数々のウェアラブルデバイスをリリースしてきたQCYから、カナル型の最新ワイヤレスイヤホン『QCY MeloBuds N70』が登場しました。
通常販売価格は7,984円(税込)。
MEMS+10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成と、ハイレゾ認証を受けたLDAC対応により、迫力ある低音から繊細な高音まで楽しめるイヤホンです。
バッテリー性能も優秀で、イヤホン単体で約10時間、ケース併用で約50時間の再生が可能。ワイヤレス充電にも対応し、利便性にも優れています。
こんな方におすすめ!
- 1万円未満で高音質なイヤホンをさがしている方
- 騒がしい環境でも集中して過ごしたい方
- 長時間・幅広いシーンで安心して使いたい方
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
『QCY MeloBuds N70』のスペック・仕様表
| ブランド | QCY |
| モデル名 | QCY MeloBuds N70 |
| 製品型番 | BH25HT18A |
| カラー | チタンゴールド、パープル、ブラック |
| 防水仕様 | IPX5 |
| 対応通信規格 | Bluetooth6.0 |
| タイプ | カナル型 |
| ドライバー | MEMSドライバー+10mmダイナミックドライバー(ハイブリッド) |
| 対応コーデック | LDAC(ハイレゾ認証取得、最大990kbps / 24bit 96kHz) |
| 対応プロファイル | HFP/A2DP/AVRCP |
| バッテリー容量 | イヤホン:46mAh 充電ケース:490mAh |
| 連続使用時間 | 通話:約5時間 音楽再生(イヤホン単体):約10時間(ANCオフ)/約7時間(ANCオン) 音楽再生(イヤホン+充電ケース):約50時間(ANCオフ)/約35時間(ANCオン) |
| 充電時間 | 約2時間 |
| 急速充電 | 対応(充電10分で約2時間分の再生が可能) |
| 充電端子 | Type-C(ワイヤレス充電サポート) |
| 空間オーディオ | 対応 |
| 対応アプリ | QCY |
| 低遅延モード | 対応 |
| マルチポイント接続 | 対応 |
| マイク | 計6基のAIノイズリダクションマイク内蔵 |
| 重量 | イヤホン単体:約5.28g (実測値) イヤホン+充電ケース:約48.68g |
参照元:QCY公式サイト(QCY MeloBuds N70 製品ページ)
『QCY MeloBuds N70』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- 充電ケース
- イヤホン本体(左右)
- ユーザーマニュアル
- USB Type-Cケーブル
- 交換用イヤーチップ (計5種類)
すでにイヤホンに装着されているものを含め、計5種類のイヤーチップが付属。耳穴の大きさに合わせてサイズを調節できます。
持ち運びやすいコンパクト充電ケース|48gの軽さが魅力
パッケージには、収納とイヤホンの充電器を兼ねた充電ケースが付属します。Type-C有線充電およびワイヤレス充電に対応。
▼充電ケースの外観。
充電ケースは手のひらに収まるほどのコンパクトサイズ。丸みを帯びたデザインで可愛らしさもあります。
ケース表面は光沢の少ないマットな質感。ベタベタと触れても指紋や皮脂汚れが目立ちづらいので、綺麗な状態で使い続けられます。
ケース&イヤホン込みの総重量は、実測で約48gと非常に軽量。
厚みも薄く、ズボンのポケットなどに入れても支障なく持ち運べます。
ケース下部には充電用Type-Cポートとペアリングボタンが用意。
ケースのフタをパカっと開けると、両耳のイヤホンがスッポリ収まっています。
このように、充電ケース自体は無駄のないシンプルなデザインとなっています。
軽量で長時間の装着に適したカナル型イヤホン
イヤホン本体はシンプルなカナル型デザイン。
イヤホン単体は、実測で約5.28gと非常に軽量。
イヤーチップは、付属の交換用チップと簡単に付け替えることが可能。
側面にはタッチ式の操作パネルを内蔵。左右イヤホンのタッチパネルを利用して、各機能へ瞬時にアクセスできます。
「QCY MeloBuds N70」と「AirPods Pro」のサイズ比較
「QCY MeloBuds N70」(画像右)と「AirPods Pro」(画像左)を並べ、サイズを比べてみました。
ケースサイズはAirPods Proの方が若干大きめですが、イヤホン本体サイズはQCY MeloBuds N70の方が若干大きめです。
ただ、大きさと重さ的には、AirPods Proと比べほとんど差はありませんでした。
普段からカナル型イヤホンを使い慣れている方であれば、違和感なく装着できるでしょう。
QCY MeloBuds N70の接続方法(ペアリング手順)
『QCY MeloBuds N70』はBluetooth 6.0によるワイヤレス接続に対応しており、接続(ペアリング)方法はいたってシンプル。
充電ケース下部のペアリングボタンを長押しするとインジケーターが点滅し、すぐにペアリングスタンバイ状態となります。
するとデバイス側で "QCY MeloBuds N70" が表示されるので、選択することで接続(ペアリング)が完了します。
わずか2ステップで接続が完了。
次回以降は、ケースのフタを開くだけで自動的に接続されるようになるため、この手のデバイスの扱いが苦手な方でも、全く問題なく使用することができるでしょう。
使い終わった際は、チャージケースに収納することでBluetooth接続が自動的に解除され、充電が開始されます。
一連の使用の流れが非常にスムーズなため、日常の中でストレスなく自然に使用し続けることが可能です。
専用アプリでEQ調整&紛失防止|機能性も抜群
本製品にはiOS・Android対応の公式アプリ(無料)が用意されており、デバイスにインストールしておくことで様々な調節を行うことができます。
▼公式アプリ『QCY』
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アプリにデバイスを追加すると、スマホ上でバッテリー残量をリアルタイムで確認できるほか、各種パラメータの調節などを行うことができます。
詳細設定画面では「ゲーム(低遅延)モード」や「マルチポイント接続」の切り替えなどが可能。
そして「イヤホンを探す」機能では、イヤホンのおおまかな現在地がマップ上に表示されるほか、イヤホン本体から大きな音を発生させて位置を特定することが可能。イヤホンがどこに行ったのか分からない場合に、見つけ出すのに便利です。
2台同時接続で切り替えラクラク|仕事とプライベート両立
アプリから「マルチポイント」をオンにすることで、イヤホンを最大2台のデバイスと接続できます。
1台目のデバイスに接続した状態で、イヤホンをケース内に収納し、ペアリングボタンを長押しして、2台目のデバイスでもBluetooth接続を行います。
サウンドを聴くデバイスを変更したい場合に、いちいち接続解除⇒再接続の面倒な作業を繰り返す必要がないので便利な機能です。
ただし、2デバイス同時再生(2つのデバイスのサウンドを同時に聴くこと)はできず、後から再生したデバイス側の音声が優先される点に注意が必要です。
耳の奥までしっかりフィットする装着感|環境音をしっかり遮断
実際にQCY MeloBuds N70を装着してみました。
カナル型イヤホンらしく、耳の奥までしっかりフィットすることで高い遮音性とANC効果を発揮します。付属する5サイズのイヤーチップは非常に柔らかい二重構造シリコン素材で、耳の形に自然になじみ、長時間の装着でも圧迫感を感じにくいです。
耳にギュッと押し込むような不快感が少なく、適切なサイズを選べば安定性も良好。激しく動くと脱落する可能性もありますが、普段使いや通勤・リモートワーク用途では十分なホールド感があります。
ただし、同ブランドのイヤーカフ型イヤホン「QCY Crossky C30」と比べると、装着時の快適さでは一歩劣ります。特にオープンイヤー型に慣れている方は、耳穴を塞ぐカナル型特有の装着感にやや抵抗を感じるかもしれません。
同価格帯のイヤホンと比べても頭ひとつ抜けた音質
『QCY MeloBuds N70』の音質は、同価格帯のイヤホンと比べても頭ひとつ抜けています。
MEMSドライバーが高域の伸びや透明感を支え、10mmダイナミックドライバーが力強く厚みのある低音を鳴らすため、全体のバランスが非常に良好です。高音のシンバルやストリングスはシャープに響き、ボーカルは前に出て実にクリア。
特に低音に関しては、この価格帯のワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスの深みがあります。EDMやヒップホップなど低音重視の方におすすめです。
さらに、LDAC対応&ハイレゾ認証取得により、対応端末で聴くと音の情報量がぐっと増し、細やかなニュアンスまで表現されます。CD音源では聴き取りづらい空気感や残響も自然に描写され、クラシックやジャズなど音の広がりを重視するジャンルでは特に魅力が際立ちました。
一方で、カナル型ならではの密閉感によって低音がやや強調されるため、オープンイヤー型に慣れている人には「低音が重たい」と感じる場面があるかもしれません。しかし、QCYアプリのEQ調整機能(後述する)を利用して自分好みにカスタマイズすれば、幅広いジャンルに対応できます。
総じて、『QCY MeloBuds N70』は「重厚な低音」と「繊細な高音」の両立に成功したモデルとなっており、価格以上の音質体験を提供してくれる一台と言えます。
QCY MeloBuds N70の音漏れ検証結果|意外なほど静かで公共空間でも安心
『QCY MeloBuds N70』はカナル型で密閉性が高いため、音漏れは最小限に抑えられています。実際に低音と高音が入り乱れるEDM楽曲でテストしたところ、ボリュームを80%以上に上げると高音や低音の響きによってわずかに音漏れを感じる場面はありましたが、周囲が騒がしい環境ではほとんど気にならないレベルでした。
一方で、70%以下の音量であれば音漏れはほぼ無く、静かな図書館や公共交通機関でも安心して使える印象です。大音量派の方は注意が必要ですが、一般的なリスニング用途では音漏れの心配は少ないと言えます。
強力なANCを搭載 | 外音取り込み機能との使い分けが可能
『QCY MeloBuds N70』は、最大56dB低減の強力なANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載。
アプリ上から「アダプティブ」「室内(図書館などの静かな環境)」「通勤(電車など非常に騒がしい環境)」など様々なANCモードを切り替えることができ、シーンに合わせて最適なノイズキャンセリング効果を得られます。
自動調整のアダプティブを選べば、周囲の環境に応じて強度を自動制御してくれるため、どれを選べばいいの分からない方にオススメです。
「外音取り込みモード」も用意されており、イヤホンを装着したまま周囲の音を自然に聞くことができます。
アプリ上では4段階の強度調整に対応しており、状況に応じて「周囲の音をかすかに取り込む」「しっかり取り込んで会話を聞き取りやすくする」といった細かなコントロールが可能です。
さらに「ボーカル強調」オプションをオンにすれば、人の声がよりクリアに聞こえるため、会話中やアナウンス確認の際に便利です。
ANCや外音取り込みを使わず、自然な音質でリスニングしたい場合には「通常モード」が最適。シンプルに音楽を楽しみたいときや、バッテリー消費を抑えたい場合にオススメです。
実際にANCをオンにすると、電車内の走行音やエアコンの低いノイズがしっかり抑えられ、音楽に集中しやすくなりました。
外音取り込みは自然な聞こえ方で、人の声もはっきり届くため、イヤホンを装着したままお店の店員と会話したり、ウォーキングの際に周囲の様子にも気を配りたい場合には最適です。
通常モードでは音の広がりをそのまま楽しめるので、自宅でのリスニングにちょうど良い印象でした。
QCY MeloBuds N70のイコライザープリセット&カスタマイズ方法
アプリ上では、数種類のイコライザープリセットを利用できます。
【イコライザープリセットの種類】
- 空間オーディオ
- デフォルト
- ポップ
- ベース
- ロック
- ソフト
- クラシック
- パーソナライズされた設定
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しめます。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験が明らかに変わるほど、各プリセットが差別化されていました。
特に「空間オーディオ」は、ホールにいるかのような音の広がりを体感できるユニークなモードです。クラシックでは臨場感が一段と増す一方で、ポップスなどではボーカルが楽器の奥に埋もれ、やや聴き取りにくくなる傾向があります。
音響にあまり詳しくない方にとって、このようにプリセットがいくつも用意されているおかげで、音の変化を気軽に楽しめるのは嬉しいですね。
また、詳細なイコライザーカスタマイズ設定も用意されています。
QCY MeloBuds N70の通話品質を検証|AIノイズリダクションで声がクリア
本製品には計6基(片耳3基ずつ)のAIノイズキャンセリング対応マイクが内蔵されており、イヤホン越しに高品質なハンズフリー通話を行うことが可能です。
ノイキャン効果は高く、周囲のノイズを効果的に取り除き、装着者の声のみをクリアに拾い上げることができていました。
▼音声収録の様子(iPhone 16 Proで撮影)
▼QCY MeloBuds N70で収録した音声
iPhone 16 Proで撮影した動画と、イヤホン内蔵マイクで収録した音声を聴き比べてみると、内蔵マイクでは周囲の環境ノイズ(空調音、本に触れる音)などが効果的に低減されており、装着者の声のみを明瞭に拾い上げることができています。
さすがに専用のハイエンドマイクと比べると録音品質は劣るものの、普通に通話するには十分に優れた性能となっています。特に装着者の発言内容が強調されており、聴き取りやすいです。
通話だけでなく、オンライン会議用のマイクとしても問題なく利用できるでしょう。
タッチ操作を検証|無効化できる点もGOOD
『QCY MeloBuds N70』は側面タッチ操作に対応しており、タッチする回数に応じて様々な機能を利用可能。そしてアプリ上では、ボタンを操作した際の機能を自由にカスタマイズできます。
1回押し・2回押し・3回押し・長押しの4パターンで異なる機能を割り当て可能。なお、誤動作を防止するためにタッチ機能自体をオフにする選択も用意されています。筆者はタッチ機能をあまり使わないので、嬉しい要素です。
QCY MeloBuds N70の充電時間と使用時間を検証
本製品は、イヤホン単体のスタンドアローン状態で最大10時間のあいだ利用でき、ケースを含めると最大50時間もの連続使用が可能。
よほどヘビーに利用しなければ、1~2週間ほどは連続して使用できるバッテリー容量です。実際に10日間ほど、ANCオフ状態で使用してみましたが、1日に4~5時間程度使用する分には、10日間で1回充電を行うだけで事足りました。いちいち充電する手間を省くことができる点は実に便利です。
急速充電に対応しており、わずか10分の充電で2時間使用できる分のバッテリーを回復できる点もGOOD。
そして充電ケースはワイヤレス充電にも対応しており、市販のワイヤレス充電器に置くだけでスマートにバッテリーを回復可能。日常のルーチンに組み込みやすい手軽さを実現しています。
よくある質問(FAQ)



『QCY MeloBuds N70』の良かった点・悪かった点
『QCY MeloBuds N70』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は以下の通りです。
良かった点
- 軽量かつコンパクトな充電ケース
- LDAC対応&ハイレゾ認証取得
- MEMS+10mmドライバーによる満足度の高いサウンド体験
- 最大56dB低減のANC
- 外音取り込み4段階+ボーカル強調
- ケース込みで最大50時間の連続再生が可能
- 急速充電&ワイヤレス充電対応
- 5サイズのイヤーチップ付属
- 専用アプリ上で詳細な設定が可能
- 実用的な内蔵マイク
悪かった点
- オープンイヤー型と比べると、装着時の圧迫感がある
- 空間オーディオはジャンルによっては不向き
総評:1万円未満という価格帯ながら音質・機能ともに非常に完成度の高いワイヤレスイヤホン
『QCY MeloBuds N70』は、1万円未満という価格帯ながら音質・機能ともに非常に完成度の高いワイヤレスイヤホンです。
MEMS+10mmドライバーのハイブリッド構成とLDAC対応による高音質再生、最大56dB低減の強力なANC、最大50時間のロングバッテリーに加えて、ワイヤレス充電やマルチポイント接続、専用アプリによるEQカスタマイズなど機能面も充実。この価格帯でこれほど機能が充実したワイヤレスイヤホンは珍しいです。
一方で、カナル型特有の圧迫感や、空間オーディオの使いどころが限られるなど細かな弱点はあるものの、それを補って余りある実力を備えています。
総じて、「高音質を手軽に楽しみたい」「ANCや外音取り込みをシーンに合わせて使い分けたい」「長時間バッテリーで毎日安心して使いたい」という方には最適な一台です。
価格以上の満足感を得られるモデルだと言えるでしょう。
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