数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「MINISFORUM(ミニスフォーラム)」(中国)は、Intel Core i7-12800Hを搭載した高性能ミニPC『MINISFORUM NAB8 Plus』を販売しています。
MINISFORUM NAB8 Plusは、Intel Core i7-12800Hと32GBメモリ、1TB SSDを搭載した高性能ミニPCです。小型ながらUSB4やHDMI2.1、2.5GbE LAN×2、Wi-Fi6Eなど最新インターフェースを備え、拡張性と通信性能に優れています。
内蔵GPUには「Intel Iris Xe Graphics G7 (96EU)」を採用。重い3Dゲームには不向きですが、Fortnite(フォートナイト)など軽量タイトルや普段使いには十分。省スペースでパワフルな作業環境を求める方に最適な1台です。
こんな方におすすめ!
- 小型ながら高性能なミニPCを求めている方
- 軽めのゲームやeスポーツタイトルを遊びたい方
- ビジネスや普段使いで安定性を重視する方
- 実用的な性能を、できるだけ価格を抑えて手に入れたい方
今回、メーカーから本製品(32GB+1TBモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想をレビューしていきます!
▼YouTubeにショート動画を投稿しました!製品の使用感は動画でも確認できます。
MINISFORUM NAB8 Plus|高性能ミニPCのスペック&仕様
| ブランド | MINISFORUM |
| 型名 | NAB8 Plus |
| OS | Windows 11 Pro (64bit) |
| CPU | Intel Core i7-12800H |
| グラフィックス | Intel Iris Xe Graphics G7 (96EU) |
| RAM | 16GB/32GB DDR4-3200MHz ※最大32GBまでの拡張可能 |
| ストレージ | 1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD ※最大4TBまでの拡張可能 |
| 対応通信規格 | Wi-Fi6E、Bluetooth 5.2、2.5Gbps有線LAN |
| インターフェース | 【前面】 ・電源ボタン ・3.5mmオーディオジャック ・USB 3,2 Gen 2 Type-A×2 ・DMIC 【背面】 ・USB 2.0 Type-A×2 ・HDMI ・OCulink ・2.5Gbps LAN(RJ45)×2 ・DP ・USB 4 Type-C ・DC電源ポート |
| 本体サイズ | 12.8×12.8×5.2cm(実測値) |
| 本体重量 | 約587g(実測値) |
▼MINISFORUM NAB8 Plus実機(32GB+1TBモデル)のバージョン情報
MINISFORUM「NAB8 Plus」と「NAB9」の比較
NAB8 Plusより1年ほど先にリリースされた上位モデルとして、「MINISFORUM NAB9」が存在します。
NAB8 Plusとは兄弟モデルと言えますが、スペック構成には差があります。
▼スペック比較表(共通項目は省略)
※価格はセール期間など、時期によって異なります。
NAB9の方がCore i9-12900HKを採用しているぶん、ハイパフォーマンス寄りです。ただし、そのぶんNAB8 Plusとのあいだには、おおむね1万円前後の価格の開きがあります。
動画編集や大容量データ保存にも備えたいなら「MINISFORUM NAB9」を、コスパ重視なら「MINISFORUM NAB8 Plus」を選ぶと良いでしょう。
MINISFORUM NAB8 Plusの付属品・パッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧
- MINISFORUM NAB8 Plus本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- VESAマウント&ネジ
- SATAケーブル
- ユーザーマニュアル
- HDMIケーブル
VESAマウント&ネジが付属しており、モニター裏に取り付けることで、デスク周りをさらに省スペース化できます。
電源アダプタは比較的コンパクトなサイズで邪魔になりません。
MINISFORUM NAB8 Plus本体の外観・デザイン
MINISFORUM NAB8 Plusの本体サイズは、実測で12.8×12.8×5.2cmとコンパクト。全体的にシルバーを基調としたシンプルなデザインで、デスク上に設置しても悪目立ちすることはありません。
筐体の手触りはサラサラしており、指紋や皮脂などの汚れが目立ちづらいです。
片手に載せられるほどのサイズ感で携行性もGOOD。カバンなどに入れて外出先へ気軽に持ち運ぶことも可能です。
底部の四隅にはゴム脚が備わっているほか、換気用の穴が無数に空いています。また、VESAマウント取り付け用の穴も用意されています。
本体重量は、実測で約587g。一般的なデスクトップPCと比べるとはるかに軽量です。
▼筐体外観(360度)
小型デザインのおかげで、実際にデスク上に設置してもスペースを取らず、邪魔には感じません。
マウスと並べると、ミニPCの小ささが際立ちます。
MINISFORUM NAB8 Plusのインターフェース構成
MINISFORUM NAB8 Plusのインターフェースについて見ていきます。
正面には電源ボタン、3.5mmオーディオジャック、USB 3,2 Gen 2 Type-A×2、DMICが用意。
左右両側面には吸排気用の穴が空いています。
後部には、USB 2.0 Type-A×2、HDMI、OCulink、2.5Gbps LAN(RJ45)×2、DP、USB 4 Type-C、DC電源ポート、ケンジントンロック穴が用意。
限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっています。
HDMIポート、DisplayPort、USB 4 Type-Cポートを併用することで、最大3画面同時出力が可能です。
また、OCulinkポートを利用して、外部の高速ストレージデバイス(SSDなど)を接続したり、外部GPU(グラフィックカード)を接続してグラフィック処理性能を向上させることができます。
▼MINISFORUMミニPC対応の公式ドッキングステーション
MINISFORUM NAB8 Plusの拡張性
MINISFORUM NAB8 Plusの上部フタの端を押すことで、天板を簡単に取り外すことができます。
最大32GBまでのRAM拡張、および最大4TBまでのSSD増設をサポート。拡張スロットへ簡単にアクセスできる点は便利です。
なお、内蔵ストレージは初期状態で852GB分が使用可能領域となっていました。
MINISFORUM NAB8 Plusのベンチマークテスト結果
MINISFORUM NAB8 Plusで、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 9.4 |
| メモリ(RAM) | 9.4 |
| グラフィックス | 8.3 |
| ゲーム用グラフィックス | - |
| プライマリディスク | 9.6 |

CrystalDiskMarkの結果
▼CrystalDiskMarkの実測結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 4044.35 | 1386.98 |
| SEQ1M Q1T1 | 2130.36 | 3055.07 |
| RND4K Q32T1 | 692.99 | 557.08 |
| RND4K Q1T1 | 54.41 | 344.49 |

PC MARK10の結果
▼PC MARK10の実測結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 5,730 |
| Essentials | 9,814 |
| Productivity | 6,984 |
| Digital Content Creation | 7,453 |

Cinebench2024の結果
▼Cinebench2024の実測結果
| 項目 | スコア |
| シングルコア | 104 pts |
| マルチコア | 716 pts |

3D MARKの結果
Time Spy&Night Raid

CPUプロファイル
▼CPUプロファイルの実測結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 6,030 |
| 16スレッド | 5,890 |
| 8スレッド | 4,975 |
| 4スレッド | 3,565 |
| 2スレッド | 1,920 |
| 1スレッド | 968 |

Storage Benchmark
▼Storage Benchmarkの実測結果
| Storage Benchmark 結果 | ||
| 総合スコア | 2,918 | |
| 各テスト項目の詳細 | ||
| テスト内容 | 帯域幅(MB/s) | アクセス時間(μs) |
| Battlefield Vを読み込む | 792.65 | 99 |
| Call of Duty: Black Opsを読み込む | 769.49 | 100 |
| Overwatchを読み込む | 393.66 | 71 |
| ゲームをインストール | 254.09 | 54 |
| ゲームを録画 | 219.09 | 39 |
| ゲームを保存 | 244.82 | 30 |
| ゲームを移動 | 2805.64 | 94 |

普段使いは非常に快適
MINISFORUM NAB8 Plusでウェブサイトを閲覧したり、動画サイトを視聴して、普段使いの快適さを検証しました。
なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100fpsで出力しています。
まずはウェブサイト閲覧時について。
画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。
一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることは無いでしょう。
続いて、YouTubeやネットフリックスなどで動画を視聴してみました。
最高4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、快適に視聴できました。
そしてOfficeソフト等を用いた作業について。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。
Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。
なお、3画面同時出力の場合でも、処理パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
総じて、日常的な利用シーンでの使用感は快適で、性能不足を感じる場面はありませんでした。
軽めのPCゲームであればプレイ可能
本機は内蔵GPUに「Intel Iris Xe Graphics G7 (96EU)」を採用しており、AAA級の重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しいものの、軽めのPCゲームであれば十分楽しめる性能を備えています。
DQ10のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 最高品質
- フルスクリーン
ドラゴンクエストX (DQ10)でベンチマークテストを行った結果、スコアは10,095点で "とても快適" という結果が得られました。
MMORPG系でも、DQ10のようなライトタイトルであれば快適に遊べることが分かります。
FF14のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップ) / 高品質(デスクトップ)
- ウィンドウモード
ファイナルファンタジーXIV (FF14)では、高品質・標準いずれの設定でも「普通」の評価となりました。設定を調整すれば、FF14レベルの大規模MMORPGでも基本的なプレイ自体は問題ありません。
フォートナイトを実際にプレイしてみた
実際にフォートナイトをプレイしたところ、序盤のプレイヤーが密集する場面では一時的にフレームレートが落ちることがありましたが、それ以外では概ね100fps前後を維持 できていました。
▼フォートナイトをプレイする様子
3D解像度を64%程度に落とした状態でプレイしましたが、描画は安定しており、操作レスポンスも良好で、実用的には十分スムーズに遊べるレベルです。
▼十分に1位を狙えるパフォーマンス
内蔵GPU搭載ミニPCとしては十分に健闘しており、画質設定を低~中程度に調整すれば、eスポーツタイトルとしてのフォートナイトでも快適にプレイ可能できることが確認できました。
その他PCゲームのパフォーマンス予測
3DMarkのNight Raidの実測結果より推定される、各タイトルにおける『MINISFORUM NAB8 Plus』のゲームパフォーマンス予測値(平均フレームレート)を、参考までに掲載します。
▼パフォーマンス予測値
| ゲームタイトル |
平均フレームレート予想値 | |
| 1440p Ultra | 1080p Ultra | |
| 30 FPS未満 | 40+ FPS | |
| 35+ FPS | 95+ FPS | |
| 20 FPS未満 | 145+ FPS | |
| 20 FPS未満 | 30 FPS未満 | |
| 30 FPS未満 | 170+ FPS | |
以上の通り、解像度を1080pまで落とせば、人気PCゲームをそこそこ快適なパフォーマンスで遊ぶことができると予想されます。
優れた静音性&放熱性能
計5時間ほど、各種ベンチマークテストや日常利用におけるパフォーマンスを確認した後、本機の熱をHWMonitorで確認したところ、CPU温度は最大で70℃前後、GPU温度も54℃程度に収まっており、冷却システムがしっかり機能していることが確認できました。
特にEコアの温度は常時50℃前後と安定しており、熱暴走の兆候は見られませんでした。
また、SSDや内蔵グラフィックスの温度も50℃前後にとどまっており、ストレージやGPUに過剰な熱負荷がかかっていない点も安心です。
静音性に関しても優秀で、5時間連続稼働後でもファン音は非常に静か。高負荷時にこそファンの回転音が大きくなることはあるものの、その後は静音状態に戻ります。
オフィス作業や動画視聴時には耳を近づけてもほとんど気にならないレベルでした。
▼稼働音の確認
※録音には空調音も入っています。ご容赦ください。
静音性&放熱性能のいずれも優れており、安心して長時間の作業用途に利用できるミニPCであると言えます。
MINISFORUM NAB8 Plusの良かった点・悪かった点
今回紹介した『MINISFORUM NAB8 Plus』について、特長をまとめると以下の通りです。
良かった点
- 省スペース&持ち運びやすいデザイン
- 処理性能が高く、普段使いやビジネス作業は快適
- NVMe SSD搭載で読み書き速度が非常に高速
- USB4をはじめ、豊富な最新インターフェース搭載
- 拡張スロットへのアクセスが容易
- 静音性・放熱性能に優れ、長時間稼働でも安定して動作
- 軽めのPCゲームなら設定調整で快適にプレイ可能
悪かった点
- AAA級の重量級3Dゲームや高負荷グラフィック処理には不向き
- RAMの上限が32GBとやや制限あり
よくある質問(FAQ)



総評:省スペースで高性能、かつ静音性・冷却性にも優れたミニPC
『MINISFORUM NAB8 Plus』は、コンパクトな筐体にIntel Core i7-12800H・大容量メモリ・高速NVMe SSDを搭載した、実用性の高いミニPCです。
日常的なウェブブラウジングやOffice作業はもちろん、動画視聴や軽めのクリエイティブ作業まで快適にこなせます。さらに、豊富なインターフェースや最大3画面出力対応により、ビジネス用途やマルチタスク環境でも頼れる存在です。
一方、軽量ゲームやeスポーツタイトルは設定次第で快適に遊べますが、AAA級の重量級ゲームや本格的な3D制作用途には不向きです。ただし、OCulink経由で外部GPUを追加すれば対応できる余地も残されています。
総じて、本機は 「省スペースで高性能、かつ静音性・冷却性にも優れたミニPCを探している方」 に強くおすすめできるモデルです。
特に、自宅やオフィスでの作業環境を効率化したい人や、軽いゲームも楽しみたいユーザーには最適な一台と言えるでしょう!
▼YouTubeにショート動画を投稿しました!製品の使用感は動画でも確認できます。
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