポリマー電池 | |
付属品 | 本体 x 1,USBケーブル x 1 ,2.4G USBドングル x 1,高さ違いのジョイスティック x 3種類,十字キー x 2種類, 取扱説明書 x 1 |
今回紹介する『BIGBIG WON BLITZ2』は、従来モデル以上に性能が向上し、より心地よい打鍵感と、迅速かつ正確な操作を実現した高性能ゲーミングコントローラー(ゲゲームパッド)だ。
▼ABXYマイクロスイッチ内蔵により、心地よい押し心地を実現。
▼十字キーには改良されたアーチ型ボタンデザインを採用し、長時間の操作でも指が疲れづらくなっている。
▼主要ボタンにはすべてメカニカルマイクロスイッチを採用。接触不良のリスクを払拭し、どの角度から押しても、遅延のない安定した入力が可能だ。
Bluetooth 5.0、2.4G無線、USB有線の計3種類の接続方法をサポート。ニンテンドースイッチ、スイッチLite、iPhone、Androidスマホ 、Windows PCなど、幅広いデバイスとの接続が可能だ。
コントローラー本体には一般的な入力インターフェースに加えて、連射ボタン、マッピングボタン、マクロボタン、スクリーンショットボタン、そして背面ボタンなどの豊富なボタン類が用意されており、あらゆる操作をスムーズに行うことが可能。
BIGBIG WONが独自に開発した次世代チップにより、業界最高水準の2000Hzポーリングレートを実現。有線接続時には、0.0005秒という目に見えないレベルの超低遅延を誇り、プロゲーミングでも通用する性能を備えている。
通常版はアルプス製ジョイスティックを搭載。
一方のTMR版はTMR(トンネル磁気抵抗)技術を用いた「TMR仕様ジョイスティック」を搭載しており、従来のホールセンサーと比較して約4倍の精度向上を実現。耐久性にも優れているため、長期間にわたり安定した操作が可能となっている。
そして本製品は、PC・スマートフォン対応アプリを利用することで、2つのショルダーボタンを含む4つのカスタムキーを、自分好みに設定することが可能。操作に関する各種パラメーターの詳細な調整も可能であり、コントローラーを自身に最適な状態にカスタマイズできる。
製品本体および付属品
▼外箱の様子(TMR版)
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- コントローラー本体
- USBケーブル
- 2.4G USBドングル
- 交換用ジョイスティック
- 交換用十字キー
- ユーザーマニュアル
なお、通常版とTMR版とでパッケージ内容はまったく同じだ。
▼通常版のパッケージ内容
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
▼交換用ジョイスティック&交換用十字キーが付属。スティックはそれぞれ微妙に高さが異なっており、自身に最適なものに付け替えられる。
▼2.4G無線接続のためのUSBドングルが付属。
コントローラー本体
▼コントローラー本体(TMR版)の外観。ボタン類が非常に充実。
▼本体サイズは15.3 x 11.0 x 5.5 cm、重量は約246gであり、一般的なコントローラーと比べるとややズッシリ感がある。
▼360度シリコン素材を使用した包み込みグリップデザインを採用し、手にしっかりとフィットする。
続いて、コントローラーのインターフェースについて見ていく。
▼コントローラー左側にはアナログスティック(左)、十字キーが搭載。
▼コントローラー右側にはアナログスティック(右)、ABXYボタンが搭載。
▼上部にはHOMEボタン、ビューボタン、スクリーンショットボタン、メニューボタンが用意。
▼下部にはFNボタン、連射ボタン、マッピングボタン、マクロレコードボタン、配置ボタンが用意。
▼コントローラー背面の様子。
▼背面にはM1/M2ボタンが用意。充電ドックと接続するための端子も搭載されている。
▼コントローラー上側の様子。LT/LBボタン、RT/RBボタン、M3/M4ボタン、ペアリングボタン、Type-Cポートが用意。
M1/M2/M3/M4ボタンは、後述する公式ソフトウェアで機能を自由にカスタマイズ可能だ。
このように、ゲーミングコントローラーとして非常に充実した操作インターフェースを備えたモデルとなっている。
通常版とTMR版の比較
▼通常版(ブルー)とTMR版(グレー)を並べた様子。
アナログスティックとグリップカラーこそ異なるものの、インターフェース構成やサイズなどは全く同じだ。
▼スティックの仕様が異なるのみなので、見た目的には違いはない。
3種類の接続方法に対応
本製品は有線接続(USB Type-C)、ワイヤレス接続(2.4G無線、Bluetooth)に対応しており、いずれの場合もスムーズに接続を完了できる。
有線接続の場合
有線接続を行う場合は、Type-CケーブルでPCやゲーム機などと接続するだけで、利用準備が完了する。
Bluetooth接続の場合
Bluetooth接続を行う場合は、コントローラー電源をONにした状態で、背面のペアリングボタンを長押しするとペアリングスタンバイ状態に移行する。
この状態で、デバイス側で「Xbox Wireless Controller」を選択するだけで接続が完了する。
2.4G無線接続の場合
2.4G無線接続を行う場合は、付属の無線ドングルをデバイス側へ接続する。
あとはコントローラーの電源を付けると、自動的に接続が完了する。
自動的に接続されない場合は、ドングル上部のペアリングボタンを長押しした後、Bluetooth接続の場合と同様、コントローラー上部のペアリングボタンを長押しすることで、2.4G無線接続が完了する。
デバイス毎の接続モード切替
ワイヤレス接続時において、ニンテンドースイッチに接続する場合と、Windows / Android / iOSデバイスに接続する場合とで、モードを切り替える必要がある。
▼切り替えるボタンの組み合わせは、コントローラー背面に記載されているので分かりやすい。
非常に優れた操作感
実際に『BIGBIG WON BLITZ2 TMR』を用いてゲームをプレイしてみた。
▼PCゲームをプレイする様子
まず各ボタンの打鍵感について。
ABXYマイクロスイッチ内蔵により、心地よい押し心地を実現。キーボードのような「カチカチ」とした押し心地のおかげで、ゲーム中の操作が確実に入力されている感覚を得ることができる。
十字キーには改良されたアーチ型ボタンデザインが採用されており、長時間の操作でも指が疲れづらい。押下時の反応がスムーズで、微妙な入力も正確に反映される。格闘ゲームなどにおいて、キャラ操作や必殺技の入力もスピーディかつ快適に行うことができるだろう。
▼RB/RT・LB/LTボタンの押し心地も良好。RB/LBボタンは指の形状に合わせて横長に、RT/LTボタンは押す面積が広く、ミスタッチを起こしづらいよう設計されている。
そして何より、TMR版に搭載された「TMRスティック」の精度は実に高く、微妙な動きも逃さずゲーム内へ正確に反映される。特にFPSやTPSなどのシューティングゲームにおけるエイミング操作において、そのパフォーマンスを最大限に発揮するだろう。
Bluetooth/2.4Gによる無線接続時でも体感できるほどの遅延はないが、有線接続時には2000Hzのポーリングレートで、極めて低遅延な操作が可能。入力遅延は全く感じられず、操作がほぼリアルタイムでゲーム中に反映されていた。
また、各主要ボタンに搭載されたメカニカルマイクロスイッチのおかげで心地よい打鍵感を得ることができている。操作していて気持ちが良い。
▼各ボタン・スティックの操作感確認
全体的に、非常に優れた操作感を実現したゲーミングコントローラーとなっている。
本格的なゲーミングにも問題なく活用できるだろう。
通常版・TMR版のスティック操作感の比較
通常版・TMR版のそれぞれのスティックを操作した感触について述べていく。
まず通常版について。
通常版はアルプス製ジョイスティックを搭載しており、中心に戻る力が強く、スティック操作後のニュートラルポジションが安定している。
スムーズな動きで、操作感も滑らか。抵抗感もやや軽めで、長時間の操作でも疲れづらくなっている。
▼通常版スティック
続いてTMR版について。
通常版と比べると、若干硬めの抵抗感が感じられることがあった。しかし体感的には、操作感に関してそこまでの差はなかった。
ただし、ゲームプレイ時にはTMR版の方が明らかに精度の優れた操作が可能であり、シューティングゲームなどにおいて実に精度の高いエイミングを行うことができていた。
▼TMR版スティック
操作精度や耐久性を重視するゲーマーや、競技志向のプレイヤーであればTMR版を選択すると良いだろう。一方で、一般的なゲームプレイヤーや、ハイエンドの操作感を求めていないコスパ至高のゲーマーにとっては、通常版も十分に良い選択肢だと言える。
長時間持ち続けても疲れづらい
本製品は360度シリコン包み込みグリップを採用している。
手にしっかりとフィットするグリップデザインにより、長時間のプレイでも疲れにくい。また、滑りにくい素材のため、手汗が気になるプレイヤーにも適している。
▼通常版とTMR版とで、持ち心地に差はない。
公式ソフトウェアで高度な機能カスタマイズが可能
本製品は、公式が配布する無料ソフトウェア「BIGBIG WON アシスタント」を利用することで、高度な機能カスタマイズが可能となっている。
ソフトウェアのインストール後、ゲーミングコントローラーを有線接続した状態でソフトを起動することで、カスタマイズ画面に移行する。
▼ワイヤレス接続時にはコントローラーがソフト側に認識されないので注意したい。
ソフト上では、非常に豊富な項目が用意されており、コントローラーの詳細な調整を行うことができる。
アナログスティック
アナログスティックのデッドゾーンや、スティック曲線の調節が可能。
ボタン
▼コントローラーに搭載された豊富なボタンに対して、好みの機能を割り当てることが可能。
振動調節
▼左右のグリップで、それぞれ振動強度を調節可能。
マクロのカスタマイズ
コントローラー背面のM1/M2/M3/M4ボタンに割り当てるマクロを作成・変更することが可能。
▼各操作パターンに応じたマクロの設定も可能だ。
ファームウェアアップデート
▼コントローラーのファームウェアアップデートが可能。
その他の機能
▼その他、スティックやトリガーのキャリブレーションを行ったり、接続モードの切り替え、ステップ精度の設定も可能となっている。
以上の機能を利用することで、自身に最適な操作環境を実現できる。
長持ちするバッテリー
バッテリーに関して、約15時間は持続する。仮にバッテリー残量が低下した場合でも、Type-Cケーブルで有線接続すれば、充電しつつコントローラーを使用することが可能だ。
▼有線接続であれば、Type-C経由で充電を行った状態でプレイできるため、バッテリー切れをいちいち気にする必要が無い。
マクロを設定可能
本製品はマクロ機能を搭載しており、上述した公式ツールを使用せずとも、コントローラー本体で簡易的なマクロを組み、背面ボタンに機能を割り当てることができる。
機能割り当ての方法はいたって簡単だ。
まず正面のマッピングボタン+M1/M2/M3/M4ボタンを2秒間長押しし、FNインジケータがオレンジ色に点灯するとマッピング状態となる。
マクロを組みたいボタンの組み合わせを押した後、M1/M2/M3/M4ボタンを押すことでそのボタンにマクロが割り当てられる。FNインジケータがダブル点滅すれば、マッピング完了の合図だ。
あとは、設定済みのM1/M2/M3/M4ボタンを押すことで、マクロを利用できる。
設定方法が非常に簡単で、機能自体もかなり応用が利く。慣れればゲーミングがさらに快適になるだろう。
連射機能が用意
また、連射機能も用意されている。
連射ボタンを押しつつ設定したいボタンを押すことで、そのボタンに連射機能を付与できる。
逆に、連射ボタンを押しながらFNボタンを押すことで、連射機能を解除できる。
『BIGBIG WON BLITZ2 TMR』のまとめ
今回紹介した『BIGBIG WON BLITZ2 TMR』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 充実したインターフェース構成
- 有線接続(USB Type-C)、ワイヤレス接続(2.4G無線、Bluetooth)の3種類に対応
- 幅広いデバイスとの接続が可能
- 本格的なゲーミングに適したTMRスティックを搭載(TMR版)
- 専用アプリで高度な機能カスタマイズが可能
- 非常に快適な操作感
- 心地よい打鍵感
- 遅延やラグはまったく感じられない
- 長持ちするバッテリー
- 連射機能、マクロ機能など便利機能を豊富に搭載
悪かった点
- コンマ数秒以下の入力遅延を気にしないのであれば、通常版で十分
以上の通り、性能・持ち心地・カスタマイズ性のあらゆる点で非常に優れたゲーミングコントローラーとなっている。
操作インターフェースが非常に充実しており、どのようなジャンルのゲームに関しても対応可能。専用アプリ/ソフトウェアの利用で、スティックやトリガーのデッドゾーン設定、モーションコントロールのパラメータ調整、マクロ設定などの本格的な調整も可能だ。
何より、TMR版に搭載された「TMRスティック」の精度は実に高く、微妙な動きも逃さずゲーム内へ正確に反映される。特にFPSやTPSなどのシューティングゲームにおけるエイミング操作において、そのパフォーマンスを最大限に発揮するだろう。
Bluetooth/2.4Gによる無線接続時でも体感できるほどの遅延はないが、有線接続時には2000Hzのポーリングレートで、極めて低遅延な操作が可能。入力遅延は全く感じられず、操作がほぼリアルタイムでゲーム中に反映されていた。
一方で、通常版の操作感も十分に優れており、よほどコンマ数秒以下の入力遅延を気にする方でなければ、通常版を選んでも満足度の高いゲーミングが可能だろう。
交換用スティックや十字キーも同梱されており、パッケージ内容も含めて全体的に満足度の高いゲーミングコントローラーだ。
本気でゲーミングを楽しみたい方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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