数多くのPC関連商品を手掛けるGMKtecは、Intel Core™ i7-12700Hを搭載した手のひらサイズの高性能ミニPC『GMKtec M3 Ultra』を販売しています。
通常価格は税込76,999円。不定期開催のセールでは5万円台での購入も可能です。
第12世代Core i7を搭載し、手のひらサイズながらも優れた処理速度と電力効率を実現。複数ソフトウェアの同時起動や動画編集など、重い作業でも快適にこなせるモデルです。
メモリは最大64GBまで拡張可能なDDR4スロットを搭載し、512GB NVMe SSD(最大4TBまで拡張可)を備えるなど、容量面でも余裕十分。さらに、2台目のM.2 SATA/PCIeドライブ追加にも対応しています。
こんな方におすすめ!
- 高性能と省スペースを両立したPCを探している方
- 動画編集や軽いゲームも楽しみたい方
- 複数モニターで効率的に作業したい方
今回、提携先より本製品(16GB+512GBモデル)を提供していただいたので、実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
▼ショート動画を投稿しました!使用感はコチラでも確認いただけます。
『GMKtec M3 Ultra』のスペック・仕様表
| ブランド | GMKtec |
| 型名 | GMKtec M3 Ultra |
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | Intel Core™ i7-12700Hプロセッサー(14コア/20スレッド) |
| グラフィックス | Intel® Iris® Xe グラフィックス(最大 1.4GHz) |
| メモリ(RAM) | 16GB/32GB DDR4(最大64GBまで拡張サポート) |
| ストレージ(ROM) | 512GB/1TB M.2 PCIe 2280 SSD(最大4TBまで拡張サポート) |
| 対応通信規格 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、有線LAN(RJ45) |
| インターフェース | 【前面】 ・電源ボタン ・USB 3.2 Gen2 Type-A ×2 【背面】 ・DC電源ポート ・3.5mmジャック ・HDMI(4K@60Hz)×2 ・2.5G LANポート ・USB 2.0 Type-A ・USB 3.2 Gen2 Type-A ・USB Type-C(DP/DATA) |
| 本体サイズ | 114mm×106mm×42.5mm |
| 本体重量 | 実測値:約437g |
※参照元:GMKtec公式サイト(M3 Ultra製品ページ)
▼実機のバージョン情報
実機の「設定」→「システム」→「ライセンス認証」画面を確認したところ、正規版として認証済みであることを確認しました。
『GMKtec M3 Ultra』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- GMKtec M3 Ultra本体
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- VESAマウント金具&ネジ
- HDMIケーブル
VESAマウント金具&ネジが付属しており、モニター裏に取り付けることで、デスク周りをさらに省スペース化できます。
電源アダプタはそこそこの大きさがあるため、設置場所は多少工夫する必要があるでしょう。
『GMKtec M3 Ultra』本体の外観&インターフェース構成
『GMKtec M3 Ultra』の本体サイズは、114mm×106mm×42.5mmと非常にコンパクト。黒の光沢天板とグレーの側面が組み合わさった高級感のあるデザインで、デスク周りの美観を重視する方にもぴったりです。
▼筐体外観(360度)
手のひらに載せられるほどのサイズ感で携行性もGOOD。カバンなどに入れて外出先へ気軽に持ち運ぶことも可能です。
▼スマホと比べた様子
底部の四隅にはゴム脚が備わっているほか、VESAマウント金具を取り付けるための穴も用意されています。
本体重量は実測で約437gと比較的軽量です。
小型デザインのおかげで、実際にデスク上に設置してもスペースを取らず、邪魔には感じません。
マウスと並べると、ミニPCの小ささが際立ちます。
『GMKtec M3 Ultra』のインターフェースについて見ていきます。
正面には電源ボタン、USB 3.2 Gen2 Type-A ×2が用意。
▼両側面には通気用の穴が空いています。
背面にはDC電源ポート、3.5mmジャック、HDMI(4K@60Hz)×2、2.5G LANポート、USB 2.0 Type-A、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB Type-C(DP/DATA)が用意。
限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっています。ただ、個人的には前面にType-AポートもしくはType-Cポートをもう一つくらい用意してほしかったところ。
なお、HDMI(4K@60Hz)×2、USB Type-C(DP/DATA)を併用することで、最大3画面同時出力が可能です。
『GMKtec M3 Ultra』の拡張性
GMKtec M3 Ultraの底部のネジをドライバーで外し、底板を取り除くと内部基板が現れます。
最大64GBまでのRAM拡張、最大4TBまでのSSD増設をサポート。拡張スロットにアクセスしやすい点も便利です。
なお、内蔵ストレージは初期状態で432GB分が使用可能領域となっていました。
『GMKtec M3 Ultra』のベンチマークテスト結果
『GMKtec M3 Ultra』で、各種ベンチマークテストを行った結果を紹介していきます。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの実測結果
| 項目 | スコア |
| プロセッサ | 9.3 |
| メモリ(RAM) | 9.3 |
| グラフィックス | 8.3 |
| ゲーム用グラフィックス | 未計測 |
| プライマリディスク | 8.9 |

グラフィックスは8.3点で内蔵GPUとして優秀、ストレージも8.9点と高速。
全体として、小型ながらデスクトップ並みの性能を発揮するバランスの良いミニPCです。
CrystalDiskMarkの結果
▼CrystalDiskMarkの実測結果
| 項目 | Read(MB/s) | Write(MB/s) |
| SEQ1M Q8T1 | 3548.62 | 2750.05 |
| SEQ1M Q1T1 | 2346.19 | 2350.63 |
| RND4K Q32T1 | 680.10 | 525.60 |
| RND4K Q1T1 | 49.71 | 243.94 |

ランダムアクセスも安定しており、日常のファイル操作やアプリ起動はもちろん、大容量データの読み書きでもストレスを感じません。
総じてストレージ性能は高水準で、快適なレスポンスを実現しています。
PCMark 10の結果
▼PCMark 10の実測結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 5,351 |
| Essentials | 9,105 |
| Productivity | 6,907 |
| Digital Content Creation | 6,614 |

特にEssentials(9,105点)とProductivity(6,907点)が高く、WebブラウジングやOffice作業、マルチタスク処理も快適です。
Digital Content Creation(6,614点)も優秀で、画像編集や軽めの動画制作などクリエイティブ用途にも対応できる実用的な性能を備えています。
Cinebench 2024の結果
▼Cinebench 2024の実測結果
| 項目 | スコア |
| シングルコア | 107 pts |
| マルチコア | 599 pts |

シングル性能はアプリ起動や軽作業のレスポンス向上に寄与し、マルチ性能も優秀で、動画エンコードや同時処理などの負荷の高いタスクもスムーズにこなせます。
3DMarkの結果
3DMarkの各テスト結果を紹介していきます。
Time Spy & Night Raid
| テスト | 総合 | グラフィックス | CPU |
| Time Spy | 1,752 | 1,543 | 7,585 |
| Night Raid | 16,589 | 18,961 | 9,708 |

さらにNight Raidでは16,589点(CPU 18,961/GPU 9,708)を記録しており、映像再生や軽いクリエイティブ作業も快適にこなせる水準です。
Fire Strike
▼Fire Strikeのスコア結果
| 項目 | スコア |
| 総合スコア | 1,830 |
| グラフィックススコア | 5,299 |
| 物理スコア | 18,821 |

グラフィックススコアは5,299点と内蔵GPUとしては優秀で、フルHD解像度での映像処理もスムーズ。
また、物理スコア18,821点からもCPU性能の高さがうかがえ、GPUとCPUのバランスが取れた安定したパフォーマンスを発揮します。
CPUプロファイル
▼CPUプロファイルの実測結果
| 項目 | スコア |
| 最大スレッド数 | 4,428 |
| 16スレッド | 4,262 |
| 8スレッド | 3,542 |
| 4スレッド | 2,672 |
| 2スレッド | 1,766 |
| 1スレッド | 995 |

1スレッドでも995点と高水準で、単一処理の速度も十分。
総じて、マルチタスクや並列処理に強く、シングル性能とのバランスも良好な高性能CPUであることが確認できます。
Storage Benchmark
▼Storage Benchmarkの実測結果
| Storage Benchmark 結果 | ||
| 総合スコア | 2,007 | |
| 各テスト項目の詳細 | ||
| テスト内容 | 帯域幅(MB/s) | アクセス時間(μs) |
| Battlefield Vを読み込む | 732.25 | 104 |
| Call of Duty: Black Opsを読み込む | 502.41 | 133 |
| Overwatchを読み込む | 308.96 | 77 |
| ゲームをインストール | 186.07 | 75 |
| ゲームを録画 | 119.80 | 74 |
| ゲームを保存 | 151.47 | 50 |
| ゲームを移動 | 1548.38 | 172 |

特に「Battlefield V」の読み込みでは732MB/sを記録し、ゲーム起動やデータ転送が非常に高速。
全体的にアクセス時間も短く、読み込み・保存・移動のいずれも快適に行える高性能NVMe SSDが搭載されていることがわかります。
Steel Nomad Lightのストレステスト
▼ストレステストの実測結果
| 項目 | 結果 |
| ストレステスト安定性 | 99.1 % |
| ベストループスコア | 1,161 |
| ワーストループスコア | 1,150 |
| 実行ループ数 | 20 |
| 選択ループ数 | 20 |

ベストとワーストのループスコア差もわずかで、冷却効率とパフォーマンス維持力の高さが確認できる安定した結果となっています。
普段使いは非常に快適
GMKtec M3 Ultraでウェブサイトを閲覧したり、動画サイトを視聴して、普段使いの快適さを検証しました。
なお、レビュー時にはウルトラワイドモニターに接続し、3440×1440解像度・100fpsで出力しています。
まずはウェブサイト閲覧時について。
画像の多いサイトから、スクリプトを多用したサイトまで閲覧してみましたが、どのサイトでもページ遷移・読み込みはスムーズであり、終始快適に閲覧することができました。
一般的なウェブサイト閲覧において、ストレスを感じることはありません。
続いて、YouTubeやNetflixなどで動画を視聴してみました。
最高4K画質で動画を再生しましたが、カクつきが生じたり、動画が途中でストップしてしまうことはなく、快適に視聴できました。
そしてOfficeソフト等を用いた作業について。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリの動作も軽快で、資料作成や表計算、スライド編集がストレスなく行えました。
Officeソフトとウェブブラウザを同時に立ち上げても処理落ちすることなく、ビジネス用途でも安心して活用できます。
なお、3画面同時出力の場合でも、処理パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
総じて、日常的な利用シーンでの使用感は快適で、性能不足を感じる場面はありませんでした。
軽めのPCゲームであれば設定次第でプレイ可能
本機は内蔵GPUに「Intel® Iris® Xe グラフィックス」を採用しており、AAA級の重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しいものの、軽めのPCゲームであれば設定次第でスムーズに楽しめる性能を備えています。
DQ10のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 最高品質
- フルスクリーン
ドラゴンクエストX (DQ10)でベンチマークテストを行った結果、"FHDフルスクリーン×最高品質" で 「とても快適」という結果が得られました。
MMORPG系でも、DQ10のようなライトタイトルであれば、最高品質でも快適に遊べることが分かります。
FF14のベンチマークテスト結果
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップ) / 高品質(デスクトップ)
- ウィンドウモード
画質を "標準品質" に抑えれば、「普通」という結果を得られました。
設定を調整すれば、FF14レベルの大規模MMORPGでも基本的なプレイ自体は問題ありません。
フォートナイトを実際にプレイしてみた
実際にフォートナイトをプレイしたところ、序盤のプレイヤーが密集する場面では一時的にフレームレートが多少落ちることがありましたが、中画質でも常時30fps以上を維持できていました。
▼中画質設定時のfps
▼フォートナイトをプレイする様子(中画質設定時)
描画は安定しており、操作レスポンスも良好で、実用的には十分スムーズに遊べるレベルです。
内蔵GPU搭載ミニPCとしては十分に健闘しており、画質設定を "中" 以下に調整すれば、eスポーツタイトルとしてのフォートナイトでも十分スムーズにプレイ可能であることが確認できました。
優れた静音性&放熱性能
計5時間ほど、各種ベンチマークテストや日常利用におけるパフォーマンスを確認した後、HWMonitorで筐体の発熱を確認してみました。
▼計測値(室温27℃、Cinebenchや3DMarkなど実行後)
CPU温度の最大値は87℃で、Pコアは最大79℃、Eコアは最大62℃と、Core i7-12700Hとしては良好な範囲に収まっています。
GPU温度も54℃前後と安定しており、冷却性能は十分確保されている印象です。
高負荷時でも熱暴走やスロットリングの兆候はなく、小型筐体ながら効率的な放熱設計がなされていることが確認できます。
そして静音性に関しても優秀で、5時間連続稼働後でもファン音は非常に静か。ベンチマークテスト実行時など高負荷状態でこそファンの回転音が若干大きくなることはあるものの、その後はすぐ静音状態に戻ります。
オフィス作業や動画視聴時には耳を近づけてもほとんど気にならないレベルでした。
長時間のベンチマークや実用作業を行っても、熱による性能低下や過剰発熱はなく、静音・安定動作が維持できている点は好印象。
安心して長時間の作業用途に利用できるミニPCであると言えます。
『GMKtec M3 Ultra』の良かった点・悪かった点
『GMKtec M3 Ultra』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は以下の通りです。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- そこそこ高級感のあるデザイン
- Core i7-12700Hで処理性能が高く、マルチタスクも快適
- 軽~中量級ゲームや4K動画再生もスムーズ
- 最大3画面4K出力に対応
- 高速なNVMe SSD搭載
- 優れた静音性&放熱性能
悪かった点
- AAA級の重い3Dゲームは不向き
- USBポート数が最小限(あと一つはほしかった)
- ACアダプタがやや大きく、配線取り回しに工夫が必要
よくある質問(FAQ)



総評:コンパクトサイズながらもハイエンドノートPC級の処理能力を備えた高性能ミニPC
『GMKtec M3 Ultra』は、コンパクトサイズながらもハイエンドノートPC級の処理能力を備えた高性能ミニPCです。
Core i7-12700Hと高速NVMe SSDの組み合わせにより、起動やデータアクセスが非常にスムーズで、マルチタスクやクリエイティブ用途でも余裕のあるパフォーマンスを発揮します。
また、静音性の高い冷却設計や、安定した温度管理も魅力。2.5GbE有線LANやWi-Fi 6など最新の通信規格にも対応しており、ビジネス利用からホームサーバー用途まで幅広く活躍できます。
総じて、省スペースかつ高い実用性を求めるユーザーに強くおすすめできる完成度の高いモデルです。
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