数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「ACEMAGIC」は、Intel Twin Lake N150搭載の15.6インチ型ノートPC『ACEMAGIC TX15』を販売している。
CPUにはIntel Twin Lake N150を、グラフィック処理にはUHD Graphics 24EUを採用。16GB RAMと512GB SSDを備えるほか、カメラ&マイクを内蔵しており、一般的なビジネス用途から軽めのゲームまで、幅広い用途で活用できるモデルとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていく。
| ブランド | ACEMAGIC |
| 型名 | ACEMAGIC TX15 |
| OS | Windows 11 Pro (64bit) |
| ディスプレイ | 15.6インチ 低反射IPS |
| 解像度 | 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 60Hz |
| CPU | Intel Twin Lake N150 |
| グラフィックス | Intel UHD Graphics 24EU |
| メモリ(RAM) | 16GB DDR4 |
| ストレージ(ROM) | 512GB SATA SSD |
| 拡張性 | SSD換装:最大2TBまで TFカードスロット:最大128GBまで |
| 対応通信規格 | WI-FI 802.11ac、Bluetooth 5.0 |
| インターフェース | ・DC 充電端子 ・USB 3.2 Type-A×3 ・HDMI ・TYPE-C(データ専用) ・3.5mm端子 ・TFカードスロット |
| 搭載カメラ | 1280×720, 30fps HDウェブカメラ内蔵 ※フロントのみ |
| スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
| マイク | 内蔵 |
| バッテリー | 5,000mAh |
| バッテリー持続時間 | ・YouTube 720P再生で最大4時間 ・72時間の待機可能 |
| 本体サイズ | 35.1×22.9×1.68 cm |
| 本体重量 | 公称値:1.65kg 実測値:約1.617kg |
今回紹介する『ACEMAGIC TX15』は、Windows 11 Proを搭載した15.6インチ型のノートPC(ラップトップPC)だ。
低反射IPSスクリーンを採用した画面は1920×1080(FHD)解像度・60Hzリフレッシュレートに対応。見やすくて鮮やかな描画でコンテンツを楽しめる。
CPUにはIntel Twin Lake N150を採用。グラフィック処理用にはIntel UHD Graphics 24EUを備えており、一般的なPC作業(ウェブサイト閲覧や動画視聴)はもちろん、様々なアプリケーションを使用したオフィスワークまで、幅広い用途で活躍できる性能を備えている。
RAMは16GB DDR4を搭載。ストレージには512GB SATA SSDを採用。大量のデータを保存できるほか、本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能だ。なお、SSD換装で最大2TBまでストレージ容量を拡張できるほか、最大128GBまでのTFカード挿入にも対応している。
通信規格はWI-FI 802.11ac、Bluetooth 5.0をサポート。
本体サイズは35.1×22.9×1.68 cm、重量は1.65kgであり、十分に持ち運びやすいサイズ感となっている。
そして、筐体には豊富なインターフェースを搭載しており、複数のデバイスとの接続にも対応している。
【インターフェース構成】
- DC 充電端子
- USB 3.2 Type-A×3
- HDMI
- TYPE-C(データ伝送専用)
- 3.5mm端子
- TFカードスロット
HDMIポートが用意されており、外部ディスプレイに映像を出力することが可能。データ伝送専用のType-Cポートも備えており、幅広い用途で活用できるようになっている。
なお、ディスプレイ上部にはHDフロントカメラを搭載。マイクも内蔵されているため、これ一台でオンライン授業やウェブ会議の用意を整えることができる。
5,000mAhバッテリーを内蔵し、最大8時間の連続使用が可能。外出先に持参しても、一日中使用できる持続力を備えている。
十分に実用的な性能を備えつつ、通常価格は5万円台、Amazonページの割引込みで3万円台での購入が可能。コストパフォーマンスが優れた一台だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼パッケージ内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ACEMAGIC TX15本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- キーボードフィルム
▼キーボードフィルムが付属。キーボードの上に敷いて汚れやキズから保護できる。
▼電源アダプタは比較的コンパクトなサイズ
ノートPC本体
▼ノートPC本体の外観。シルバーを基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。指紋や手脂などの汚れが目立ちづらい素材で造られている。
▼底部には滑り止め用のゴム足が設けられているほか、スピーカー穴や排気口が用意。
▼ディスプレイを開いた状態。15.6インチ 低反射IPSスクリーンが現れる。
なお、ディスプレイを開く際には、本体下部をもう片方の手で押さえる必要があり、Macbookのように片手ではスムーズに開けることはできない。
ディスプレイ上部中央にはHDウェブカメラを内蔵。
▼キーボードとタッチパッドに加え、各種LEDインジケーターが用意。
▼左上には電源・CapsLock・テンキーロックの状態を示すLEDインジケーターが用意。
▼キーボードは英語配列。
▼右側には上部に電源キーが用意されているほか、テンキーも備わっている。
▼キーボードには付属フィルムを被せて、保護しながら使用することも可能。
▼タッチパッドの範囲は約8.7cm×約13cm。広めに設けられており操作しやすい。
▼内側も皮脂等の汚れに強く、綺麗な状態で気持ちよく利用し続けられる点が嬉しい。
ちなみに、ディスプレイ部は最大180度で展開可能。使用環境に応じた柔軟な角度調整に対応している。
▼筐体外観(360度)
携行しやすいサイズ感&重量
筐体サイズは35.1×22.9×1.68 cm。閉じた状態の最も薄い部分が1.68cmであり、底部の厚みを含めた実質的な厚みは約2cmほどある。
▼薄型とは言いづらいものの、携帯性を損なわない厚み
▼本体重量は実測で約1,617g。
重量に関しても超軽量と言える部類ではないものの、携行性を損なわない程度の重さとなっている。
▼片手でも難なく持ち運び可能。
▼女性や子供でもラクラク持ち運べるサイズ感。
一般的なビジネスリュックにも難なく入る。ノートPC用のカバンを別途用意する必要がないため、手持ちの荷物を減らすことができて嬉しい。
インターフェース構成
続いて本体インターフェースについて見ていく。
▼右側面には、マイクロSDカードスロット、USB Type-A 3.2 Gen 1×2、3.5mmイヤホンジャックが用意。
▼左側面には、DC電源ポート、Type-C(データ転送)、HDMI 2.0、USB Type-A 3.2 Gen 1が用意。
以上の通り、充実したインターフェース構成となっている。
HDMIポートが用意されており、外部ディスプレイに映像を出力することが可能。フル機能対応のType-Cポートも備えており、幅広い用途で活用できるようになっている。
ノートPCの起動&基本スペック情報
キーボード右上の電源キーを長押しすることで、PCの電源が起動する。
SSDを搭載しているため、OSの起動はスムーズ。電源を入れてから20秒も経たずにデスクトップ画面が表示される。
▼映像出力情報。1920×1080解像度、60Hzリフレッシュレートに対応。
▼ストレージは、デフォルトの状態で437GB分が使用可能領域となっていた。
▼PCのバージョン情報
初回起動時の推奨設定
ACEMAGIC TX15のキーボードは英語配列であり、起動時には「かな入力」がデフォルトでオンになっているため、キーボード設定の見直しを推奨する。
「設定」⇒「アクセシビリティ」⇒「キーボード」⇒「言語と地域」から、日本語の「言語のオプション」にアクセスする。
そしてキーボードレイアウトを確認し、「英語キーボード(101/102キー)」を選択する。
続いて日本語の「言語のオプション」⇒「Microsoft IME」⇒「キーボードオプション」から「全般」を選択し、入力設定で「ハードウェアキーボードでかな入力を使う」をオフにする。
上記の設定により、普段から日本語は配列キーボードに慣れ親しんでいる方でも、スムーズなキーボード入力が可能になるだろう。
▼半角/全角切替は、「Altキー」+「~キー」の同時押しで切り替えることができる。
各種ベンチマークテスト結果
各種ベンチマークテストを実施した結果について紹介する。
PCMARK10(有料版)のテスト結果
PCMARK10(有料版)のテスト結果は以下の通りとなった。
▼PCMARK10(有料版)のスコア結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 3,037 |
| Essentials | 6,132 |
| Productivity | 4,620 |
| Digital Content Creation | 2,684 |
いずれもエントリークラスのノートPCとしては標準的なスコア結果と言える。
ウェブサイト閲覧や動画視聴、文書作成などの軽作業に支障はないが、高負荷アプリやマルチタスクにはやや厳しい。
日常用途や事務作業に向いたライトユース向けノートPCと言える。
| 項目 | スコア範囲 | 性能目安 |
| 総合スコア | 2,500~3,000 | エントリーレベル。基本操作は問題ないが、負荷の高い作業は難しい。 |
| 3,500~4,000 | 中級レベル。日常作業と軽いクリエイティブ作業には十分。 | |
| 4,500以上 | 上級レベル。高度なマルチタスクやクリエイティブ用途に適している。 | |
| Essentials | 4,100以上 | ウェブブラウジング、アプリケーションの起動、ビデオ会議など、日常的な操作に必要なスコア。 |
| Productivity | 4,500以上 | ワープロ、表計算、データ処理などのオフィス作業に適した性能。 |
| Digital Content Creation | 3,450以上 | 真編集、動画編集、3Dレンダリングなど、クリエイティブ作業に求められる性能。 |
CrystalDiskMarkのテスト結果
CrystalDiskMarkでのテスト結果は以下の通り。
▼CrystalDiskMarkのテスト結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 558.88 | 456.02 |
| SEQ1M Q1T1 | 460.12 | 423.94 |
| RND4K Q32T1 | 162.26 | 144.18 |
| RND4K Q1T1 | 18.17 | 63.49 |
SATA SSDとしては標準的な速度であり、日常用途(起動、ファイル保存、動画再生など)においては不満のないパフォーマンスだ。ただし、NVMe SSDと比べるとランダムアクセス性能が低いため、複数の重たいアプリを同時に扱う用途には不向きと言える。
ライトな作業を快適にこなすぶんには問題ないだろう。
| 項目 | Read目安値 | Write目安値 |
| SEQ1M Q8T1 | 500~550 MB/s | 450~500 MB/s |
| SEQ1M Q1T1 | 450~520 MB/s | 400~480 MB/s |
| RND4K Q32T1 | 250~350 MB/s | 200~300 MB/s |
| RND4K Q1T1 | 30~50 MB/s | 20~40 MB/s |
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果は以下の通り。
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 8.9 |
| メモリ(RAM) | 8.9 |
| グラフィックス | 6.8 |
| ゲーム用グラフィックス | - |
| プライマリディスク | 8.2 |
全体的にバランスの取れたスコア結果となった。CPUとメモリ性能が高く、普段使いには快適。グラフィック性能は控えめなため、動画編集や3Dゲームには向かないものの、ビジネス用途や学習用としてはコスパが非常に良い。
ストレージ速度も十分で、普段の動作はストレスなく行えるだろう。
| 項目 | 推奨スコア値 | 説明 |
| プロセッサ(CPU)性能 | 6.0以上 | 日常作業(オフィス、ウェブ会議)や軽いマルチタスクが快適に動作。8.0以上なら動画編集もスムーズ。 |
| メモリ(RAM)性能 | 5.5以上 | 6.5以上なら仮想環境や高負荷作業にも対応可能。 |
| グラフィックス | 5.5以上 | デスクトップ操作や基本的なビジュアルタスクがスムーズ。高解像度環境では6.5以上を推奨。 |
| ゲーム用グラフィックス | 6.0以上 | 軽い3Dゲームや3Dモデリング作業に十分対応可能。7.0以上なら負荷の高い作業も快適に動作。 |
| プライマリディスク | 6.5以上 | SSD搭載で達成可能。OS起動やアプリ立ち上げが高速化。NVMe SSDなら7.5以上が期待できる。 |
CINEBENCH 2024のテスト結果
CINEBENCH 2024でのテスト結果は以下の通り。
シングルコア:57pts、マルチコア:167pts のスコア結果となった。
シングルコア、マルチコアともに控えめであり、ウェブサイト閲覧や動画視聴、文書作成などの軽作業には問題ないが、CPU単体の性能が求められる処理(重いソフトの操作、動的Web描画など)では、遅さを感じることがあるかもしれない。
社会人がメインPCとして本格利用するよりも、コスパ重視のサブPCや、学生の学習用端末としての運用に向いていると言える。
| シングルコアスコア範囲 | マルチコアスコア範囲 | 性能クラス | 用途の目安 |
| 1,500以上 | 15,000以上 | 最上級(ワークステーションクラス) | 4K/8K動画編集、大規模3Dレンダリング、AI/機械学習 |
| 1,200~1,500 | 10,000~15,000 | ハイエンド | AAAゲーム、4K動画編集、重いマルチタスク作業 |
| 900~1,200 | 7,000~10,000 | アッパーミドル | ゲーミング、動画編集、配信、開発用途 |
| 700~900 | 4,000~7,000 | ミドルクラス | Office作業、軽めの動画編集、普段使い |
| 500~700 | 2,000~4,000 | エントリークラス | ブラウジング、文書作成、動画視聴 |
| 500未満 | 2,000未満 | ローエンド/旧世代 | 非常に軽い作業限定(ネット・メール等) |
3DMark(有料版)のテスト結果
3DMark(有料版)を使用して、各種ベンチマークテストを実行した結果は以下の通り。
CPUプロファイル
▼CPUプロファイルのスコア結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 1,287 |
| 16スレッド | 1,265 |
| 8スレッド | 1,265 |
| 4スレッド | 1,259 |
| 2スレッド | 762 |
| 1スレッド | 410 |
「高性能」よりも「安定して省電力に動く」ことを重視したCPUだと言える。ウェブサイト閲覧やOffice作業など、軽負荷作業に限定すれば問題はないが、動画編集、3D処理、開発用途などには向かない。
用途を限定すれば十分に使えるだろう。
Night Raid
▼Night Raidのスコア結果
| 項目 | スコア |
| Night Raidスコア | 5,297 |
| グラフィックスのスコア | 5,802 |
| CPUスコア | 3,550 |
全体的に、価格相応といえるスコア結果となっている。
Minecraft (Java版)などの軽負荷PCゲームであれば、設定次第で遊ぶこと自体は可能だろう。
Time Spy
▼Time Spyのスコア結果
| 項目 | スコア |
| Time Spyスコア | 461 |
| グラフィックスのスコア | 405 |
| CPUスコア | 2,269 |
エントリークラスのノートPCとしては想定通りの結果だ。
グラフィック性能は映像出力・2D描画・動画再生レベルにとどまり、本格的な3Dゲームや処理には適していない。
普段使い・事務用途・教育向けには十分だ。総じて「価格を抑えて日常作業ができるノートPC」としての立ち位置が明確なノートPCとなっている。
一般的なPC作業はスムーズにこなせる
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼スムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
▼FHD(1920×1080)解像度のディスプレイでは、小さな文字まで明瞭に描画されて見やすい。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼動画再生中にカクつくを感じたり、途中で再生が止まることはなかった。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。同時に複数ウィンドウを開いた状態でのマルチタスクも問題なし。
また、左側面に用意されたHDMIポートを利用し、外部ディスプレイに映像を出力した場合でも、動作に支障をきたすことはなかった。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)を快適にこなせる性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にノートPC購入を検討している方にも、満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
映像は十分に綺麗
1920×1080(FHD)解像度に対応した、15.6インチ 低反射IPSスクリーンで描画される映像は十分にクリアであり、ウェブサイト閲覧時や資料作成時でも、細かな文字まで読みやすかった。
低反射パネルにより、反射や映り込みが抑えられており、目が疲れづらい点もGOOD。
▼視野角も広く、角度をつけて画面を観た場合も、視認性が大きく損なわれることはない。
▼ベゼル幅は上部が約1cmほど。左右が約7mmほど。薄ベゼルとは言い難いが、気になるほどの厚みではない。
普段から有機ELディスプレイを見慣れている眼で観ると、発色はやや薄い印象を受けるものの、一般的な映像視聴には十分なレベルだ。ただ、色再現度を重視するクリエイティブ用途での使用は厳しいかもしれない。
▼映像視聴の様子
ディスプレイ映像に関しては、一般的な作業用途から動画視聴には支障のない品質だと言える。
なお、デジタルルクスメーター「Vici LX1336B」を使用して、日常的に使用する平時の輝度を測定してみた。
明るさを最大に設定した際の、画面中央の輝度は最高230nitsであった。
屋内での一般的な作業には問題ない明るさではあるものの、日差しの強い場所や窓際ではやや見づらさを感じるシーンもあるかもしれない。
スピーカー品質は及第点
内蔵スピーカーの品質について確認してみた。
▼サウンド品質確認の様子①
▼サウンド品質確認の様子②
本製品はステレオスピーカーを内蔵しているが、ボリュームを最大まで上げた場合でも、音圧はそこまで強くない。
中~高音域に関してはクリアに出力できている一方で、低音に関してはほとんどつぶれてしまっていた。
音質は及第点レベルと言ったところだ。普通に映像を視聴する分には問題ないが、迫力のあるサウンド体験は期待できないだろう。
満足度の高いサウンドを楽しみたい場合は、3.5mmジャックを利用して、イヤホンや外付けスピーカー等を接続することをオススメしたい。
軽快にタイピングできるキーボード
ACEMAGIC TX15のキーボードは全体的にタイピングしやすい設計で、各キーがやや大きめに作られているため、打鍵ミスが少なく快適に入力できた。キーの押下圧は軽めで、ストロークも浅めなため、長時間のタイピングでも指が疲れにくい。
キー表面の質感にはややチープさが感じられるものの、手脂などの汚れが目立ちにくい素材が使われており、清潔感を保ちやすい点は好印象だ。
▼タイピングの様子
▼タッチパッドの手触りもツルツルとして心地よい。
打鍵音は比較的控えめで、静かな環境でも気になりにくい。ただし、完全な静音タイプではないため、図書館など音に気を付ける必要のある場所や、深夜に家族が就寝中のそばで使用する際には、多少の注意が必要かもしれない。
テンキーが用意
キーボード右側にはテンキーが用意されている。
「Fnキー」+「F12キー」の同時押しで、テンキーロックのオン/オフが可能。テンキーを利用しない場合はロックしておくことで、ご入力を避けることができる。
▼ロック中は、中央右側のLEDランプが点灯。
ウェブカメラ&マイク内蔵、これ一台でオンライン通話が可能
本製品はウェブカメラ&マイクを内蔵しており、これ一台でオンライン通話の準備を整えることができる。
フロントカメラは1280×720解像度・30fpsに対応。画質は比較的クリアだが、フレームレートが低めであり、激しく動くと残像がやや目立つ。ただし見づらさを感じるレベルではなく、十分に実用的なカメラ品質だと言える。
なお、上位機種『ACEMAGIC LX15PRO』のようなプライバシーカバーは備わっていない。
▼内蔵カメラの録画映像
また、内蔵マイクの品質についても確認してみた。
▼内蔵マイクで収録した音声
上動画は、スマホで撮影した映像の音声を、ACEMAGIC TX15の内蔵マイクで収録した音声に置き換えたものだ。
周囲の環境音(空調ノイズ)まで拾われているものの、普通に通話するには十分に優れたマイク性能となっている。話者の発言内容がクリアに拾い上げられており、聴き取りやすい。
▼ACEMAGIC TX15の内蔵マイクで拾った音声単体
ウェブ会議やオンライン授業にも利用しても問題のないカメラ&マイク品質となっている。
ゲーミング性能について確認
ゲーミング性能についても確認してみた。
ドラゴンクエスト10のベンチマークテスト
実際にゲーミング性能を確認すべく、まずは「ドラゴンクエスト10(DQ10)」のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質 & 低品質
- フルスクリーン
フルHD解像度・フルスクリーンでテストを実行したが、標準品質の場合は2,423点で「やや重い」、低品質の場合は4,305点で「普通」という結果となった。
ドラクエ10レベルのMMORPGであれば、画質設定を調整することで、最低限のパフォーマンスで遊ぶことができるだろう。
ファイナルファンタジー14のベンチマークテスト
続いて、『ファイナルファンタジー14(FF14)』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(ノートPC)
- フルスクリーン
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア1,853点、評価は "設定変更が必要" であった。
さすがにFF14クラスのPCゲームを遊ぶのは難しいという結果に。
中クラス以上の負荷のゲーミングは厳しいが、低負荷タイトルであれば、設定次第で遊ぶこと自体は可能だろう。
優れた静音性&放熱性
レビュー時には本製品を5時間ほど連続使用したが、熱によるパフォーマンスへの影響は一切感じられなかった。
▼5時間ほどPCを稼働させ続けた際の内部温度(CPUID HWMonitorによる測定値)。
CPU温度に関しては最高でも50℃に収まっており、非常に安定している。ストレージ温度も低温を保っており、パフォーマンスへの影響はまったく体感できなかった。ウェブ閲覧や軽作業中の温度としては適正で、排熱設計は十分。夏場でも安心して使えるレベルだ。
▼PC底部はやや熱を持つものの、決して高音ではない。ただ低音ヤケドの危険もあるため、膝上へ直に置いて長時間使用するのは避けた方が良いだろう。
ファンの回転音については、ベンチマークテストの実行や大容量アプリケーションのインストールなど、負荷が大きくかかる場面では、音が多少大きめになる。
ただし、動画視聴や軽作業といった一般的な用途であれば、作業中に気になるほどの騒音は発生せず、快適に使用できた。
▼5時間連続使用時のPC稼働音の確認
※環境音(空調音)を多少拾ってしまっている点にご容赦願いたい。
高負荷な処理は苦手ながらも、発熱・静音性に優れた日常使い特化型ノートPCであることが分かる。
まとめ:『ACEMAGIC TX15』の良かった点・悪かった点
今回紹介した『ACEMAGIC TX15』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- リーズナブルな価格
- 512GB SSD内蔵
- SSD換装&TFカード対応
- 豊富なインターフェース
- 眼に優しい低反射IPSディスプレイ
- ウェブカメラ・マイク内蔵で、これ一台でウェブ会議やオンライン授業の準備を整えることが可能
- タイピングしやすいキーボード
- 優れた静音性&放熱性
- スタイリッシュなデザイン
悪かった点
- GPU性能は控えめ(動画編集や中負荷以上のゲーミングには不向き)
- 英語配列キーボード
- 内蔵スピーカーの品質は最低限レベル
以上の通り、『ACEMAGIC TX15』は日常的な作業やオンライン学習、ウェブ会議、動画視聴などの用途において、非常にバランスの取れた性能を発揮するエントリーモデルのノートPCとなっている。
CPUやグラフィックス性能は控えめながらも、16GBメモリと512GB SSDの構成、使いやすいFHDディスプレイ、豊富なポート類、そして軽快な操作感により、「普段使いで困らないノートパソコン」を求める多くの方にとって有力な選択肢となるだろう。
特に、3万円台(割引後価格)から手に入るという圧倒的な価格の安さは非常に魅力的で、「低価格でもストレスなく使えるPCがほしい」「子ども用やサブ機として導入したい」「学生として初めてのPCを持ちたい」といったニーズにもマッチする。
もちろん、ゲーミングや高度なクリエイティブ作業には向いていないが、文書作成・調べ物・オンライン通話といった軽作業に限れば、十分に快適なパフォーマンスを提供してくれる。むしろ、ゲーミングに適していないことが、子どもがゲームに気を取られるのを防ぐという点では、かえって利点と捉えることもできるだろう。
パソコン初心者やコスパを重視している方にとって、ACEMAGIC TX15は価格以上の満足感を得られる、完成度の高い一台だと感じた。
実用的な性能を備えつつ、価格が抑えられたエントリーノートPCを探している方は、ぜひ選択肢のひとつとしてチェックしてみてはいかがだろうか。
▼こちらの記事もオススメ
-
-
『ACEMAGIC LX15PRO』レビュー、Ryzen 7搭載ノートPC、高性能×低価格の最強コスパ機
数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「ACEMAGIC」は、Ryzen7 5700U搭載の15.6インチ型ノートPC『ACEMAGIC LX15PRO』を販売している。 CPUにはAMD Ryzen ...
続きを見る
-
-
『ACEMAGIC S1 N100』レビュー | ミニスクリーン搭載の高コスパ小型デスクトップPC
数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「ACEMAGIC」は、ミニスクリーン搭載、雰囲気照明機能付きのミニPC『ACEMAGIC S1 N100』を販売している。 リーズナブルな価格に対して実用的なパ ...
続きを見る











































































































