電動式昇降デスク等の人間工学製品を多数手がけてきた「Flexispot(フレキシスポット)」は、2025年7月1日に同ブランドの最新オフィスチェア『Flexispot C7 Morpher』をリリースした。
記事執筆時点でクラウドファンディングサイトMakuakeにて、74,536円(税込)からの早割価格での購入が可能。通常価格は96,800円(税込)となっている。
作業・休憩・リラックスすべてを1脚でこなせるハイエンドチェアであり、同ブランドの人気チェア "C7シリーズ" の多機能性を受け継ぎつつ、さらに細やかな調整機能をプラスした、お値段以上の価値を持つモデルだ。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていく。
| ブランド | Flexispot |
| モデル名 | C7 Morpher |
| カラー | ブラック、グレー |
| 全体寸法 | 幅70 × 奥行71.5 × 高さ108~141.5cm |
| 重量 | 26.6kg |
| 座面調整範囲 | 高さ昇降 44.5-53.4cm・奥行8cm |
| アームレスト調整範囲 | 高さ8cm・外側360°・内側270° |
| ヘッドレスト調整範囲 | 前後スライド7cm・角度70°・回転80° |
| 前傾調整範囲 | 0°~10° |
| リクライニング角度調整範囲 | 90°〜135°(スライドバック機能により最大160°まで可能) |
| 背もたれ高さ調整範囲 | 6cm |
| 張地 | 特製メッシュ |
| フレーム素材 | PA+GF30% |
| アームレスト素材 | PU、PA+GF30%、アルミ合金 |
| 脚素材 | アルミ合金 |
| フットレスト素材 | PU、PA+GF30% |
| キャスター素材 | PA6+PU |
| シリンダー | 4級 |
| 耐過重 | 136kg |
| 梱包サイズ | 79 × 70 × 55cm(約34kg) |
今回紹介する『Flexispot C7 Morpher』は、FlexiSpotの人気シリーズ「C7」の多機能性を受け継ぎつつ、さらに細やかな調整機構をプラスした次世代オフィスチェアだ。あらゆる姿勢と体型にフィットするよう設計されており、長時間作業にもリラックスタイムにも対応してくれる。
本製品の最大の特徴は、スライド式独立型セパレート構造の腰背サポートシステムだ。仙骨部をしっかり支えつつ、ユーザーの動きに追従。さらに、リクライニング時には背もたれが斜め下にスライドすることで、ランバーサポートの角度も自動で変化。これにより、腰がサポートから浮いてしまう従来の問題の解消に成功している。
▼エアクッション式のランバーサポートは空気圧を調整でき、姿勢や体型に合わせて細かくフィット。どんなユーザーにもベストなポジションを提供してくれる。
そして柔軟な可動域を備えている点もポイント。
背もたれには最大10度の前傾機能が搭載されており、肩から背中を包み込みながら自然なS字カーブをキープ。骨盤をしっかり立たせる姿勢を促進することで、長時間のPC作業でも腰への負担を軽減する。
ヘッドレストは前後スライド・角度調整・回転に対応した3軸構造で、座高や体格に関係なく首元にぴったりフィットする。
アームレストは51cmストロークに加え、背もたれと連動して角度も変化。作業中から休憩中まで、常に理想の位置で腕を支えてくれる。
最大160度の深いリクライニングは、背もたれのスライド機構との連携により、常に体にフィットしたまま姿勢を移行可能。反発力も4段階で調整できるため、座る人の好みに応じて最適なリクライニング体験が得られる。
座面と背もたれには、通気性と弾力性に優れたエアリアルメッシュ素材を採用。蒸れにくく、柔らかく肌になじむ質感で、まるで高級ソファのような座り心地を実現している。
以上の通り、随所に従来モデルから進化した点が見受けられる、優れた調整機能とフィット性能を備えた本格的オフィスチェアとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子。かなり大きめの段ボール箱で届けられる。
▼内容物をすべて取り出した様子。
▼工具や作業用手袋なども付属しており、組み立てをスムーズに開始できる点は嬉しい。
▼ユーザーマニュアルは日本語に完全対応。図付きで組み立て方法が解説されている。
組み立ては簡単、2人での作業が理想的
本製品は複数のパーツに分かれているものの、マニュアルの手順に従って作業を進めることで、誰でも簡単に組み立てることができるようになっている。
ただし、重量の重い部位も含まれているため、体力に不安のある場合は2人での作業をオススメしたい。
▼ネジは付属工具を用いて固定可能。自前で道具を用意しなくても良いのでラクだ。
▼座面と背もたれを固定する際には、外箱の段ボールが支えとして役立つので、組み立て終わるまで箱は潰さないでおこう。
組み立て終盤に、ガスリフトの先端を座面裏の穴に挿入する際、背もたれを抱えた状態だと穴の位置を把握しづらいため、2人で作業するか、横向きに挿入することをオススメする。
筆者は一人で組み立てを行ったが、開封から完成まで、およそ30分ほどであった。
組み立て中に力を加えてパーツを支える場面もあったが、手順自体はいたってシンプルであり、多機能モデルとはいえ、一般的なチェアと大差ない手数で作業を完了できた。
完成形の外観
▼完成形のC7 Morpher
▼筐体前後
▼筐体左右
▼筐体上部視点
チェア本体はスタイリッシュでありながら落ち着いたデザインで、会社オフィスからゲーミング環境にいたるまで、あらゆるシーンに自然に溶け込むデザインに仕上がっている。
各部位を自由自在に調整可能
本製品の各部位は多彩な可動機構を備えており、座る人の体格に応じて、座り心地を自由自在に調整することができる。
▼部位ごとの調整範囲一覧
| 調整部位 | 調整内容 | 特徴・補足説明 |
| 座面の高さ | 昇降調整(レバー操作) | 身長やデスクの高さに合わせて調整可能 |
| 座面の前後 | スライド調整(前後8cm) | 太もも裏への圧迫を防ぎ、姿勢を安定 |
| 背もたれの角度 | 135度まで無段階リクライニング | スライドバック機構により腰部を常にサポート |
| 背もたれの前傾 | 最大10度まで前傾可能 | 自然なS字姿勢を促し、骨盤を起こす |
| 背もたれの高さ | 5段階で調節可能 | 幅広い身長のユーザに対応 |
| リクライニング反発力 | 4段階調整可能 | 好みに応じて倒れる硬さを調整 |
| ランバーサポート(腰部) | エアクッション式(空気圧調整可) | 仙骨部を支え、姿勢にフィット |
| ヘッドレストの高さ | 昇降調整 | 首にジャストフィットする高さに |
| ヘッドレストの角度 | 傾き調整 | 頭部の角度に合わせて微調整 |
| ヘッドレストの前後位置 | 前後スライド調整 | 頭の位置に応じて距離を調整可能 |
| アームレストの高さ | 昇降調整 | ストローク約51cm、幅広い調整幅 |
| アームレストの角度 | 回転(ダブル軸構造) | 様々な作業姿勢に対応 |
上の部位から順に紹介していく。
3Dヘッドレスト
3Dヘッドレストに関しては、昇降調整・傾き調整・前後スライド調整が可能。小柄な方から高身長の方まで、頭の位置がぴったり合うように設計されている。
ヘッドレストを適切な位置に調整することにより、長時間のデスクワーク中でも首や肩の筋肉に余計な負荷がかからないようにできる。
▼ヘッドレスト調整
背もたれ
本製品の背もたれは5段階で高さ調節が可能だ。
背面下部のランバーサポート(腰部分)の下端を両手で持ち上げて高さを調節。5段目より少し高く持ち上げると、一番下までリセットされる。
▼背もたれ高さ調節
また、背もたれ左側後方のノブを前後に回すことで、背もたれ上部の角度を前後に調節することも可能だ。
▼最大10度までの前傾が可能。
▼背もたれ上部の角度調整
背もたれを後方ではなく前方に前傾させることで、自然なS字姿勢を促し、骨盤を起こすことができる。
リンクライニング
135度まで無段階リクライニングが可能。座面左側のレバーで調整することができ、好みの角度にロックすることも可能だ。
▼リクライニングレバー
▼リクライニング調整
なお、座面右下のグリップを回転させることで、背もたれの反発力を調整できる。
ランバーサポート
本製品はスライド式独立型セパレート構造の腰背サポートシステムを採用しており、仙骨部をしっかり支えつつ、ユーザーの動きに追従する。
さらに、リクライニング時には背もたれが斜め下にスライドすることで、ランバーサポートの角度も自動で変化。これにより、腰がサポートから浮いてしまう従来の問題の解消に成功している。
▼ランバーサポート連動
GIF画像を観ても分かる通り、椅子の背もたれに身体を預けることで、後部のランバーサポートがスライドしている。身体を最適な角度で支えてくれる素晴らしい機能だ。
▼背面右側のノブを回すことで、スライド機能の固定/解除を変更可能。
▼ノブの隣のグリップを回すことで、スライドの硬さを調節できる。
ちなみに、ランバーサポートにはエアバッグ調整機能が搭載されており、内蔵エアバッグにより、サポートの強度を自由に調整できる。
▼膨張ボタン(上)を押すとエアバッグが膨らみ、腰をしっかり支えてフィット感を向上。収縮ボタン(下)を押すと空気が抜け、サポートの強さを調整可能。
位置調整&エアバッグ機能の組み合わせで、長時間座り続けても快適な状態を維持できる。
5Dアームレスト
本製品の5Dアームレストは51cmストロークに加え、回転(ダブル軸構造)に対応。作業中から休憩中まで、常に理想の位置で腕を支えてくれる。
▼アームレスト調整
座面スライド
座面の右側面前方にあるレバーを引くことで、座面の奥行を前後8cmの範囲で調整可能。太ももの圧迫を防ぎながら最適な着座ポジションを実現し、小柄な方から大柄な方まで、快適に座ることができる。
▼画像右側のレバー
▼座面スライド調整
座面高さ
座面の右側面前方にあるレバーを引くことで、座面の上下高さを調節できる。
▼画像右側のレバー
▼座面高さ調整
フットレスト
そして本製品にはフットレストが搭載されており、畳まれたフットレストを引き出し、180度回転させて使用できる。
▼フットレスト展開
身長約180cmの筆者に加え、約160cmの女性スタッフも試座したが、座面の高さや背もたれの調整幅が十分にあり、体格に関係なく快適に座ることのできる設計となっている。
身体と一体化していく感覚
実際に約1か月間、仕事からゲームまで様々な場面で『Flexispot C7 Morpher』に座り続けた感想について紹介していく。
本製品に座り続けていて特に印象的だったのが、背もたれを倒してもランバーサポートが位置と角度を保ったまま連動して動く構造(スライド式独立型セパレート構造)だ。
多くのチェアでは、リクライニングをすると腰のサポートが抜けてしまい、腰が浮くような感覚になるが、C7 Morpherでは背もたれが後方にスライドしながら倒れる仕組みになっており、ランバーサポートが常に腰の位置に合わせて追従するよう設計されている。
また、前述したようにランバーサポートは空気圧で膨らみ具合を調整できるエアクッション式になっており、自分の体格や好みに応じてサポートの強さを変えられる点も嬉しい。クッションの調整幅は広く、強く押し込むような硬さにも、柔らかく受け止めるような感触にも設定できる。
このようにユニークな構造により、特定の姿勢を強制するのではなく、自然な背骨のカーブを維持しやすい設計になっていると感じられた。
▼椅子に座る姿勢を強制される感じはなく、逆にユーザーの姿勢に応じて椅子が柔軟にフィットしてくれる。
▼長時間のPC作業でも肩や腰への負担が少ない。集中力の持続にもつながっていると感じた。
そして何より、本製品は多彩な調整機構を備えたオフィスチェアであり、体格や姿勢に合わせた柔軟なセッティングが可能となっている。とくに背もたれ・腰・腕の支え方に工夫があり、長時間の作業でも姿勢を崩しにくい。
最大135度までのリクライニングが可能であり、作業姿勢から休憩姿勢までスムーズに移行できる。リクライニング時の動作も滑らかで、途中でカクつきもない。好みの角度でロックすることもでき、最大リクライニング時にはフットレストも展開することで、仮眠用の簡易ベッドとしても機能するだろう。
▼頭から足の先まで優しく支えてくれて、全身がリラックスできる。
リクライニングの反発力も4段階で調整可能なため、体重や姿勢に応じて背もたれの戻り方をコントロールできる点も使い勝手が良いと感じた。
そして5Dアームレストは昇降、回転(ダブル軸構造)に対応しており、日常の作業姿勢に合わせて柔軟な調整が可能だ。加えて、C7 Morpherではリクライニングに応じてアームレストの角度も追従する構造となっており、背もたれを倒したときも肘の位置がズレずにサポートされる。
▼肘から手首までを載せるのに十分な面積が確保されたアームレスト。
この機構により、腕や肩まわりの緊張を抑えやすくなる。
作業中・休憩中の両方で安定したポジションを維持できるのは、長時間使う椅子として大きなメリットだと感じられた。
通気性良好、耐久性は今のところ問題なし
C7 Morpherは、背もたれと座面に厳選されたエアリアルメッシュを採用。特殊な編み込み技術により、通常のメッシュとは一線を画す弾力性・引張強度・耐久性を実現している。
実際に筆者は、梅雨〜夏にかけて湿度の高い日が続くなか1日6時間以上椅子に座って作業しているが、背中や腰まわりが蒸れて不快に感じたことはない。エアリアルメッシュは通気性が高く、熱や湿気がこもりにくいため、ジメジメとした環境でも快適さが持続している。
そしてメッシュ素材によくある「薄くて頼りない」印象はなく、しっかりとした張りがありつつも、肌に触れる感触はやわらか。使用中にズボンやシャツとこすれたり、体を動かして摩擦が発生する場面も多々あったが、生地がボロついたり破れそうになる気配はまったく見られない。
▼頑丈さとデザイン性とシッカリと両立したメッシュ構造。
現時点でメッシュのほつれや、伸び、色落ちなどは確認されておらず、耐久性についても安心感がある。
そしてエアリアルメッシュに限らず、座面の軋みや背もたれのガタつきなども発生していない。座った際にしっかり体を支えつつ、素材の柔軟性と構造の安定感が両立されている。
今後の経年劣化については引き続き様子を見ていく必要があるが、少なくとも1ヶ月程度の使用では、明確な劣化や不満点は一切見当たらなかった。
まとめ:『Flexispot C7 Morpher』の良かった点・悪かった点
今回紹介した『Flexispot C7 Morpher』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 組み立てが比較的簡単
- オフィス・自宅・ゲーミング環境すべてにマッチしやすいデザイン
- 調整自由度が非常に高い
- 前傾機能付き背もたれ
- エアクッション式ランバーサポート
- 休憩・仮眠にも適したリクライニング+フットレスト
- 通気性・耐久性に優れたエアリアルメッシュ素材
悪かった点
- 梱包重量が大きい&重い(約34kg)ため、宅配受け取り時に注意が必要
- 各パーツは重量があるため、組み立て時は2人以上での作業を推奨
以上の通り、長時間の作業でも快適さを損なわず、体への負担を最小限に抑えてくれる高性能オフィスチェアとなっている。
筆者自身、1日6〜8時間は椅子に座って仕事をしており、これまでさまざまなチェアを試してきたが、『Flexispot C7 Morpher』はその中でもとくに「ストレスを感じにくい」という点で群を抜いていると感じられた。
腰にしっかりフィットするサポート構造や、体格に合わせて各部位を細かく調整できる設計、そして通気性に優れたエアリアルメッシュ素材の快適さなど、すべてが長時間使用を前提に考え抜かれて造りこまれている。しかも、リクライニング時にも体をしっかり支えてくれるため、仕事と休憩の切り替えを自然に行えるのも嬉しい。
全体的に、非常に完成度の高いオフィスチェアに仕上がっていると感じられた。
在宅ワークやゲーミング、読書や仮眠といったあらゆるシーンで、日々の疲れを少しでも軽減したいと考えている方に、ぜひオススメしたい一脚だ。
【参照元】
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