世界中に数多くのモニターをリリースしてきたINNOCNから、Mini LED×量子ドット×4K/160Hzの高スペック要素を凝縮したゲーミングモニター『INNOCN GA27V1M』が登場しました。
通常販売価格は税込98,950円ですが、不定期に開催されるセール期間中は、7万円台で購入できる場合もあります。
「4K@160Hz」と「FHD@320Hz」をワンタッチで切り替えできるAIデュアルモードを備え、グラフィック重視から反応速度重視のプレイまで柔軟に対応可能。
Type-C(90W給電)やHDMI 2.1×2、DP 1.4を搭載し、最新のゲーム機やノートPC等との高い互換性を実現。
さらに独自のMPCS技術により、残像や入力遅延を大幅に軽減。本格的なプロゲーミングにも対応できる高性能モデルとなっています。
こんな方におすすめ!
- 高画質&なめらかな動きを両立したいゲーマー
- 写真・動画編集などで正確な色を求めるクリエイター
- デザインも使い勝手も重視したい方
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際使って感じた「良かった点・悪かった点」をレビューしていきます。
▼ショート動画を投稿しました!使用感はコチラでも確認いただけます。
『INNOCN GA27V1M』のスペック・仕様表
| 製品名 | INNOCN GA27V1M |
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネルタイプ | IPS液晶 / Mini LED(非光沢 / 広色域) |
| ローカルディミング | 2,304ゾーン(高精度ローカルディミング対応) |
| 解像度 | 3840 × 2160(4K UHD) |
| リフレッシュレート | ・4Kモード:最大160Hz ・FHDモード:最大320Hz |
| 応答速度 | 0.5ms(MPRT) |
| 輝度 | 450cd/㎡(標準) / 最大1200nits(HDR時) |
| HDR性能 | HDR1000対応(DisplayHDR認証) |
| 色域 | DCI-P3 99% / Adobe RGB 99% / sRGB 99% |
| 映像技術 | QD量子ドット / MPCS遅延低減技術 / ブルーミング抑制チューニング / ブレ軽減モード(ULL・LD) |
| スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
| 端子 | HDMI 2.1 ×2 DisplayPort 1.4 USB Type-C(映像出力・データ転送・最大90W給電対応)×1 USB-A ×2 USB-B(アップストリーム)×1 3.5mmオーディオジャック ×1 |
| 対応デバイス | PS5 / Xbox Series X/S / Nintendo Switch / PC / MacBook など |
| 調整機能 | 高さ調整 / チルト / スイベル / ピボット(縦横回転対応) |
| VESAマウント | 対応(100×100mm) |
| デザイン | ホワイト筐体 / 背面RGBライティング / フルホワイトケーブル付属 |
| 本体重量 | モニター本体:約4,446g(実測値) モニター+スタンド+ベース:約7,008g(実測値) |
| 保証 | 無輝点保証対応 |
※参照元:INNOCN公式サイト(GA27V1M製品ページ)
『INNOCN GA27V1M』のパッケージ内容
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧
- モニター本体
- スタンド
- ベース
- ユーザーマニュアル
- 電源ケーブル&アダプタ
- DisplayPortケーブル
- HDMIケーブル
- USB Type-Cケーブル
- USB Type-Bケーブル
▼電源アダプタのサイズはやや大きめ。
▼モニターを設置するためのベース部分
▼ベースとモニターをつなぐためのスタンド部分。
モニター本体
▼モニター本体の外観。27インチ非光沢IPS液晶パネルを搭載。
▼背面の様子
背面中央にはスタンド取り付け用ポートが用意。75mm×75mmサイズの四つ穴も開いており、モニターアーム等を接続することも可能。
また、スタンド取り付け用ポートをぐるりと取り囲むようにLEDライトが内蔵されています。
▼LEDのキレイな発色を楽しめます。発光の有無やパターンは設定から変更可能。
▼背面左下には、操作スティック、電源ボタンが用意。
背面下部にはポート類が集約。画像左からUSB-A ×2、USB-B(アップストリーム)、HDMI 2.1 ×2、USB Type-C(映像出力・データ転送・最大90W給電対応)、DisplayPort 1.4、3.5mmオーディオジャック、DC電源ポートが用意。
また、ステレオスピーカーが内蔵されており、モニター単体でサウンド出力も可能です。
モニター本体部分のみの重量は、実測で約4,446g。ややズッシリ感があります。
Type-C(90W給電)やHDMI 2.1×2、DP 1.4×2を搭載し、最新のゲーム機やノートPCとも高い互換性を確保しています。
モニターの設置手順
モニターを組み立てる手順はいたって簡単です。
まず、モニター背面中央にスタンドを取り付けます。
続いて、スタンド下部にベースを挿入して取り付けます。
ベース底部に用意された固定用のネジは、素手でも簡単に締めることが可能。ドライバー不要で組み立てられるのでラクです。
これだけで、モニターの組み立ては完了です。
モニター+スタンド+ベースの合計重量は、実測で約7,008g。27インチモニターとしてはやや重い部類に入りますが、Mini LED搭載の高性能ゲーミングモデルとしては標準的な重さといえます。
モニターの安定性は優れており、ちょっとやそっとの揺れで倒れることはありません。
▼真上から見た様子。
ディスプレイ外周の最薄部の厚みは約2.5cm。27インチMini LEDモニターとしてはやや薄型の部類に入ります。
▼真横から見た様子。
▼背面の様子。
ホワイトトーンで統一された筐体デザインにはスタイリッシュな印象を受け、どんなデスクにも自然に溶け込みます。一般的なブラック系ゲーミングモニターと比べても圧迫感がなく、インテリア性も高いです。
▼筐体外観(180°)
自在に動かせる可動域
本製品は自在に動かせる可動域を備えており、高さ・チルト・スイベル・ピボットを柔軟に調節することができます。
ディスプレイの高さは、設置面から約4cm~16cmの範囲で調整可能。
チルト(前傾/後傾)は-5° ~ +20°程度の範囲で調節可能。
スイベル(首振り)は、左右45°程度の範囲で調節可能。
そしてディスプレイ自体を、縦方向に90°回転(ピボット)させることも可能です。
設置場所や用途に応じて柔軟な調整ができる点も、本製品の大きなメリットの1つです。
普段使いでも実感するMini LEDの凄さ
『INNOCN GA27V1M』を使ってウェブサイトを閲覧したり動画を視聴してみると、まず感じるのは画面全体の圧倒的なクリアさです。
4K解像度による高精細な描写で、テキストのエッジは非常に滑らか。小さな文字や細かいアイコンもくっきり表示され、記事や資料を長時間読む作業でも目の疲れを感じにくいです。
そして動画再生時には、Mini LEDならではのダイナミックな映像表現が際立ちます。2,304ゾーンのローカルディミングが光を緻密に制御し、暗いシーンでは黒がしっかり沈み込み、逆に明るい部分はHDR1000の高輝度で力強く輝きます。
夜景や自然風景のように明暗差の大きい映像でも、ディテールが失われずリアルに再現されます。光のパーティクルや反射の表現が非常に繊細で、没入感の高い映像体験が可能でした。
▼非常に鮮明な映像表現
▼陰影の表現が素晴らしく、臨場感のある映像を楽しめます。
▼4K高解像度により、背景の草木の葉一つまで鮮明に描画されます。
また、量子ドット技術により発色も素晴らしく、人物の肌の色から背景に至るまで、自然かつカラフルに描画されます。視野角も広く、斜めから見ても色味の変化がほとんどありません。
色再現性の高さも特筆すべきポイント。DCI-P3・Adobe RGB・sRGBをそれぞれ99%カバーする広色域により、色合いを自然かつ忠実に再現。肌の質感から空のグラデーションなど、微妙な色の違いも正確に描き出します。
▼動画視聴の様子
▼ゲームプレイ時の様子(4K/60Hz)
総じて、普段のウェブ閲覧から映画・動画視聴まで、一貫して高い映像クオリティを楽しめるモニターだといえます。液晶ながらOLED(有機EL)に迫る没入感を実現しており、クリエイティブな用途にも問題なく活用できるでしょう。
なお、実際にデジタルルクスメーター「Vici LX1336B」を使用してHDR時のピーク輝度を測定したところ、画面中央で約1,016nits、画面端でも約910nitsを記録しました。
公称値(最大1,200nits)に近い結果であり、Mini LEDの高輝度性能をしっかり体感できました。
中央と端の輝度差はおよそ10%前後で、輝度の均一性は優秀な部類に入ります。バックライトのムラが少なく、Mini LEDモニターとして完成度が高いと言えるでしょう。
ただし、全画面が明るい映像を表示した際には、自動的に輝度がやや下がる挙動が見られました。恐らく内部の電力・発熱制御(ABL/自動輝度リミッター)によるものだと思われ、Mini LEDモニターでは一般的な仕様です。
ベゼル幅は一般的なレベル
本製品のベゼル幅(非描画部分)は約7mmであり、一般的な厚みです。
狭額縁(フレームレス)とは言い難いですが、一般的な用途において気になる厚みではありません。複数台を横に並べてデュアルディスプレイ化した場合でも、つなぎ目は目立ちにくいでしょう。
縦表示に対応
本製品はディスプレイを90°回転させて、映像の縦表示が可能です。
SNSの投稿など、縦に長く連なる情報を表示させたい場合や、Excelなどの表計算ソフトにおいて、複数行にわたってデータ入力する場合にもうってつけの形態となっています。
内蔵スピーカーの品質は最低限レベル
『INNOCN GA27V1M』にはステレオスピーカーが内蔵されており、モニター単体でもサウンド出力が可能です。
▼サウンド品質の確認
実際に様々な楽曲を再生してみましたが、音質は最低限レベルだと感じました。
低音域はほとんど潰れてしまっており、映画の重低音やゲーム中の爆発音などでは迫力が出ません。音圧も弱めで、ボリュームを最大まで上げても一般的なテレビの25%ほどの音量です。
一方で、中〜高音域は比較的クリアに聞こえ、セリフやナレーションなど人の声は明瞭に再生されます。ただし、全体的な解像度は外付けスピーカーや高品質なヘッドホンに比べると劣り、若干こもった印象も受けます。
内蔵スピーカーはあくまでオマケ程度であり、本格的に音楽や映画を楽しみたい場合は外部スピーカーやヘッドホンの使用を推奨します。
Mini LED特有の映像美と高速応答による圧倒的なゲーミング体験
それでは、肝心のゲーミング体験について述べていきます。
本機は「4K@160Hz」と「FHD@320Hz」をワンタッチで切り替えできるAIデュアルモードを備えており、グラフィック重視から反応速度重視のプレイまで柔軟に対応できます。
4K/160Hzプレイ時 | 映像の美しさが圧倒的
まず、4K/160Hzでゲームをプレイしてみました。
▼FPSゲームプレイの様子(4K/160Hzモード)
4K解像度では細部まで非常にリアルに描画されるうえ、Mini LEDバックライトのローカルディミング効果により、暗部の奥行きや光の反射が非常に自然で没入感が高いです。
160Hzというリフレッシュレートも十分に高く、滑らかさと解像度を高水準で両立しています。シューティングゲーム(FPS)でもブレが少なく、操作の反応も良好。映像の鮮明さを維持しつつ、視覚的な追従性が非常に高いです。
描写品質を優先したいプレイヤーには理想的なモードといえます。
FHD/320Hzプレイ時 | 反応速度重視のeスポーツ向け設定
FHD/320Hzモードでは、4Kほど映像に精細さがないものの、圧倒的な滑らかさと応答性が得られます。
▼FPSゲームプレイの様子(FHD/320Hzモード)
※Ryzen 7 9800X3D + GeForce RTX 4090環境で300fps前後を実現しています。
特にFPSタイトルでは操作への反応が非常に速く、入力遅延をほとんど感じません。MPCS技術が効果的に機能しており、照準移動や敵の動きを追う際にもブレがほぼ皆無。索敵のため画面を素早く動かしても、視認性を損なわずに立ちまわることができました。
300Hz超えの滑らかさは圧倒的であり、この異次元の "ヌルヌルさ" は、一度は体験する価値アリです。
一方で、FHD解像度では画面の精細感やHDRのダイナミックレンジが抑えられてしまうため、没入感よりも反応速度を最優先するeスポーツプレイヤー向けの設定といった印象です。
ただし、160Hzでも十分に滑らかで反応の良いゲーミング体験が可能なため、高リフレッシュレートへ特段のこだわりが無い限り、4K/160Hzでも快適にゲームを楽しめると感じました。
豊富な項目が用意されたメニュー画面
背面の操作スティックを押し込むと、メニュー画面を呼び出すことができます。
▼電源ボタンと操作スティックの位置が近く、たまに押し間違えてしまう点がネック。
メニュー画面では、明るさやコントラストと言った一般的な設定から、ゲーミング用の機能まで、豊富な項目が用意されています。
▼複数種類の映像プリセットが用意。
▼Adaptive-Syncの切り替えも可能。
▼ゲーミングを補助する機能も充実。
▼背面LEDの点灯パターンや色、強度を変更したり、消灯することもできます。
そのほか、PIP・PBP機能も用意されており、2つのソースからの映像を同時出力できます。
▼PIP機能利用時
▼PBP機能利用時
以上の通り、一般的な映像品質設定からゲーミング向けの機能まで非常に豊富な項目が用意されており、モニターを自身の用途で最適な状態にカスタマイズできます。
『INNOCN GA27V1M』の良かった点・悪かった点
『INNOCN GA27V1M』を実際に使って感じた「良かった点・悪かった点」は、以下の通りです。
良かった点
- スタイリッシュでデスク上に溶け込みやすいデザイン
- Type-C(90W給電)・HDMI 2.1×2・DP1.4×2など端子が充実
- 高さ・チルト・スイベル・ピボット調整対応で設置自由度が高い
- 液晶ながらOLED(有機EL)に迫る没入感
- 広色域対応で、色の再現度が高い
- 4K/160HzとFHD/320Hzをワンタッチ切替可能
- セール時は7万円台で狙える高コスパ
悪かった点
- 全画面が明るいシーンでABLにより輝度が自動低下
- 内蔵スピーカーは最低限レベル
- 電源ボタンと操作スティックが近く、誤操作しやすい
よくある質問(FAQ)



総評:1台で妥協なくこなしたい方に強くおすすめできるモデル
『INNOCN GA27V1M』は、27インチ・4K・Mini LED・160Hzという最新スペックを比較的リーズナブルな価格で実現した、高コスパなゲーミングモニターです。
2,304ゾーンのローカルディミングとHDR1000により、液晶ながらOLED(有機EL)に迫る没入感を実現。DCI-P3・Adobe RGB・sRGBをそれぞれ99%カバーする広色域により、微妙な色の違いも正確に描き出されるため、クリエイター作業にも向いているでしょう。
デュアルモード切替(4K/160Hz ↔ FHD/320Hz)は使い勝手が良く、「映像の美しさを重視するユーザー」と「勝つための反応速度を求めるeスポーツ志向ゲーマー」の双方を満足させる造りになっています。
一方で、内蔵スピーカーの音質は最低限レベルのため、外部スピーカーの使用を前提としたほうが良いでしょう。
それでも、90W給電対応USB-C、HDMI 2.1×2/DP1.4×2の豊富なインターフェース構成から、ホワイト筐体+RGBライティングのスタイリッシュデザインなど、総合的な完成度は非常に高いです。
普段使いから本格的なゲーミング、映像制作まで、1台で妥協なくこなしたい方に強くおすすめできるモデルといえます。
おすすめできる人
- FPSやレースなど、反応速度が重要なゲームをプレイする人
- 写真・動画編集などクリエイティブ用途でも使いたい人
- 設置自由度が高いモニターを求める人
おすすめできない人
- 音質にもこだわりたい人
- 軽量・省スペースを最優先する人
- 安価でそこそこ画質のモニターでも満足できる人
▼ショート動画を投稿しました!使用感はコチラでも確認いただけます。
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